メルセデス・ベンツが「Cクラス」をフルモデルチェンジして発売した。Cクラスは同社の売れ筋で、先代モデルは日本で約10万台(7年の累計)が売れたとのこと。メルセデスの人気商品なのだから新型もいいクルマなのだろうが、念のため実際に乗り、独断による採点を敢行してみた。

  • メルセデス・ベンツの新型「Cクラス」

    メルセデス・ベンツの新型「Cクラス」はどんなクルマ? ペーパードライバーが試した

ARナビを採用!

試乗したのは新型「Cクラス」のセダンタイプで、グレードは「C200 AVANTGARDE(アバンギャルド)」。排気量1.5Lの直列4気筒ガソリンターボエンジンに「ISG」というマイルドハイブリッドシステムを組み合わせた電動車だ。動力性能は最高出力204ps、最大トルク300Nm。車両本体価格は654万円で、オプション、保証プラス、メンテナンスプラスを含む合計は751.7万円だった。

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    新型「C200 AVANTGARDE」のボディサイズは全長4,793mm、全幅1,820mm、全高1,446mm。試乗車が装着していたオプションは「ベーシックパッケージ」「AMGライン」「メタリックペイント」「リア・アクスルステアリング」で計72.4万円

まずは見た目から。前から見ると、グリルにはメルセデスのトレードマークである「スリーポインテッドスター」がちりばめられている。AMGラインを選ぶとこの「スターパターングリル」になるそうだから、買うなら絶対に付けたい。ボディサイドは2本の線が入っているくらいで、あとはすっきりと面で見せるデザイン。「パワードーム」の盛り上がりが勇ましいボンネットは、「前へ前へと進もうとする衝動」を強調しているそうだ。

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    オプション「AMGライン」に含まれる「スターパターングリル」。人によってはしつこいと感じるかもしれないが、私は好きだ

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    ボディサイドはすっきりとクリアな造形。ミニマリズムとかリダクショニズムなどと呼ばれる表現方法か

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    ボンネットには「パワードーム」と呼ばれる盛り上がりがある

外見は先代モデルと比べて大きく変わっているわけではないようだが、カッコいいクルマに乗っているというだけで気分はいい。100点満点でいえば、デザインですでに80点くらいはつけてもよさそうだ。

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  • 左が新型「Cクラス」、右が従来型「Cクラス」(どちらもAMGライン装着)。グリルの端の向き(上向きか下向きか)が変わるだけで、ずいぶんと面変わりがするものだ

内装は結構、印象が変わっている。従来型Cクラスとの大きな違いは、センターコンソールのところから曲線を描いて立ち上がるディスプレイの部分だ。新型「Sクラス」でも見た造形である。ディスプレイは埋め込んであった方が一体感があるような気もするが、どうだろうか。センターコンソールにあったダイヤルなどもなくなったので、先代Cクラスに比べてすっきりとしているのは間違いない。

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  • 左が新型「Cクラス」、右が従来型「Cクラス」(2018年に撮影したステーションワゴンの内装)。新型のメーターはひさしのないパネルになっているが、運転中、日光が映り込んで見えづらいというような場面はなかった

中央のディスプレイには「AR ナビゲーション」(オプション)を表示させることができる。普段は普通のナビだが、交差点などに差し掛かると画面の上部にカメラ映像が映し出され、ARの矢印が浮かび上がり、向かうべき方向を指し示してくれるというシステムだ。新型「Sクラス」はヘッドアップディスプレイ(HUD)でもAR表示を見ることができたが、Cクラスはセンターディスプレイのみとなる。

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  • センターディスプレイでは「AR ナビゲーション」が使用可能。交差点やT字路などが近づくとカメラ映像に切り替わって矢印が出現(写真左)、どこで曲がるべきかを矢印が指し示してくれる(写真右、「左折して東海道に入ってね」という表示)。AR機能はOFFにすることも可能だ

ナビを見ながら運転していても、左折可能な道路が短い区間の中で連続する場合など、曲がるべき道を曲がりそこなうことはよくある。少なくとも私にはよくある。そんなペーパードライバーにとって、曲がるべき道が把握しやすいARナビは嬉しい装備だし、なんといってもナビの演出として先進的で面白い。

HUDとARナビを内容とするオプション「ベーシックパッケージ」は15.4万円だが、650万のクルマを買えるくらいの人であれば、これも躊躇なく装着してOKなのではないだろうか。HUDは大きいのでとても見やすく、簡易的な地図も表示してくれる。ARナビとHUDのコンボで10点追加だ。

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    あと、試乗車の色「モハーベシルバー」(メタリック)も渋いと思った。近づくと細かくラメっているのだが、光の加減によってはいぶし銀というのか、銀箔を貼った美術品のようなニュアンスも感じられる。よくあるシルバーではない

思った通りによく曲がる

走りについては、素人から特別に何か申し上げることはない。総じていい感じだった。

1.5Lのエンジンと聞くと力強そうには思えないが、実際は出だしもスイスイだし、高速道路で踏み込めば猛然と走り出す。気持ちがいいなと思ったのは、ハンドルの操作に合わせてクルマがスパッと曲がるところ。かといって曲がりすぎることもなく、思った通りに進んでいくものだから、1.8m超の横幅もそこまで気にならない。

いい具合に曲がるのは、オプションの「リア・アクスルステアリング」も与って力があるのかもしれない。60km/h以下だとリアホイールがフロントと逆方向に最大2.5度、60km/h以上だと逆に最大2.5度曲がるというシステムで、これによりクルマの扱いやすさや操縦安定性が向上するという。

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    「リア・アクスルステアリング」のオプションを装着すると、後ろのタイヤが前輪と同じ方向に切れたり、逆の方向に切れたりするようになる。駐車の際には逆に最大2.5度切れてくれるので、回転半径が小さくなり、クルマが扱いやすくなるそうだ

考えてみると、数年前に初めて乗った左ハンドルのクルマが「Sクラス」(のクーペ?)で、しかも走ったのが箱根の曲がりくねった山道だったから、紙ドライバー的にはかなりの難易度だったのだが、それでも問題なく目的地にたどり着けたのは、メルセデスのクルマが思った通り(ハンドルを切った通り)に走るからなのだろう。

「新型Cクラスの乗り心地は(タイヤにもよるけど)硬め」との声も聞いていたのだが、乗った感じ、ゴツゴツしたりガタガタきたりすることはなかった。静かだったし、乗り心地を含む走行性能には10点を加点したい。これで、計100点ということになった。

ただ、減点ポイントもある。スマートフォン用ワイヤレス充電の場所だ。写真をどうぞ。

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    スマホのワイヤレス充電はココ! センターコンソールの物入れの奥の方だ

こう奥まっていると置きづらいし、降りるときに忘れそうだ。運転中、スマホをクルマにつなげて「radiko」や音楽を聴くことが多い人間にとって、充電は重要な要素となる。なので、厳しく減点10点としたい。というわけで、独断による採点の結果、新型Cクラスの合計点数は90点でフィニッシュということになった。

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    箱根ターンパイクや西湘バイパスなどで試乗した結果、新型「Cクラス」は90点という結果に

新型Cクラスの納車開始は、「C200」と「C220d」(ディーゼルエンジン)が2021年秋、「C200 4MATIC」が2022年第1四半期、「C350e」(プラグインハイブリッド=PHEV)が2022年中ごろ、ステーションワゴンの「C200」と「C220」が2021年第1四半期の予定だ。

  • メルセデス・ベンツの新型「Cクラス」
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  • シートの位置は電動で調整可能。調整スイッチは「静電式」というやつで、指をあてるだけでシートが動かせる

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  • メーターパネル(右)には速度・回転数を知らせる丸いメーターを含め、いろいろな情報を表示させられる。お気に入りは大きな地図だ