実際に「新婚時代に家を購入」した先輩カップルにマイホーム実現までの体験談を伺う本連載。第8話となる今回がついに最終回です。
入籍して2カ月で中古マンションの購入とリノベーションをされたYさんご夫妻にインタビュー。前編ではこだわりポイントや購入のきっかけを紹介しました。
後半では、住まいづくりの不安や思いがけなかったこと、新婚カップルへのアドバイスなどを伺います。
Yさんご夫婦
夫 ヒロアキさん(42)
職業：製造業
趣味：カフェ巡り、雑貨屋さん巡り妻 ユリナさん(33)
職業：アパレル販売員
好きなこと：お菓子づくり、編み物、服づくり、カフェ巡り、雑貨屋さん巡り
Instagram：https://www.instagram.com/yurina_1230/
――住まいづくりが楽しかったとのことですが、ぶつかることはありませんでしたか?
ユリナさん：ぶつかり合いみたいなのはあんまりなくて。だけど意見が食い違うことはもちろんありました。こっちの方がいいんじゃない? とか、話し合いながら決めていく作業は楽しかったです。
ヒロアキさん：趣味も似ていたし大きな食い違いはなかったですが、細かい部分はもちろん難しくて、そのアイデアのメリットとデメリットを洗い出して、とにかく写真でイメージをすり合わせて、二人が納得いくところまで詰めていきました。
ユリナさん：住まいづくりの段階で、実際に暮らすイメージを常に持っていたのは大きいかもね。どうしても内装に寄りすぎると、やりたいことがたくさん出てきてしまうのですが、「実際生活するならどうか」という視点は大切にしていました。主人の方がデザイン重視で、私の方が現実派だったんです。
ヒロアキさん：思ったより現実派なんだとか、お互いの選択の仕方や考え方とか、住まいづくりをしていて気づいたことがたくさんあったね。デザインを意識するとこっちだけど、実際暮らすとこうなるんじゃないかとかを話し合いました。
ユリナさん：両方の視点があったのはバランスが良かったかも。だからヒロさんと2人で住まいづくりができてよかったのかなと思います。
――住まいづくりを通じて、お二人の関係性も深まったのですね。中古に対して心配はありましたか?
ユリナさん：最初はありました。耐震は大丈夫なのかとか、この先何十年住んでも平気なのかとか。不安はあったのですが、リノベーション会社(リノベる。)に、良いマンションの選び方を教えていただいて安心できました。
ヒロアキさん：最初はどう進めていいのか、どう選んでいいのかよくわかっていなかったんです。説明を聞いているうちに不安は解消されて、最終的に二人の希望していた条件にも合っていて、長期修繕計画がきちんとされていた今の物件を選びました。
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解体前、スケルトン状態、完成後の様子
――金銭面での不安はどうでしたか?
ヒロアキさん：少しありましたが、最初にシミュレーションしていただいたのと、予算内で納められるように調整していったので大きな不安はなかったです。
ユリナさん：ローンの審査に不安はあったのですが、担当の方が色々合うプランを見つけて下さったので、最終的には安心できました。
――今年お子様が生まれたそうですが、想定して住まいづくりはされていたのでしょうか。
ユリナさん：そうですね。1部屋は子供部屋にしようと考えていて、今はプレイマットを敷いたベビーサークルをリビングに置いて、寝室にベビーベッドを置いています。
ヒロアキさん：夫婦二人の時とはまた違う住まいになってきています。飾り棚に重たいものも置いていましたが、今は絵本を並べていて、安全対策にも気を遣い始めました。
ユリナさん：成長に合わせてアップデートして行きたいなと思っています。
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お子様誕生以前の飾り棚には二人の好きなビンテージ雑貨が並ぶ
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テレビの前のスペースにベビーサークルを設置。絵本は表紙を見せて飾っている。
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寝室はウォークスルーのファミリークローゼットと繋がっていて動線が楽に
――住んでみていかがですか。変化などはありましたか?
ヒロアキさん：快適ですね。朝起きたときやふとした時に「いい家だなあ」って思います(笑) 休みの日に3人でのんびりしている時、日の光が入って、好きなものに囲まれていて、その中で過ごす時間が好きです。
ユリナさん：唯一無二の家というか、めちゃくちゃこだわってきたからこそだと思うけど、居心地がいいです。家にいる時間はやっぱり増えたと思います。
ヒロアキさん：変化でいうと、コロナ禍ということもありましたが、もっと家で過ごすようになりました。ゲームをしたり、今は3人でゆっくりしたり。
ユリナさん：2人ともアクティブなタイプではないですが、もっと家が好きになったよね。私は、元々料理がそんなに好きじゃなかったんですけど、料理やお菓子づくりが楽しくなりました。キッチンが広くなって、自分の好きな使いやすい間取りで、好きなものを置けるので楽しいです。
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引っ越しを機にお菓子づくりや料理が趣味の一つになった
ヒロアキさん：僕は観葉植物を育てるようになりました。住まいづくりをする段階から植物を置きたいと言っていて、やりたいことが自由にできるように想定しておくのは結構大事ですね。
ユリナさん：あとは買い物かな? 今まで雑貨屋めぐりはウィンドウショッピングが好きだったのですが、飾り棚ができたことで、ここに合うものを今日は探しに行くぞ！という気持ちで買いにいくようになりました。
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奥様はリノベを機にインスタグラムで暮らしの発信もするようになり、共感してくれる方が増えたという
――快適という言葉も出ていましたが、居心地の良さはどこから生まれているのでしょうか。
ヒロアキさん：めちゃくちゃ悩んで作ったので、お気に入りの物が合う空間にできたというのは大きいかもしれません。
ユリナさん：お気に入りに囲まれているっていうのはあるね。家族や友達に写真を見せると生活しづらそうと言われることもあるのですが、実際来てもらうとなんか落ち着く、と言ってもらえます。（笑）程よい生活感があるのと、お気に入りに囲まれているっていうのはきっと心の快適さに繋がっているんじゃないかなと思います。
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引っ越しを機にドラム式洗濯機などの便利家電も購入。家事も楽になったという
――もう一回住まいづくりをするなら? 過去の自分にアドバイスしたいことはありますか?
ユリナさん：家族の暮らしの想定をもっとする! 子供のことでいうと、生活のイメージをしながら住まいづくりをしていたものの、実際生まれてみると日中はどう過ごすか、夜はどうやって寝るのかまで考えられていなかったなと思っていて。「広さ」、「明るさ」、「いつどの部屋でどう過ごすか」このあたりをもっと考えられたら良かったです。
ヒロアキさん：生まれてみないとわからないので難しいところですが、できればもっと具体的に考えられたら良かったよね。
あとは、収納。部屋が広くない分、減らす作業ができるのはいいことなのですが、もっと増やしても良かったなと思います。
ユリナさん：思っていたより物の量が多かったです(笑) 隠す収納をもっと作っても良かった。隠す収納でいうとパントリーがあってもよかったかも。
ヒロアキさん：パントリーもいいね。残したい部分でいうと、飾り棚はもう一回住まいづくりをしても、また作りたいと思うんじゃないかな。
ユリナさん：うんうん。あれはいいよね。自分達らしさがよく現れていると思います。
住み替えも視野にはあって、もう一回リノベしたい気持ちもあるのですが、今はこの住まいを工夫して過ごしていこうかなと思っています。
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寝室にも室内窓を設え、開放感を感じさせる。
――結婚と同時に住まいづくりをして良かったなと思うことはありますか?
ヒロアキさん：やっぱり金銭面でしょうか。早く買った分、早く支払いが終わるので。
すぐ買わなきゃということはないと思いますが、住まいづくりが1回目だとわからないことも多いので、若い方だったら売り貸しを視野に入れて早めに中古マンションをリノベするのは良いと思います。
ユリナさん：今だから思えるのは、子供が生まれる前だったので、身軽に打ち合わせできたのは良かったです。打ち合わせが何度もありますし、落ち着いて住まいづくりに没頭できた気がします。
――これからマイホームを進めたいと思うカップルにアドバイスをください!
ヒロアキさん：皆さん結婚式を先にやる方が多いと思うのですが、僕たちの場合コロナ禍ということもあって先に住まいづくりをすることにしたんです。結婚式もそうだと思いますが、決めることや選ぶことがたくさんあるので、価値観のすり合わせができるいい機会になると思います。
ユリナさん：思い返すと話し合いは本当にたくさんしました。住まいづくりだと、夫婦のどちらかに決定が偏ってしまうという話も聞くのですが、「二人で関心をもつ」というのは大事なんじゃないかな。
ヒロアキさん：二人の家であり、家族の家なので、お互いに意見を全力で出し合っていただくといいんじゃないかなと思います。
ユリナさん：関わらなかったのに後から不満が出てきてしまったらお互いにもやっとしてしまうし、それが後悔しない住まいづくりのポイントかもね。
ヒロアキさん：うんうん。二人で決めて話し合いもたくさんできるので、お互い一緒に悩みながら住まいづくりをするのは、その先の絆を深めるためにもいいんじゃないでしょうか。
――ヒロアキさん、ユリナさん、ありがとうございました!
いかがでしたでしょうか。
結婚して家族になったお二人が作り上げた住まいは、新しい家族の形にあわせ、ますます愛着のある居場所に変わっているようです。好きなものに囲まれ、二人で悩みながら出来上がった居場所は、これからの未来を明るく迎え入れてくれるのではないでしょうか。
本連載では、新婚時代に住まいづくりをされた先輩カップルにお話を伺ってきました。
それぞれの家族で、それぞれ悩みや想いがあり、二人で共に悩んで生まれた住まい。過ごす中で愛着が生まれ、家族と共に育まれています。
家族の未来をかしこく、もっと心地よくできるのはオーダーメイドのリノベーションならではなのではないでしょうか。
素晴らしい縁で結ばれた新婚カップルの未来がよりよいものでありますように、住まいづくりがそんな未来の道しるべの一つになれば嬉しいです。またどこかでお目にかかりましょう。
■DATE
中古マンション購入＋リノベーション
完工時築年数：築28年
面積：74.43㎡
間取り：3LDK→2LDK＋WIC+書斎
エリア：愛知県名古屋市
施工：リノベる。
