スターフライヤーの機内サービスと言えば、タリーズのコーヒーを思い浮かべる人も多いだろう。共同開発されたオリジナルの一杯に、あのチョコレートがなんとも言えない。しかし、スターフライヤーはドリンクサービスのほか、有料の「STARFLYER★CAFE」を展開していることをご存知だろうか。
「In-flight magazine」という二重奏
この「STARFLYER★CAFE」は2017年に開始した新サービスで、2018年6月1日には第2弾の「サーモンのクリームリゾット」(500円)が登場した。ただし、提供は羽田=北九州/福岡/山口宇部線限定。限定などと言われてしまうと、乗ったからには頼まずにはいられないではないか。
スターフライヤーの機内では、客室乗務員だけではなく、"スターフライヤーマン"が待ち受けている。どこにいるかと言うと、個人モニターの中だ。スターフライヤーの機体を擬人化したスターフライヤーマンは、空の守護神という設定で、手荷物の収納場所やシートベルトの装着方法、緊急時における酸素マスクの使い方など、機内安全についてクールにポーズを決めながら説明してくれる。
座席は普通席のみで、最大180席のA320においてゆとりのある150席仕様となっている。機体の色にあわせて座席は黒で統一されており、全席にコートフックやUSBポート、コンセントも供えられているのはスターフライヤーならではのこだわりだ。
利用した山口宇部=羽田線の飛行時間は1時間半程度。ただ寝て過ごすだけでもいいかもしれないが、個人的にも興味を引かれたのが、機内誌「Mother Comet」と連動した機内エンターテインメント「In-flight magazine」だ。毎月更新の機内誌では就航地の人・モノに着目した巻頭特集を展開し、「In-flight magazine」ではその人物へのインタビューとともに動画で紹介している。実際、6月号で紹介されていたハンバーガーショップ「今屋」に関しては、すでにもう、店主に会えたような気になってしまった。
どこをすくってもサーモン
しばらくするとドリンクサービスが始まり、オリジナルスープをお願いするともに、例の「サーモンのクリームリゾット」をお願いした。機内では現金のみでの支払いとなる。ちなみにこのオリジナルスープは路線によって変わり、羽田/中部出発便はミネストローネ、羽田/中部到着便はオニオンスープが提供される。せっかくならばと、オニオンスープはリゾットの到着を待って飲むことにした。
注文から5~10分程度でリゾットが登場。思っていたよりも量があり、チーズがふわりと香った。というのも、「STARFLYER★CAFE」の第1弾で「玄米とポルチーニ茸のクリームリゾット」を提供したところ、「もう少し食べたい」という声があったため、第2弾ではご飯の量を2割増やしたそうだ。
形こそ小さいものの、サーモンがしっかり入っており、一杯一杯にしっかりサーモンの風味を感じる。利用した便は9:40山口宇部発/11:15羽田着で、朝食はそこそこに出発となったのだが、とろっとした濃厚クリームは朝一の身体に染み渡った。もちろん、タマネギの甘さが生きたオニオンスープとも相性抜群だ。
タリーズも9年ぶりに新味へ
このリゾットには、機内販売もしている「八女玉露チョコサンド」が2個セットになっている。日本有数のお茶の産地・八女の玉露を練りこんだホワイトチョコレートをウエハウスで挟んだサンドで、パッケージからも高級感が漂う。このチョコサンドを食べていると、「お口直しにコーヒーはいかがですか」と客室乗務員に声をかけてもらい、機内サービスのおかわりへ。
タリーズと共同開発したオリジナルブレンドコーヒーも、実は4月1日より9年ぶりにリニューアルされた一杯だ。グァテマラをメインにコロンビア、ブラジルの3種の豆をブレンドしているようだが、ちょうど甘いものを食べていたからか、すっきりとした軽い飲み口ながらほどよい酸味を感じた。そして側には、いつもの「カレ・ド・ショコラ(ベネズエラビター)」。おかげで、余韻の残るひとときになった。
スターフライヤーは10月末からの冬ダイヤで、4年半ぶりに国際線に再参入する。北九州/福岡/中部=台北(桃園)を結ぶ路線ではもちろん、新たな機内食も予定している。国際線という舞台でどんな機内食が提供されるのかにも期待したい。
※価格は全て税込
※記事中の機内食は、2018年6月の山口宇部=羽田線で提供されたもの