この連載では、1年の汚れを落とす「大掃除のコツ」を、お掃除のプロであるマスターライフオーガナイザー 木村由依さんに教えてもらいます。第5回は「窓・ガラスサッシ掃除」。汚れた窓をピカピカにして、明るい新年を迎えたいですね。


5回目のテーマは窓・ガラスサッシです。気温が低くなり始めたので、屋外での冷たい水仕事も、ちょっとちゅうちょしてしまいがちですね。しかしながらゴム手袋と長靴で装備をととのえると、真冬でもお天気の良い日は汗ばむほどです。お掃除は有酸素運動としても効果があるのではないかしら?

窓ガラスの汚れ、見ないふりをしていませんか?

窓ガラスの汚れが気になりつつも、レースのカーテンで覆い隠し目に触れないようにしている方は意外と多いようです。しかし、窓ガラスやサッシレールが汚いと、カーテンが汚れるだけでなく、風とともに汚れが室内に入ってきてしまいます。もちろん、ベランダにたまった砂ぼこりもしかり。

窓が汚れていると、外が見えません…

レールの汚れも見逃さないようにしましょう

今回は「近くに散水栓がないので水の確保が難しい」という方におすすめのお掃除テクニックをご紹介します。年末の大掃除の際では、たっぷりの水を使って窓ガラスやサッシの砂ぼこりをスッキリきれいに洗い流してしまいましょう!

(1)カーテンを洗う
まず、窓ガラス掃除と同時にカーテンを洗濯しましょう。カーテンは室内のホコリと屋外の砂ぼこりをキャッチするフィルターの役割をしてくれています。ですから、汚れがたまりすぎるとカーテンを開け閉めするだけで部屋にホコリをまき散らすことになってしまいます。

(2)網戸を取り外す
網戸を取り外すことで、窓掃除はとってもしやすくなります。取り外すと横に寝かせることができるので、洗いやすくなるというわけです。 編戸はそれぞれ取り外し方が異なりますが、枠の両サイド上の方にネジで緩めるストッパーが付いているのが一般的。ネジを緩めるとストッパーが下がり、網戸を外すことができます。 大抵は編戸の上部に外し方がシールで貼られていますので、確認してみてください。

ストッパーが上がった状態(通常)

ネジを緩めるとストッパーが下がり、網戸が外れます

              

(3)洗剤液を塗る
水とアルカリ性の洗剤を3:1ほどの割合で希釈し、洗面器に七分目ほどの洗剤液を作ります。洗剤や水が垂れることを想定し、ガラスサッシの足元にバスタオルやレジャーシートなどを敷いておくといいですよ。

「水分で汚れを浮かせること」が楽ちんサッシ掃除のコツなので、洗剤液はたっぷり使用することがポイントです。

次に洗剤液に雑巾を浸し、水が垂れない程度に緩く絞りましょう。その雑巾でガラスの両面に洗剤液を塗布します。ここでは洗剤液は塗るだけなのでゴシゴシと擦りません。

       

洗剤液をたっぷりと塗りましょう

             

(4)汚れを落とす
洗剤液を窓全体に付けたら、ブラシを洗剤液でぬらしながら枠のパッキンにこびり付いた汚れを浮かせます。サッシレールにたまった砂ぼこりも、水分たっぷりの洗剤液とブラシがあれば簡単に浮かせることができるのですよ。

続いて、洗剤液の付いたガラス面をスポンジで擦り、こびり付いた汚れを浮かせていきます。汚れが浮いた洗剤液は、スクイージーかき出します。スクイージーがない場合は固く絞った雑巾で水拭きをしましょう。

パッキンの掃除にはブラシを使いましょう

(5)水拭き・から拭きをする
おおよその洗剤液を取り除いた後は、水分たっぷり緩く絞った雑巾で水洗いするように上から下へと拭き取ります。これを繰り返すと、汚れと洗剤液が徐々になくなっていきます。洗剤液をしっかり取り除いておかないとから拭きの際にガラスに白い筋ができてしまうので注意しましょう。

洗剤液を取り除いたら、ガラスが完全に乾いてしまう前にから拭きします。このから拭きがガラスを光らせるポイントです。

(6)サッシレースの汚れをとる
ガラス面の掃除が終わったら、サッシレールにたまった汚れを雑巾で拭き取ります。大まかな汚れは洗剤液で浮いているはずですので、それほど大変ではないでしょう。マイナスドライバーに雑巾を絡ませて拭き取ると、レールの角までスッキリと拭き上げることができますよ。指先に雑巾を絡ませる方法では、角の汚れが取れないのでおすすめしません。

ホコリだらけだったレールもここまで輝きます!

ガラス掃除のコツは、初めから雑巾を固く絞って力任せに拭き取らないこと。拭き取った雑巾が真っ黒になるし、力任せの掃除は疲れるだけでストレスの元です。 それよりも水の力で汚れを浮かせその汚水をぬぐうように拭き取った方が、砂ぼこりやカビははるかに簡単に取り除くことができるのです。また洗剤液を使うのは、油分を含んだ汚れを落とすことが目的です。これで窓はピカピカになりますよ。       

やはり理想はホースを使って丸洗いすること。もっと簡単にキレイにすることができるからです。しかしそれができない場合は、丸洗いするかのようにたっぷりの水分を使うことが鍵なのです。

※たっぷりの水分量とは「ビシャ、ビシャ」っとするくらいですよ。

お掃除後の窓ガラス 外の景色もはっきり見えます

(7)最後にカーテンを取り付ける
窓が奇麗になったら、洗濯が終わったカーテンを取り付けます。脱水後のぬれている状態で取り付けるとシワも付かず、キレイに乾かすことができます。特にこの時期は乾燥しているので、カーテンの湿度が部屋を心地よくしてくれますよ。

【最終回は換気扇の掃除方法をご紹介します】


木村由依(きむら よしえ)
クリスタルミューズ代表、日本ライフオーガナイザー協会所属 マスターライフオーガナイザー。お掃除オーガナイザーとして、ハウスクリーニング、オーガナイズ(片付け)、講師の3サービスを実施中。お客様に「心地よい暮らし」を得ていただくためのお手伝いをしています。「もっと早く学んでおきたかった!」と評判の講座や個人レッスンは、一生もののスキルです。一緒にお掃除の基礎を学んでみませんか?
Blog「木村由依のクリスタルな日々」HP「女性のためのハウスクリーニング クリスタルミューズ」