シンガポール航空は、世界ナンバー1の航空会社として評判高い。英国に拠点を置く航空産業の格付け会社スカイトラックス社が先に発表した2018年「World Airline Awards(ワールド・エアライン・アワード)」の「Top 100 Airlines in 2018」でも、堂々1位に輝いた。
そのシンガポール航空の東京(成田)=ロサンゼルス線に先日搭乗した。搭乗クラスは、プレミアムエコノミー。機内食では、メインメニューがあらかじめ数種類から事前に選べる、著名なシェフが監修する「ブック・ザ・クック」が利用できる。
プレエコはシート広々、設備も充実
シンガポール航空の東京(成田)=ロサンゼルス線は、1日1往復の運航。使用機材は、ボーイング777-300ER型機で、ファースト、ビジネス、プレミアムエコノミー、エコノミーの4クラス制だ。成田を夜に出発してロサンゼルスには昼過ぎに到着、また、ロサンゼルスの出発は午前で、成田には昼過ぎに着く。全国各地からの乗り継ぎでも利用しやすい。
プレミアムエコノミーは、2-4-2のシート配列で全32席。チェックインカウンターや搭乗ゲートではエコノミークラスと別レーンなので、諸々の手続きが非常にスムーズだった。優先手荷物受け取りサービスもある。
シートは、エコノミークラスよりも格段に快適な最大49.5インチのシート幅と96.5センチのシートピッチに加え、エッグレストにカーフレストを装備し、最大20センチまでリクライニングする。USBポートは席ごとに2基とシート電源もあるので充電の心配はゼロ、収納スペースも広くて使い勝手がとても良かった。
また、歯ブラシと靴下が入ったアメニティの袋も配布。今年5月に世界で初めて大阪(関西)=シンガポール線で就航したボーイング787-10型機のデザインだった。
さらに、13.3インチHDタッチスクリーンモニターにノイズキャンセリング・ヘッドフォンで、1,000以上あるという映画やドラマなどのプログラムが楽しめる。日本映画の作品数が10本ほどあり、設定など全て日本語対応なのも日本人にとって利用しやすい点だと感じた。
「ブック・ザ・クック」は出発24時間前までに
成田発ロサンゼルス行きSQ12便の機内では、まず温かいおしぼりが配られ、ドリンクとおつまみのサービスから始まった。ドリンクは、プレミアムエコノミーではシャンパンや赤白ワイン、カクテル、ビールなどアルコール類のラインナップも豊富。個人的にアルコール類が一切飲めないのが残念なほどだった。
そして、出発24時間前まで事前注文できるシンガポール航空ならではのメニュー「ブック・ザ・クック」から、まずは夕食として「ビーフハンバーグとフライトポテト」が運ばれてきた。
マッシュルームのソースがたっぷりかかった和風のビーフハンバーグは、まさに熱々の状態で肉汁もしっかりあり、ボリューム的にも十分。ブロッコリーやコーンといった野菜、フライドポテトもとてもおいしかった。新鮮な野菜のチキンサラダ、カマンベールチーズ、クラッカーにパンとサイドメニューにも満足。
デザートはハーゲンダッツのアイスクリームで、味は「クッキー&クリーム」だった。ハーゲンダッツのアイスクリームを提供する航空会社は多いが、機内で食べるハーゲンダッツは普段以上においしく感じられるから不思議だ。
食事の間も軽食やスナックはいつでも注文可
東京(成田)=ロサンゼルス線の機内食は2回あり、その間に「グルメセレクション」としてスナックや軽食が、プレミアムエコノミーではオーダーできる。軽い食事は「ベジタリアンサンドイッチ」と「セイボリーサンドイッチ」、スナックは「エンドウ豆とクラッカー」「チョコレートバー」「ポテトチップス」「プチケーキ」「新鮮なフルーツ」。そのうちのいくつかを、温かい紅茶と合わせて頼んでみた。
すると運ばれてきたのは、ポテトチップスやプチケーキは袋ごと、フルーツはバナナだった。ビジネスクラスで提供されるスタイルをつい想像していたのだが、そこはあくまでプレミアムエコノミー。テーブルの上にポンと置かれた瞬間、思わず笑ってしまった。もちろん、全てありがたくいただいた。
2回目の機内食、2個目のハーゲンダッツという衝撃
ロサンゼルスへ到着する2時間ほど前に、2回目の機内食が運ばれてきた。これも「ブック・ザ・クック」で注文済みのもの。メインは「和風シーフードドリア」だ。
サフランライスに、柚子こしょうのクリームソースとパルメザンチーズがかかり、白身魚や貝柱、エビやイカなどのシーフードがたっぷりのっていた。味はややスパイシーながらマイルドでもあり、和風とあって食べやすさも抜群。チーズのこってり感も絶妙で、あっという間に完食した。小エビのコールスローサラダ、パンが1回目とは違うのも良かった。
さらに、デザートは再び、ハーゲンダッツのアイスクリーム。同じ味かと思いきや、今回は「バニラ」だった。過去20年、世界中で数多の航空会社に乗ってきたが、1回のフライトで2回もハーゲンダッツを提供された経験は思い出せない。ハーゲンダッツが2個、素直にとてもうれしかった。これは搭乗客の満足度がきっと高いはずで、さすがシンガポール航空と思わされた。
「ブック・ザ・クック」でシンガポールグルメを堪能
東京(羽田・成田)発ロサンゼルス行きの便で、プレミアムエコノミーの「ブック・ザ・クック」で選べるメインメニューは8種類もそろう。「魚のサンバル風味とココナッツライス」といったシンガポールらしい料理、「塩鮭と青菜ご飯」(朝食のみ)や「鶏ご飯」などの和食もある。なお、事前にオーダーしていないと、機内で肉や魚など3種類のメインメニューから選ぶ、よくあるスタイルだ。
シンガポール航空のプレミアムエコノミークラスは、エアバスA380型機および350型機、ボーイング777-300ER型機で順次導入されている。日本路線だと、東京(成田)=ロサンゼルス線のほか、東京(羽田・成田)=シンガポール線など。機会あれば、ぜひ「ブック・ザ・クック」を利用してみるのをオススメする。
※記事中の機内食は、2018年7月の成田=ロサンゼルス線で提供されたもの