1914年に軽井沢で温泉旅館を開業し、2022年で108年の歴史を数える星野リゾート。「旅を楽しくする」をテーマに、「星のや」「界」「リゾナーレ」「OMO(おも)」「BEB(ベブ)」のサブブランドを展開し、2022年4月以降は新たに6施設をオープン予定です。今回はそんな新しいワクワクを生み出し続ける星野リゾートに注目! 今こそチェックしたい話題の施設を深掘りしていきます。
第9回目は、2022年4月にオープンした「OMO7大阪 by 星野リゾート」。施設があるのは、"なにわのエッフェル塔"こと通天閣で知られる「新世界」をはじめ、なにわのソウルフードが集まるローカル度200%のエリア。これはきっと、オモロウマい旅ができるに違いない!!
ということで、今回は「OMO7大阪」に2泊3日で泊まって、ディープな下町を遊び尽くしてきました。……結果は、期待以上! テーマパークよりも胸が高鳴る、ひたすらに楽しい旅をご覧ください。
■大阪初上陸!「OMO7大阪 by 星野リゾート」誕生
大阪をキタとミナミに分けると、ミナミはコテコテ感強めなエリア。「OMO7大阪」はそんなミナミにあり、わたしたちが心に描く"ザ・大阪"な観光が楽しめます。
アクセスは、JRや南海電鉄「新今宮駅」からすぐ。新大阪や大阪、なんば、天王寺など、大阪の主要駅へ乗り換えなしで行けるのも大きな魅力です。
さて、到着してまず驚くのは、その大きさ。これまで星野リゾートに泊まったことがある方なら、圧倒されるほどのスケール感に思わず息を飲むはず。
胸の高鳴りを感じつつ、館内へ。一歩足を踏み入れると、アーティスティックな空間が出現します。
これは何かお分かりでしょうか?
ヒントは、大阪名物の丸い食べ物。そう! たこ焼きです。よーく見ると、奥にたこ焼きをひっくり返すピックまで描かれていています。
「OMO7大阪」は「なにわラグジュアリー」を合言葉に、「笑い」と「おせっかい」を採り入れたおもてなしと、星野リゾートらしい上質で贅沢なステイを味わえる施設です。館内には遊び心とホスピタリティあふれる、ディープな仕掛けがちりばめられています。
「OMO7大阪」を語る上で外せないのが、広々としたガーデンエリア。新今宮の「みや」と青々したグリーン「ぐりん」から、「みやぐりん」と名付けられています。
晴れた日には、鮮やかな緑が目に飛び込んできて気持ちいい! ふかふかの芝生でひと休みするのもよし、好きな椅子に座ってまったりするのもよし。電車好きなら、ホーム近くの席で行き交う電車を眺めるのもツウな楽しみ方。居心地の良さは抜群で、お気に入りの場所を探してお散歩したくなります。
ちなみに「みやぐりん」は、館内のカフェやレストランを利用すれば、宿泊者以外の利用もOK。せっかく大阪に来たのなら、立ち寄らない手はありません。
客室数は436室。定員3名までの「ツインルーム」、2段ベッドを備えた「だんだんルーム」、そして6名まで一気に泊まれる「いどばたスイート」など全8タイプを用意しています。
今回泊まったお部屋は、なにわのランドマーク「通天閣」を独り占めした気分に浸れるデラックスルーム。なんとか見えるレベルではなく、思わず「通天閣ちかっ!」と声が出てしまう贅沢なロケーションです。
窓に近づくと、通天閣がさらに大きく……! 部屋にいながらにして、大阪見物をしている気分を味わえます。
うれしいことに、「OMO7大阪」は全室、バス・トイレが別々のセパレートタイプ。旅の疲れを、ゆっくり湯船につかって癒やせるのはうれしいですよね。
■【16:00】「ほないこか、ツウな新世界さんぽ」へ出発
ここに来たら、うまい・安い・クセになる、ディープな旅をしなきゃもったいない! ……とはいえ、おっちゃんだらけのエリアに、いきなり女子1人で飛び込むのはレベルが高すぎますよね。
そんなとき、心強い味方になってくれるのが、「OMO」おなじみのご近所アクティビティ。これは、街を知り尽くした星野リゾートのスタッフさん(通称OMOレンジャー)が、ガイドしてくれるというもの。「OMO7大阪」には、3つのご近所アクティビティがあります。
「ほないこか、ツウな新世界さんぽ」(無料)
「めっちゃ串カツどっぷりツアー」(1,000円/人)
「ええだし出てますわツアー」(無料)
この中から、まずは「ほないこか、ツウな新世界さんぽ」にトライ。夕方4時から1時間かけて新世界をガイドしてくれるから、最初に「新世界って、こんなとこ」を知るのにもってこいです。
基本的には、前日22時までの予約が必要ですが、空いて入れば当日参加もOK。予約し忘れちゃった人も、あきらめずにスタッフに聞いてみるといいでしょう。
この日のガイドは、大阪生まれ大阪育ち。やそちゃんの愛称で親しまれる、大阪っ子の八十田さん。小柄なボディをフル稼働して、コテコテな新世界を元気いっぱいに案内してくれます。
「あっ、OMOレンジャーではなく、OBA(オバ)レンジャーと呼んでくださいね」開口一番のギャグに、いきなりクスッとしてしまう。さすが笑いであふれた街・大阪。やそちゃん、よろしゅうたのんま~す!
やそちゃんの軽快なトークで盛り上がっていると、あっという間にレトロな商店街「ジャンジャン横丁」に到着。長さ約180m、幅約2.5mの道には、さまざまなお店が並びます。
「ジャンジャン横丁」の正式名称は「南陽通商店街」。その昔、通りの向こうには遊郭があって、「うちでご飯を食べてって~」という呼び込みのための三味線や太鼓が"ジャンジャン"鳴り響いたことから、この名前がついたのだとか。
ここは戦後、大阪で最初に復興した元気な横丁ですが、今もなお元気いっぱい。在りし日の"昭和"がそこかしこに残っています。
聞けば、通天閣周辺だけで200周以上は歩いたという、やそちゃん。「そら、痩せるはずないわな~」とニンマリ。これはおいしいお店をたくさん知ってるに違いない!
そんなやそちゃんが教えてくれたのは、大阪名物ミックスジュース発祥のお店「千成屋珈琲」。もともと果物店だった初代が、熟しすぎた果物をジュースにしたのがミックスジュースのはじまりだとか。
コロナ禍で長らくおやすみしていましたが、2022年6月に営業再開。ミックスジュースを飲むなら、ここは外せません
ずんずん横丁を進んでいくと、ガイドブックでおなじみの串カツの有名店「てんぐ」が見えてきます。そして、お向かいには、昭和感満載の将棋クラブ「三桂クラブ」が。中をのぞくと、レトロな空間で地元のおっちゃんたちが将棋を指しています。
実はここ、新世界唯一の将棋愛あふれるクラブ。将棋の王者・阪田三吉さんも、ここでよく対戦していたと言います。
料金は、1時間たったの300円、1日中遊んでも1000円と破格。将棋好きなら、力をつけて参戦するのも良いかもしれません。
その先は、立ち飲み屋さんがずらり。通りかかったお店の看板には、「西成モーニング」の文字が書かれています。えっっっ、モーニングってお酒なの? しかも、お酒に卵と一品がついて380円……って、めっちゃ安いで!!
やそちゃんに聞いてみると、「当たり前ですやん。朝からご機嫌の良い人たちが、このあたりウロウロしていますわ」とさらり。
おっちゃんたちが楽しそうに盃を交わす姿は、まさに人生を謳歌している光景。今すぐ乾杯したい衝動にウズウズかられますが、ここはぐっと我慢です。
「ジャンジャン横丁」を通り抜けると、その先がまた濃い! よくTVで見かける、いわば"大阪のおばちゃんの制服的"なアニマル柄の服を扱うお店に遭遇します。
「わたしも持ってますわ~」と、すかさずやそちゃんが一言。さすが、大阪っ子です。お見それしました。