収納王子コジマジックさんが、子どもの片付けを促す、100均アイテムを使った収納テクニックを紹介していく本連載。まずは、子どもがうまく片付けられない原因はどこにあるのか、どうしたら片付け上手になってもらえるか、親としてできることについてお話しいただきました。


必要な物、不必要な物が混在しているから散らかる

まず、なぜ家の中で物が散らかってしまうのでしょうか。それは、家の中に「必要な物」と「不必要な物」が混在し、「不必要な物」が「必要な物」を覆ってしまうからです。結果として、必要な物がどこにあるのか分からなくなり、それを探し出すために物が散らかってしまいます。

家の中が必要な物だけになると、家は散らかりません。ですから子どもには、「必要な物だけを取り入れる力」を少しずつ身に付けさせましょう。


未就学児は「出す、もどす」、就学児は「出す、分ける、しまう」

小学校に進学するまでは、「出す、もどす」の2ステップを教えます。なぜ「しまう」ではなく「もどす」なのかというと、「しまう」では、しまい方が複数あり、答えが1つではないからです。「出したらもどす」は答えが1つのワンアクションなので、小さな子どもでも理解しやすいと思います。

そしてもう1つ大切なのが、親が「物が帰る場所を作る」こと、そして片付けを「楽しい遊び」にすることです。

例えば、「乗り物のおもちゃは青いシール」「お人形は赤色のシール」など、種類別に色の異なるシールを貼り、それをしまうカゴにも、同じ色のシールを貼ります。そして、「青い箱に青いおもちゃを入れてみよう!」と声掛けすれば、お片付けが遊びになりますよね。遊びながら自然とお片付けが身に付くというのが、子どもにとってはベストです。

「出す、もどす」ができるようになったら、次は「出す、分ける、しまう」の3ステップにトライしてみましょう。例えばおもちゃを全部出して、「必要な物」「不必要な物」を子どもに分けてもらうのです。

分けてもらう時のポイントは、「好きな物を選んでもらう」ということ。「これは使わないでしょ?」ではなく、「●●くんの好きなおもちゃ、ベスト5を教えて」と聞いてみてください。子どもはポジティブに「必要な物」を選んでくれるはずです。

使いにくい原因を解消すれば、子どもは片付けられるようになる

うまく片付けができなかった時は、「どうしたら使いやすくしまえるかな?」と子どもに聞いてみるといいと思います。大人が決めた収納のルールを無理やり押し付けるのではなく、使いにくい原因を聞くことで、「なるほど、こうしたら使いやすいのか!」という発見もあります。

子どもは十人十色。一緒に考えてあげることで、片付けに関する得手・不得手が分かります。根気を持って子どもに接し、子どもに寄り添って、片付けられる仕組みを作っていきましょう。子どもの成長を感じるのは、親にとって、とても楽しいことのはず。ぜひ親子で楽しみながら、トライしてみてくださいね。

聞き手: 横山茉紀
衣装: 大原数馬(CREATION)

著者プロフィール: 収納王子コジマジック

(日本収納検定協会 代表理事 小島弘章)
片づけ・収納・住まいに関する確かな知識と実績を持つプロフェッショナルでありながら、松竹芸能で20年の芸歴を積んだ、主婦層に圧倒的な支持を受ける男性ライフスタイル系タレントのパイオニア的存在。収納に"笑い"を取り入れたセミナーが話題となり、年間講演依頼数は200本以上。著書・監修本は累計35万部を超え、2014年12月には収納と育児・教育・育成を組み合わせた "収育"を理念として掲げた、日本収納検定協会を設立。2015年10月からは"お片づけを楽しむ検定"「収納検定」をスタートさせる。そのほか収納グッズ開発やモデルルームの収納コーディネートなど幅広く活躍。フジテレビ「ノンストップ!」(毎週木曜)にレギュラー出演中。

ホームページ
ブログ