「家事も育児も家計も全部ワリカン! 」バツイチ同士の事実再婚を選んだマンガ家・水谷さるころが、共働き家庭で家事・育児・仕事を円満にまわすためのさまざまな独自ルールを紹介します。第37回のテーマは「連絡はSNSを駆使しています」です。

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  • 家庭内SNS活用法

前回同様、悲しい話をします……。このマンガを描いた後、いつものようにノダDが「ちょっと~。あの会合のことどうなってるの?」と聞いてきました……。

私がLINEの「ノート」に今わかっている情報をまとめて、「ノートにまとめたので、確認してください」とLINEを送っていたのを、ド・スルーしていたんですね。

おいおいおいおい~~~。こっちはさ~、あなたがストレスを溜めないように、ああしてみよう、こうしてみよう、と日々試行錯誤してるわけですよ~~~。

口頭で言えば「覚えてない」。じゃあどこかにメモを、とSNSを駆使してるのに、それをスルーだとゴルアアア! と、私の方からブチキレてしまいました。

私は基本「私が頑張れば、なんとかなる!」という思考なので、タスクに関してはあんまり怒りません。部屋が片付いてなかったら「はいはい」と片付けるし、床、トイレ、などなど、どこかが汚れていても気が付いた人が掃除すればいい。という感じで、常に「自分がやればいい」と思っています。

一方、食事など自分が気にならないことはどうでもいいので、何が出てきても「ありがたい」。なので日常生活のタスクでイラっとしたり、腹を立てたりすることはほぼないのです。

そんな私が感情的になるのは「相手の感情表現」なんですね。ネガティブな感情を出されることへのストレスだけは、どうにもなりません。なぜなら、こればかりは「私が動けばタスクは解決!」とはならないことなので。

それでも、パートナーが「これがイヤ」「こういうのが気になる」と言うのであれば、「その問題解決しようじゃないか!」という気持ちになって「じゃあ、改善する手段を考えよう!」となります。でもだから平気ということは全然なくて、「文句を言われる」「機嫌が悪くなる」のは私にとって結構なストレスです。

私はとにかく、向こうがストレスを溜めることによって、こっちにストレスが向くことを回避したい。

なので「SNSは?」「メモは?」など、あーだこーだとアイデアをしぼっているわけです。でも、さすがにそれを無碍にされるとブチーンと堪忍袋の緒が切れます……。

この時は「LINEのノート機能がわかってなかった」と言われ、「確認してなくてごめん」と素直に謝ってもらったのですが、コミュニケーションの齟齬や認識の違いを埋めよう埋めようと頑張っても、穴があるんですよね。

家族単位の遊びや集まりは、やはり「ママ友」同士で起こることが多く、私を通して誘われることが多いです。なので、私が仕切りをせざるを得ないことが多く、自分で仕切りたいパートナーはイライラ。

我が家は「人をコントロールしようとしてはいけない。まずは自分で行動せよ」というルールなので、仕切りとか連絡とかが気に入らないのなら「自分でやる」ということにしています。

なので、行くメンバーが決まったら、相手と面識がある場合、必ずSNSでグループを作成し、パートナーも直接やりとりできるようにしています。

この方法、気心が知れてるメンバーばかりの場合はいいのですが、そうでもない大人数の場合は必ず送信前のメッセージはチェックしています……。パートナーは、相手に与える印象をあまり気にしないメッセージを作成することがあり、私が「もうちょっとどうにかして!」とお願いして以来、彼が自信がない時は事前に「これを送ってもいい?」と相談されるのです。

おっと……ここまで読んだ方の中に「うわあ、めんどくせえ」と思ってる人がいるような気がします。ええ、めんどくさいです。でも、ちゃんとやらないと我が家はすぐ「事故」が起こる家庭なので、工事現場ばりの安全確認・声かけをしています。

ただ、めんどくさくはあるのですが、きっちりといろんなことを仕切ってくれるので頼りになります。

無関心、無気力、何もしない……みたいな方が、私にとってはつらいことなのでパートナーの積極的な姿勢は嬉しいです。何にもしないのに文句言うとか、そういうタイプだったなら私もこんなに頑張らないだろうなあと思います。

私は昔はホントになんでも抱え込んでやっていたんですよね……。なんでもかんでも自分が抱え込めば、いちいち相手に連絡したり情報をシェアしたりする必要はないんです。

でも、2人で一緒にやれば楽になることはたくさんあるし、楽しいことも増えます。だから、頑張って情報や認識を共有するだけの価値があるんですよね。

今のパートナーと一緒になってから「あれ? 私はホントは楽観的で適当なタイプだったんだな~」と思いました。というよりは、彼がきっちりやってくれるという安心感があるから「楽観的で適当でいられる」ようになったんです。

情報の共有や認識のすり合わせはめんどくさいですが、いいこともめんどくさいことも2人で相談して補い合える夫婦になりたいなと思っています。

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著者プロフィール:水谷さるころ

女子美術短期大学卒業。イラストレーター・マンガ家・グラフィックデザイナー。
1999年「コミック・キュー」にてマンガ家デビュー。2008年に旅チャンネルの番組『行くぞ! 30日間世界一周』に出演、のちにその道中の顛末が『30日間世界一周! (イースト・プレス)』としてマンガ化(全3巻)される。2006年初婚・2009年離婚・2012年再婚(事実婚)。アラサーの10年を描いた『結婚さえできればいいと思っていたけど』(幻冬舎)を出版。その後2014年に出産し、現在は一児の母。産前産後の夫婦関係を描いた『目指せ! ツーオペ育児 ふたりで親になるわけで』(新潮社)、『どんどん仲良くなる夫婦は、家事をうまく分担している。』(幻冬舎)が近著にある。趣味の空手は弐段の腕前。