あと残り3回まで差し迫った干支文字連載の大トリを飾るのは、毎日書道会の理事でもある石飛博光先生。数多くの書道に関する書籍を発行するだけでなく、NHK文化センターの講師を務めるなど、書道の楽しさを広く普及するために幅広く活動している。「書は、創作活動。楽しんで書きましょう」と語る石飛先生の、既成概念にとらわれない干支文字の世界を学んでいこう。

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早速、書道が上達するコツについて聞いてみたところ、「文字を書くという行為は、日常で当たり前のようにしていることですよね。書道も同じように、日常に取り入れながら、毎日少しづつ書くことが、上達するポイントなんですよ」という答えが返ってきた。初心者にとって、毎日書を書くことは難しいかもしれないが、休日など、心を落ち着けるために書道を利用してみるのもいいだろう。今回は、2色の絵の具を用いて、グラデーションで甲骨文字を書く方法を教えてもらうことにした。どことなく愛嬌を感じさせる甲骨文字で、新春らしい年賀状に仕上げてみよう!

絵の具を固めに溶くのがコツ

今回書く甲骨文字は、「毛が伸びている子ども」という意味を持っているのだとか。これから「成長」していくという象徴でもあるので、新年には、ぴったり! ポイントは、絵の具を筆全体に付けたあとに違う色の絵の具を固めに溶き、筆先につけること。こうすることで、固めに溶いた絵の具と全体につけた絵の具が、グラデーションになって書かれていく。ひと筆ごとにグラデーションの感じが違うのも手書きならではの味わいとなる。

1.上部分に、3本の線を書く。
2.左右から真ん中にかけて、顔となる部分を書く。顔と髪の毛の境界線に、1本線を書く。
3.顔のパーツを書く。今回は甲骨文字に忠実に書いているが、オリジナルの顔を書いても、面白い。
4.体の部分となる4本の線と、真ん中に2本のつながった線を書く。

今回の技のポイント

アクセントをつけたい時に絵の具を付け足すことで、全体的にメリハリのある文字となる。

動画
石飛先生によるお手本

絵の具は、華やかな色をセレクト

今回の文字の魅力は、可愛らしさにある。その魅力をさらに引き立たせるには、絵の具の色の選び方も重要となってくる。石飛先生曰く、新年にふさわしく、楽しく華やかな気持ちにさせるパスカルカラーを選ぶとよいのだとか。また、筆使いはやさしく、しなやかなタッチで。筆は、細めのものを選択すると書きやすい。多少のかすれやにじみは、独特な味となるので、思い切り大胆に書いてみよう。

次回は、石飛先生から、宮本武蔵も顔負け!? の二刀流ならぬ、二「筆」使いの技を伝授してもらう予定。お楽しみに。