現在の就活市場は企業側の求人数が多く、売り手市場と言われています。しかし、大手企業に人気が集まり、中小企業には求人倍率を下回っているところもあるようです。果たして、大手企業に行くことが成功への道なのでしょうか。
ベンチャーにあえて行き、そこで結果を残すことで、大手に部長待遇で転職ができたり、さらに別のベンチャー企業に役員待遇で転職できたりといったことが今は普通に起きています。
「会社のブランド価値」ではなく「個人のブランド価値」を上げていくべきだという議論は多々ありますが、どんなキャリアがベストなのでしょうか。
新しいキャリア像を一緒に考えて行きましょう。
起業家からみる大手の組織構造
例えば、超大手と言われるような銀行や商社、不動産会社に入ったとしましょう。
そうすると、「新卒・新人扱い」の状態で3年間を過ごすことになります。 その後4~10年ぐらいが若手。10年を超えてきてやっと中堅どころと言われるようになります。
これが、ベンチャーだとどうでしょうか? 入社して1カ月が新人。2カ月~1年が若手。1年を超えたら立派な中堅プレイヤー、またはエースプレイヤーになれるはずです。
弊社もグループ化を現在しているので、11カ月で子会社の代表取締役になった人材もいますし、6カ月でCOO(最高執行責任者)をお願いしている人もいます。 人生のスピード感が10倍ぐらいは違います。
大手のリスクとは?
スピード感を考えると、大手で出世していくのは競争もとても激しいし、「時間リスク」を最大限取ることになります。
出世しきるまでの30年間、会社が堅実に成長していないと意味がない。出世しきるまでの30年間、自分が健康でいないと意味がない。
その30年間、多くの趣味やプライベートを犠牲にしないといけないかもしれません。
ベンチャーで実績を出せば転職し放題?
新卒は学歴が影響するかもしれませんが、中途に関しては、学歴よりも職歴が重要です。あなたが中途採用の人材を選べる立場だとしたら、どちらを採用したいでしょうか?
大手出身者
・超大手企業出身
・5年目
・係長代理として2人の若手をマネージング
・仕事は営業を中心に、目標は100%達成し続けている
ベンチャー出身者
・ベンチャー出身
・5年目
・新サービスの立ち上げをリーダーとして経験し、10人の部下をマネージング
・サービス立ち上げの成功と売り上げ目標の達成を成し遂げ、現在順調に成長中
もちろん、会社の求めているポジションや社風によって全然違うと思いますが、「経験値」という意味ではベンチャー出身者の方がはるかに高いのではないでしょうか。
実際、私の友人はベンチャー出身で、実績を出し続けて大手企業に異例の若さで部長職になったりしています。
世の中の流れが変わってきていることを認識した上で、現在出世していると言われている方々の職歴などを眺めてみるとおもしろいかもしれないですね。
執筆者プロフィール: 小茂鳥 雅史(こもとり まさふみ)
株式会社スパルタ英会話 代表取締役
慶應義塾大学院卒業後、外資系証券会社モルガン・スタンレーMUFG証券に入社。退職後、NPO法人JAVO(ボランティア証明書発行機関)を発足。2年後、《語学で「夢はかなう」の実現》を理念とし、3カ月短期集中型の英会話教室を創業。わずか3年で4本のテレビ出演、年商を3億円企業へ。会社規模を拡大させ、世界をひとつのビックファミリーにという想いのもと、語学、IT、金融、人材などの6つの会社を束ねる株式会社We&を設立し、代表取締役に就任。