「シャツの種類が多くて分からない」
ワイシャツ選びに悩む20代ビジネスマンからこんな声を聞きますが、実はネクタイとの関係性を理解すればシャツは簡単に選べます。さまざまなワイシャツが店頭には並びますが、すべてがネクタイを締める用途で作られておらず、また、襟型によって最適な締め方も変わります。
まずは「ネクタイの有無でシャツを使い分ける必要性」を理解しましょう。第一ボタンを外してもルーズに見えないシャツはクールビズ期間に重宝しますが、ネクタイを締めると違和感が出るのです。
『38歳からのビジネスコーデ図鑑』(日本実業出版社)の著者が、「1週間乗り切れるビジネスシャツ」についてお伝えします。
ワイシャツは襟型で決める
ワイシャツの色や柄だけで判断する人がいますが、これでは最適なシャツを選べません。例えば、襟の開きが90度のレギュラーカラーのシャツ、第一ボタンを開けたとき、襟先が浮いてだらしなく見えます。レギュラーカラーはネクタイを締めることを想定しているシャツだからです。
また、ボタンが付いた「ボタンダウン」や、襟の開きがほぼ180度ある「ホリゾンタル(水平)」といった襟型。この時期クールビズ専用コーナーで見掛ける機会が増えるのではないでしょうか。この2タイプは、第一ボタンを開けたとき、襟先が浮かず安定するのでノーネクタイスタイルによく映えます。
その反面、ネクタイと合わせるには工夫が必要になります。
ネクタイの締め方は襟型で決まる
およそ120年前に生まれたボタンダウンシャツ。英国でポロ競技を観戦していたジョン・E・ブルックス(ブルックスブラザーズ3代目)が、風でバサバサと揺れる選手たちの襟先を見て開発しました。
スポーツをルーツとしているボタンダウンの襟型はカジュアル寄りの印象です。そのため、ネクタイを合わせる場合、カッチリしたフォーマルなネクタイより、ニットタイのようなカジュアルなタイプが合います。
一方、ホリゾンタルカラーシャツは、ネクタイの締め方に工夫が必要。襟の開きが広いため、ネクタイの締め方によっては結び目の根本がのぞいて不格好に見え、その様は首輪のような印象です。
それを避けるため、ウィンザーノットと呼ばれる結び目が大きく見える締め方に合わせる訳ですが、結び目が太い締め方は、体が大きいガッチリした人には向いていますが、細身で小柄の人にはあまり似合いません。
そこで、お勧めしたいのが誰にでも似合うセミワイドカラー。これはネクタイの有無を問わない例外的なシャツです。レギュラーカラーとワイドカラーの間に位置する120度の襟型は、第一ボタンを開けても襟先が安定します。同時に、プレーンノットやセミウインザーノットといったシンプルな締め方が似合います。
つまり、使用用途を制限しないセミワイドカラーシャツこそ、1週間を乗り切るにふさわしいのです。では、どんな色・柄が望ましいのでしょうか。
白シャツはノージャケットでも映える?
スーツ・ジャケットに合わせるなら、間違いなく白シャツ一択。ところが、ノージャケットも想定すると、この法則が当てはまりません。
シャツインを前提にしたスラックスのノージャケット姿は、カジュアルシーンとは違い、地味の一言。白いワイシャツはダークスーツやジャケットにメリハリを付けることで映えるのです。
ノージャケットの場合、柄・色のワイシャツが映えますが、ネクタイを合わせるとき、組み合わせの難易度は上がります。そこでお勧めしたいのが、襟が白いカラーシャツ。クレリックシャツと呼ばれるこのタイプは襟が白いのでネクタイも割りと何でも合います。また、ノージャケットであっても、ボディーに色が付いているため見た目が華やかです。
これまで白シャツ一択だった人にとっては抵抗感があるかもしれませんが、例えばビジネスシーンの基本であるブルーシャツなどで、試してみてはいかがでしょうか。