問題をおさらい!

  • この不思議なスクーターの名前はなんでしょう? という問題でした

正解はこちら!

【答え】ホンダ「ジョルカブ」

正解は1999年に登場したホンダ「ジョルカブ」でした!

「ジョルカブ」は一見するとスクーターですが、ステップボードの左側にはシーソー式のシフトペダルが付いています。実はこのモデル、レトロデザインが人気の50ccスクーター「ジョルノ」の車体に「スーパーカブ」のエンジンを搭載したハイブリッド。だから「ジョルカブ」というわけです。

とはいえ、この2台は構造がまったく違うバイクなので、簡単にドッキングすることはできません。見た目は「ジョルノ」ですが、フレームや外装、エンジンの一部、足廻りなども専用設計という手の込んだ作りです。また、当時のスクーターは2ストロークエンジンが主流でしたが、「ジョルカブ」はカブ系の4ストロークなので、当時スクーターNo.1の低燃費110km/L(30km/h定地走行テスト値)を達成しています。

  • ホンダ「ジョルカブ」
  • ホンダ「ジョルカブ」
  • ホンダ「ジョルカブ」
  • シートの下にはメットインスペースも備えています

こんな変わったモデルが生まれた背景には、1980年代に起きたバイクブームの終焉や、バブル経済の崩壊によるバイク人口の激減が関係しているんです。バイクメーカーは若いエントリー層を獲得するため、既成概念にとらわれないモデルを次々にリリースしますが、「ジョルカブ」もそのひとつ。オシャレで古い「ベスパ」のように「ギアチェンジをして走らせる楽しみを持ったスクーター」というテーマで開発されたというわけです。

「オシャレなMTの原付ならカブがあるじゃないか?」と思う方もいるかもしれませんが、当時の「カブ」は“新聞配達のオジサンが乗るバイク”というイメージの方が強く、若いユーザーはカブ系のエンジンを積んだ「モンキー」や「ゴリラ」、女性はファッションと実用性を兼ね備えたレトロデザインのスクーターを選ぶ傾向にあったようです。

「ジョルカブ」は2003年に生産を終了しましたが、カブの変速機が付いたスクーターという唯一無二の希少モデル。カブ系エンジンの豊富なカスタムパーツも流用できるため、一部の熱狂的なオーナーたちに愛されています。「人と違ったカブに乗りたい」という方はいかがでしょうか?

それでは、次回をお楽しみに!