結婚するとでてくるマイホームの話題。マイホームづくりは「一生に一度の一大イベント」なのでしょうか?「結婚してすぐマイホームなんて無理だ!」と思っている新婚カップルにぜひ知っておいてほしい選択肢の一つに「中古マンション」があります。

この記事では、実際に「新婚時代に家を購入」した先輩カップルの、マイホーム実現までの体験談をまとめました。

結婚して2年以内で中古マンションの購入とリノベーションをされたIさんご夫妻にインタビュー。前編ではこだわりポイントや購入のきっかけを紹介しました。

後半では、住まいづくりの不安や思いがけなかったこと、新婚カップルへのアドバイスなどを伺います。

Iさんご夫妻

プロフィール
夫 サトシさん(33)
職業:音楽クリエイター
好きなこと:音楽・カメラ・インテリア

妻 ショウコさん(36)
職業:金融業
好きなこと:お酒、ホームパーティー

――住まいづくりが楽しかった! ということですが、ぶつかることはありませんでしたか?

サトシさん:意見のぶつかり合いとかはなかったよね。こだわりたいポイントがうまく合いました。

ショウコさん:そうだね。住まいに関しては旦那さんの方がこだわりが強かったのですが、やりたいことがあったらまずは私の同意を求めてくれました。理由まで説明してもらって、ときには折衷案にしたりして、二人で「いいね!」となってから決めるようにしてました。

サトシさん:通勤しやすい立地にしようとか、人を招く家にしようとか、最初に譲れない軸を二人で決めたのは良かったかなと思います。

――なるほど! 素晴らしいですね。中古に対して心配はありましたか?

サトシさん:最初は色々ありました。資産性については正直売ってみないとわからない部分はあるので、いまでも不安が0なわけではないですが、「リノベる。」(リノベーション会社)は実績もあったので信頼して任せることにしました。

ショウコさん:古いので水まわりの匂いとかも心配していましたが、一度スケルトン状態にして配管から取り替えられると知って安心しました。

サトシさん:水回りの匂いもそうですが、新築だから完璧というわけでもなく、きちんと管理されているマンションかどうかが一番重要なので、古くても新しくても、マンションの修繕計画や管理状態をしっかり確認するのがおすすめです。

ショウコさん:しっかり確認して、築40年でも大丈夫だねということで購入しました。漠然とした古さに対する不安は、暮らし始めてからは全く感じていないです。

――住まい作りをしていて困ったことはありましたか?

サトシさん:困ったことではないですが、僕の場合親を説得するのにすこし時間がかかりました。やっぱり、マイホームなんて一生に一度の一大イベントなのに、中古マンションで大丈夫なのかと思ったみたいで、親世代は不安に思うんじゃないかな。知らないことは不安にもつながると思うので、学んだ知識を注ぎ込んで説明をしました(笑)

やっぱり心配される方も多いので早めに相談するというのと、知ってもらうというのは大事だなと思いました。

  • 解体前、スケルトン状態、完成後の様子

――金銭面での不安はどうでしたか?

サトシさん:最初は住宅ローン知識がなかったので不安はありましたが、月々支払う額が賃貸の家賃より安くなったのは意外でした。

ショウコさん:そう考えると家賃はもったいないなと思いました(笑) 30代で貯金もあるなら頭金を多く出すというのも少し安心できて良いと思います。

  • ペンダントライトが好きな旦那さんのこだわりで吊るす照明を採り入れている

――住んでみてどうですか?

ショウコさん:私は家にいる時間が増えました。前の住まいでは一日家にいると少し窮屈で、外に出たくなることが良くあったのですが、それがなくなりました。家の中が本当に居心地が良くてずっといれるんですよね。

サトシさん:自分たちで作ったこだわりの空間で、好きなものに囲まれているっていうのも大きいと思います。家の中心にあるゆったりとしたダイニングが特にお気に入りの場所です。

ショウコさん:あとは念願叶ってホームパーティーをするようになりました! 内装もこだわったので、カフェに来た感覚でくつろいでもらいやすいんじゃないかな。生活感を隠せてるので友達を気軽に呼べるようになったのがすごく嬉しいです。

  • 広々としたダイニングでホームパーティーをすることが増えた

サトシさん:二人の時もおうちカフェをすることが増えました。ちょっとおいしいコーヒーをドリップして、パンやスイーツを食べたりなんかして。

ショウコさん:3時のおやつ休憩が日々の楽しみです(笑) そしたらスイーツに合うお皿を集めたくなったりして、愛着が湧くのも楽しいです。

  • キッチン前のカウンターでコーヒーを入れ、お取り寄せスイーツと一緒にダイニングでおうちカフェを楽しんでいる

――もう一回住まいづくりをするなら? 過去の自分にアドバイスしたいこと

サトシさん:まったく不満はないのですが、強いて言うならもっと「外」を意識したら良かったかなと思います。実際住んでみたら眺望がとても良くて、次は景色が良い場所で椅子を置いてくつろげる場所を作ってみるとか、窓やベランダを意識してプランを作りたいです。

ショウコさん:私もこの家は100点満点ですが、外の景色を見ながらカフェが楽しめる場所があったら良かったかも。その時は考えることが多くて外のことまで考えつかなかったので、そこは難しいなと思いました。

  • 洗面のないサニタリールームはリビングの裏に隠れている

――住まいづくりをして良かったなと思うことはありますか?

サトシさん:家ってやっぱり大きな買い物なので、決断しなきゃいけないタイミングが何回かあるのですが、不安な時に奥さんが側にいてくれてよかったなと思いました。

ショウコさん:私はポジティブ寄りですが、旦那さんはすごく心配性なんです(笑)

サトシさん:プランや工事が進んでいくと変えられなくなるので、本当によかったかな? と不安も出てくるのですが、奥さんみたいにポジティブな人がいてくれて助けられました。

ショウコさん:心配性な分細かいところを見てくれたり、私は思い切った決断ができたり、お互いの良いところを再確認する機会になりました。

サトシさん:あとは、それぞれの居場所を作ったので、仕事も集中できるし、一人の時間も持てるし、その分二人で過ごすカフェタイムがお気に入りになったりしています。 ショウコさん:それぞれの居場所も、二人でいる時間もとても居心地よく、安心できる住まいに住めて良かったなと思っています。

――これからマイホームを進めたいと思うカップルにアドバイスをください!

ショウコさん:新婚カップルには、リノベーションを選択肢の一つに入れてほしいなと思います。

すでにある物件で自分達の生活スタイルにぴったりな住まいを見つけるのって結構難しいなと思っていて、「帰る時間が違うのに寝室を通らないといけない」とか、「二人とも在宅ワークなのに個室がない」とか、住まいに合わせて暮らしていると不満もでてくると思うんです。リノベーションだと間取りも内装もイチから自分たちに合わせて造れるので、生活が本当に快適になりました。

注文住宅が予算的に難しくてもオーダーメイドが叶うのは中古リノベの大きなメリットだと思っています。

サトシさん:僕は「マイホームを買うって別に人生に1度の一大イベントではないんだよ」と伝えたいです。

戸建てでしっかり建てると、なかなかすぐ住み替えは考えづらいかなと思うのですが、中古リノベになると、住まいづくりをもっと気軽に考えられるようになると思います。きちんと資産価値を高めて売却して、ライフステージに合わせて2回目、3回目と住みかえるのも全然いいんだ、というのは自分も知らなかったのでぜひ新婚のうちに知ってもらったらいいんじゃないかなと思います。

――サトシさん、ショウコさん、ありがとうございました!

いかがでしたでしょうか。

新婚時代に住まいづくりをすることで、二人の生活に合った快適な時間を過ごせているというお二人。お互いのこだわりを大切に、住まいに人があわせていくのではなく、人に住まいを合わせていくことで、二人ですごす時間も、もっと特別なものになるのではないでしょうか。

■DATE
中古マンション購入+リノベーション
完工時築年数:築40年
面積:72.05㎡
間取り:3LDK→2LDK+WIC
エリア:神奈川県川崎市
施工:リノベる。