幼い子どもがいる共働き家庭では、保育園など子どもを預かってくれる施設にお世話になっている方も多いでしょう。
毎朝子どもが素直に行ってくれればいいのですが、登園前に「行きたくない」と言われて困った経験のある方もいらっしゃるのではないでしょうか?
筆者は今、2歳の子どもを保育園に預けて働いています。ある朝、「保育園に行きたくない」と言われた時には、慌ててしまいました。最終的には子ども自身で行くことを決めてくれたのですが、その時のやりとりをご紹介します。
一呼吸置いて気を取り直そう
保育園に通い始めて1年ほどたったある朝、「保育園に行きたくない」と子どもがぐずりました。入園以来楽しく通えていたのですが、以前運動会の練習の時期に登園を渋ることがありました。その時期が過ぎ、また楽しく通えていたのにどうしたのでしょうか。
慌ただしさの中、焦って「今日は保育園に行く日でしょ!!」と大きな声が喉元まで出かかったのですが、すんでのところで言葉を飲み込みました。
なるべく事を荒立てずに気持ちよく行ってもらうには? 内心焦りながらも、子どもがその気になるためのコミュニケーションを考えました。
共感して気持ちを受け止めよう
まずは感情的にならないように、落ち着いて「そうなんだ」と子どもの気持ちを受け止めることに。
「そうかそうか、行きたくないんだね。まあ朝ごはんを食べようか」と寄り添いつつ、何気に出発準備の朝食を食べることに取り掛かりました。
食べながら理由を聞いてみると、「ママとバイバイ、淋しいの。一緒にいたい」との答えが。そう聞いたら、胸が締め付けられる思いです。
そして、「淋しいんだね。ママもできることならずっと一緒にいたいよ」とギュッと抱きしめて、子どもの気持ちに寄り添った自分の気持ちを表現しました。するとぐずぐず泣いていた子どもが少し落ち着きました。
私の働き方の関係で平日すべて登園しているわけではないので、子どもとしては「今日はママと一緒に過ごしたい」ということなのでしょう。
しかし保育園には行ってもらわなければ困ります。そこで、「でも今日はお客様とお約束があの。あなたが保育園に行かなくてもあなたの相手をしてあげられないよ。だから保育園で遊べるように、先生にお願いしてあるよ」と説明しました。子どもはじっと耳を傾けてくれました。
子ども自身に選択してもらおう
そして、できれば子ども自身に保育園に行くことを選んでもらいたいと思い、保育園が楽しいと思ってもらえるよう、園からのお便りにある楽しそうな情報を伝えました。
「今日のおやつはクッキーだって! お散歩ではまたどんぐりをいっぱい拾うかな?」
そして、「今日はどうして過ごすことが自分にとって楽しいと思う?」と問いかけました。
ここまで話しても「ママと一緒にいたい」と言われる可能性はゼロではありません。それでも、「きっと最後は状況を理解して自分にも親にもいい方を選択してくれる」と信じて問いかけました。
この時は、最終的に子どもは筆者の目を見て「保育園に行く」と言ってくれたので、ホッと胸をなでおろしたのでした。
大人でも、自分の気持ちを表現した時に感情的に返されたら頑なな気持ちになってしまいますよね。突然の「保育園に行きたくない」という言葉には焦ってしまいますが、まずは共感して受け止めることで、こちらの事情や想いを分かってもらいやすくなり、最後は落ち着いて自分の選択をしてくれるのではないかと思います。
スムーズにいかない時は
もしも、それでも子どもが「やっぱり行かない」と言ったら、お金を稼ぐこと・誰かの役に立つことなど、仕事への親の真剣な想いを伝えて、こちらの事情を分かってもらえるようお願いするしかないと思います。
私なら「パパとママがお仕事できるように保育園に行ってください」と伝えます。最終的に無理やり行ってもらうことになったとしても、感謝の気持ちを表したいと思います。
また今回の場合、保育園では子どもが楽しく過ごせていることは、迎えに行った時の様子や先生から聞いて分かっていたので、このように対応しました。
もしも、保育園が楽しくないことが原因で「行きたくない」と言うのであれば、もちろん対応は変える必要があると思います。
ハッピーに働くために
幼い子を抱えて働いていると、思い通りにいかないこともたくさんあります。朝「保育園に行きたくない」と言われてしまったら誰でも焦ってしまいますよね。
私はとっさの時に自分も子どもも大切にした丁寧なコミュニケーションが取れるように、できるだけ日々気持ちに余裕を持てるように意識しています。そのために失敗続きの日でも、夜には毎日自分を労わる言葉をかけて寝るようにしています。
子どもがその時の気分で「保育園行きたくない」と言いだすことはゼロにはできませんが、それをどう捉えてどうコミュニケ―ションを図れば、自分にとっても子どもにとっても幸せでしょうか。ぜひあなたの想いの詰まった言葉で語りかけてください。
筆者プロフィール: ただくまみほ
子どもを授かったことがきっかけでお金の勉強を始めた。自分のお金の不安を安心に変えることができ、今度はかつての自分と同じように不安を抱えるママのお役に立ちたいと起業。家計相談では教育費・老後費用・起業女性支援など「その人らしく生きる」ことを実現するためのアドバイスを得意とする。また行政やNPO主催のマネー講座の講師も務めている。
わくわくライフサポート代表/ファイナンシャルプランナー2級技能士/マイライフエフピー認定ライター/マイライフエフピー認定ライター/
イラスト=オオノマサフミ