燻製とは、桜やナラ、カシなどのチップを燃やした煙で食材に特有の風味を付けること。チーズや肉類、魚貝などのありふれた食材を燻製にすることで旨みが増し、酒の肴にもってこい! 本連載では、人気ブログ「燻製記」の燻製道士さん考案の燻製レシピを掲載。初心者でも取り組みやすい中華鍋でつくるメニューを紹介する。

中華鍋で燻製

中華鍋でつくった燻製手羽先。美しい燻煙色で、酒の肴にもってこい

中華鍋で燻製をするにあたって必要なものは6つ。中華鍋と蓋、カセットコンロ、網、スモークチップ、アルミホイル。網は中華鍋の中にセットし、食材をのせるためのものだ。今回は、直径30cmの中華鍋とそれに合う蓋を揃え、網は中華鍋の真ん中よりやや上くらいの深さに引っかかる大きさのものを用意した。

これが中華鍋燻製セット

まずは、中華鍋にアルミホイルを敷いてチップをのせる。ちなみにアルミホイルは、スモークチップを直接中華鍋にのせると焦げ付いて後処理が大変なので敷いている。そして、網をセットたらカセットコンロの火をつける。最初は強火で、煙が上がってきたら食材を網にのせる。

今回使用する食材は手羽先で、燻製をする前に下味をつける。ポリ袋に手羽先3本と塩、胡椒、ハーブソルト、酒各少々を入れてもみ込み、1時間ほど冷蔵庫においておく。その後手羽先を取り出してキッチンペーパーの上にのせ、常温で1時間置いて表面を乾かす。これを網の上にのせて中火にし、蓋をする。30分後、表面に茶色い燻煙色がついて中まで火が通っていたら完成だ。

中華鍋にアルミホイルを敷いてスモークチップを入れる。ここに網をかぶせて火をつける

強火にして煙が上がってきたら食材を並べ、中火にして蓋をする

注意点は次の通り。まず、食材の表面に水分が残っていると嫌な酸味が出てしまうので、しっかりと乾燥させること。そして、食材を室温に戻してから燻製するのものポイントだ。これで、燻製中の結露が防げる。もし燻製中に蓋や食材に水滴がついてしまった場合は、キッチンペーパーなどでまめにふき取ること。水滴が垂れると、蓋についたタールも一緒に食材にかかってしまって苦味が付いてしまうことに加え、せっかくチップからいい煙が出ていても消えてしまうからだ。

スモークチップは1000円以下で売っており、あとは家庭にある道具で燻製ができる。ちなみに、チップの量は燻煙時間10分で6g程度が目安。今回の手羽先は、燻煙自体は20分で十分なのでふたにぎり(約12g)使っており、中まで十分火を通すために30分の加熱時間を取っている。パワーのある換気扇があるならキッチンでの作業も可能だが、基本的には屋外での燻製作業がいいだろう。アウトドアイベントの際にチャレンジしてみるのがオススメだ。