深みがかったブルーの機体には金色に輝くハスの花を、客室乗務員(以下、CA)たちにはオーダーメイドされた真紅のアオザイを。数あるキャリアの中でも、デザインの鮮やかさ・美しさで定評があるベトナム航空が、今回の機内食の“レストラン”である。

ベトナム航空の機体は鮮やかなブルーが印象的

機内で味わうベトナムビール、ベトナムコーヒー

搭乗したらおつまみで一杯

紹介する機内食は、成田-ホーチミンシティのエコノミークラスで提供されたもの。往路は09:30に成田発、帰路は00:30ホーチミンシティ発のため、機内では昼食と朝食を堪能できる。同クラスの昼食と朝食はともに、和食と洋食から選べるようになっている。

ドリンクはウイスキーやワイン、カクテル、ビール、日本酒などとメニューも豊富。ベトナムらしさを味わいたいなら、ベトナムビールやベトナムコーヒー、ベトナムの緑茶をチョイスしよう。なお、日本のビールもあるので、ここで飲み納めをするのもいい。

濃厚ソースのビーフかとろーり玉子あんかけか

まずは昼食から。洋食は、「スライスビーフのリヨネーズソースと香草ポテトの野菜添え」に、「シーフードマカロニサラダ」「パン」「フルーツ」そして「オレンジクリームケーキ」をセット。ビーフは飴色に炒めたタマネギの濃厚ソースで味付けされており、香草ポテトとの相性も抜群だ。ビーフは程よい硬さで、見た目以上にボリュームがある。

洋食のメインは「スライスビーフのリヨネーズソースと香草ポテトの野菜添え」。ビーフはボリューム満点!

一方、和食は「鳥玉子あんかけ」「菜の花の胡麻和え、千草玉子焼き、京昆布巻き、筍の土佐煮」という純和風なメニューに、「パン」「フルーツ」「大福」が添えられている。日本米を用いたご飯は、柔らかすぎず固すぎずと日本人好みの炊き加減。あんかけとの間には仕切りがしてあるので、あんでご飯がふやけてしまう心配もない。筆者個人としては、中にあんがぎっしり詰まった大福の大きさと愛らしさに心打たれてしまった。

和食のメインは「鳥玉子あんかけ」。「大福」はベトナムの緑茶と一緒に

食事が終わる頃には、CAがベトナムコーヒーやベトナムの緑茶を勧めてくれるので、機内から始まるベトナムタイムを、一服しながら味わってみるのもいいだろう。

ビーフ&ヌードルか野菜たっぷりか

深夜にホーチミンシティーを発つ帰路は、時差や慣れない機内でやや眠りが浅くなってしまうかもしれない。だからこそ、ボリューム満点の朝食で一日をスタートしよう!

洋食は「ファイブスパイスビーフ、フライドヌードル、野菜」に、「季節のフルーツ」「プレーンヨーグルト」「パン」をセット。大きめにカットされたビーフは、東南アジアならではのスパイスでちょっと濃いめの味付けとなっていた。フライドヌードルはいわゆる焼きそばで、「朝から味が濃いものはちょっと……」という人でもさらっと食べられる。

洋食のメインは「ファイブスパイスビーフ、フライドヌードル、野菜」。朝からこのビーフはちょっと刺激的かもしれないが、ヌードルは朝にもぴったりな味わいだ

そして和食は、メインの「エビの煮付け、ご飯」に、「野菜の煮付け」「しば漬け、ニューイヤーサラダ」「季節のフルーツ」「パン」がセットになっている。エビの煮付けではインゲンマメやシイタケ、ニンジン、ニューイヤーサラダではダイコンとニンジンなどと、野菜もたっぷりとれるメニューに仕上げられていた。味付けはやや甘めの印象を受けたが、優しい歯ざわりにほっとする。

和食のメインは「エビの煮付け、ご飯」。全体的にヘルシーな印象

洋食・和食ともに量はしっかり。もし、「朝はちょっと弱くて……」という人は、和食を選んだ方がいいかもしれない。なお、この時の季節のフルーツは、洋食・和食ともにマンゴーとパイナップル、スイカだった。

ちなみにベトナム航空のビジネスクラスは、3種からメインを選ぶ本格的なコース料理で、食器にはベトナム高級陶器メーカー「ミンロン」を使用している。シェル型のフラットシートでくつろぎながら、そんな料理をアオザイ姿のCAにサーブしてもらう……想像するだけでも優雅な一時極まりない!

※記事中の機内食は、2014年2月の成田-ホーチミンシティ線で提供されたもの