決まった住所を持たず、日本中を旅しながら生活しているカメラマンの南谷有美(なんや・ゆみ)さん。訪れた地域では人々とどのように交流し、どんな仕事をしてきたのか。それぞれの地域の魅力についても綴っていただきます。


宮古島、鳥取、鹿児島、尾道、山口、長野…など、今まで様々な場所でワーケーションをしてきました。気づけば、私のライフワークの一つともなっています。今回はワーケーションを愛する私がお届けする、おすすめのスポット5選をご紹介します。

  • ワーケーションって何? 楽しみ方やおすすめスポットを紹介!※画像はイメージ

ワーケーションとは

ワーケーションとは、ワークとバケーションを繋げた米国発の造語です。リモートワークを活用してリゾート地等の環境の良い場所で、短中期的に滞在し仕事を行う取り組みのことを意味します。

あまり知られていないかもしれませんが、ワーケーションの施策については、令和2年度の環境省の補正予算案にも組み込まれています。その活動や効果は、各界から注目を集めているのです。

ワーケーションの醍醐味

ワーケーションの醍醐味は「リフレッシュしながら仕事ができる」ことです。私自身、普段と異なる環境に身を置くことで、通常よりも短時間で集中して仕事に取り組めると感じています。

そして、バケーションを十分に満喫できるのも利点の一つ。短い休暇を使った滞在だと、観光も天候などに左右されますが、仕事をしながら一定期間滞在できれば、妥協せずに観光や遊びを楽しむことができます。

ワーケーション必勝法

ワーケーションを行う上でまず大切になってくるのが、その目的です。

観光、ビジネス、現地の人の生活に触れるなど、主目的を決めましょう。そしてそれをもとにスケジュールを立てていくと、観光と仕事のバランス、意識の切り替え方もうまくいく気がしています。

と言っても私は結構気分屋なので、厳密にスケジュールを決めていくことは少なく、「この期間でこれだけ達成できたらいいな」というぼんやりとした目標だけ決めていきます。 こういったゆるい目標が、ワーケーションを楽しむ上では意外と重要になってくるかもしれません。

場所の決め方

ワーケーション初挑戦の方はワーケーション推進に取り組まれている県や自治体の中から選ばれることをおすすめします。

受け入れ体制やプランなどが整っている場所であれば、あとはそれをベースにして、気軽にワーケーションを実践することができます。

自治体だけではなく、近年では宿泊施設やコワーキングスペースが主体となって行っている場合もあります。是非チェックしてみてください。

ワーケーションにおすすめのスポット

ここからは、ランキング形式でご紹介します。実際に私が訪れて「よかったな」「また行きたいな」と思った場所をピックアップしました。

第5位 滋賀県(湖南市)

滋賀県湖南市の魅力は「地方で働く・暮らす」を体験できることです。

湖南市ではコワーキングスペース「今プラス」とコリビングハウスを利用させてもらったのですが、ワークスペースや周辺環境の良さもさることながら、最も衝撃を受けたのは格安の値段! コリビングハウスとコワーキングスペース(通常営業時間)の利用し放題で、1週間1万5,000円(税別)でした。本当に破格です。

気になる方は、運営主体のジャパニーズ株式会社さんにお問い合わせください。私も落ち着いたら、また利用させてもらいたいと思っています。

  • コリビングハウス。一軒家です

  • おしゃれな内装のコワーキングスペース

第4位 和歌山県(南紀白浜)

ワーケーションを語る上で避けては通れない、和歌山県。市区町村で取り組まれている自治体は他にもあると思いますが、和歌山県は県をあげてこのワーケーションを推進しています。

私が訪れたのは、中でもワーケーションの取り組みが盛んな南紀白浜。この場所の魅力は、観光スポットがたくさんあるということです。かわいいパンダに会えるアドベンチャーワールドや、豊かな自然を感じられる三段壁や円月島など、様々なジャンルの観光スポットがあります。ですので、家族や仲間などと一緒に訪れても楽しめる場所だと思います。

また、利用可能なワークスペースも至るところにあります。オンオフの切り替えをしながら、有意義な時間を過ごすことができます。

  • アドベンチャーワールド。かわいいパンダに癒やされる

  • 円月島。夕方がおすすめです

第3位 長野県(大町市)

今回ご紹介する中で、私が最も長い期間滞在していた場所です。2018年10・11月、2019年4月・5月中旬までの約3ヶ月半滞在しました。SMOUTという移住・定住を促進するサービスで大町を知り訪れてみたところ、見事にその虜になってしまいました。

大町の魅力は、豊かな自然とそこで暮らす人々です。入り口がシェアハウスだったということもあるかもしれませんが、本当にいろいろな方と知り合うことができました。私は極度の人見知りでしたが、ここで社交性が身についたと言っても過言ではありません。

また、執筆の仕事を始めたのも、写真展を開催したのも、取材依頼を頂くようになったのも、この長野での生活がきっかけでした。私の旅の原点ともなっている大切な場所です。新型コロナウィルスが落ち着いたら、また訪れたいと思っています。

  • シェアハウスから車で10分の風景

  • みんな元気かな

第2位 広島県(尾道市)

気軽にワーケーションを楽しむことができるところが尾道の魅力です。

ワーケーション初挑戦の方にとって、一番苦戦してしまうのはそのスケジューリング。「泊まる場所は?」「ワークスペースは?」「交通手段は?」と考えるべきことが結構あるため、土地勘がない場所だと絶望感さえ漂い始めます。

私が尾道をおすすめする理由は、そのコンパクトさ。徒歩圏内にワークスペースや宿泊施設があり、おしゃれなカフェや尾道名物のお店、そしてフェリーに乗って数分で向島に行くことができます。身近な範囲内で様々な楽しみ方をすることができるので、初めのワーケーションにもおすすめのスポットです。

  • ONOMICHI SHARE。困ったらここに連絡を

  • フェリーで向島へ

第1位 沖縄県(宮古島)

そして堂々の第1位は、宮古島。その理由は、青い海と白い砂浜のビーチ、思い描くワーケーションのイメージに最も近いと思われる場所だからです。

「離島だからネット環境が心配」という声も聞こえてきそうですが、宮古島のネット環境は良いと思います(もちろん場所によります)。仕事を頑張ったら、海を眺めてボーっとする。宮古島で過ごす時間はとても穏やかで、ゆったりしていました。

「きみ、ワーケーションしてるの?」と現地の方に話しかけられたことがきっかけで、私はワーケーションという言葉を知りました。私が何気なく行っていたライフスタイルには名前があったのかと驚きました。ワーケーションを知るきっかけにもなった大切な場所です。

  • ゴルフ場で写真撮影の仕事をしていました

  • きれいな海

ワーケーションをしてみよう

ワーケーションにおすすめのスポットについてご紹介しましたが、いかがでしたか。日本には素敵な場所がたくさんありますね。「百聞は一見に如かず」ということわざがあるように、実際に行って初めて分かることがたくさんあります。

私は今後も様々な場所を訪れたいと思っています。もし「この場所いいよ」とか「ここでワーケーションしてほしい」などありましたら、是非ご一報ください。まだ見ぬ素敵な場所や人々に出会えることを楽しみにしています。

南谷有美(なんや・ゆみ)

カメラマン/ライター
2018年4月に認可外保育園の園長を退いてから、各地を巡る旅人に。リモートで仕事をしながら、好きな場所で好きなことをして生活しています。