1914年に軽井沢で温泉旅館を開業し、2022年で108年の歴史を数える星野リゾート。「旅を楽しくする」をテーマに、「星のや」「界」「リゾナーレ」「OMO(おも)」「BEB(ベブ)」のサブブランドを展開し、2022年4月以降は新たに6施設をオープン予定です。今回はそんな新しいワクワクを生み出し続ける星野リゾートに注目! 今こそチェックしたい話題の施設を深掘りしていきます。
第3回目は、充実したアクティビティが人気の「星野リゾート 青森屋」。2022年4月には、青森四大祭りの魅力をぎゅっと凝縮した「みちのく祭りや」が、15年ぶりにリニューアル! 旅好きの間で大きな話題を呼んだのも、記憶に新しいところです。
さらに青森では、3年ぶりに青森三大ねぶた祭りすべての開催も決定。この夏、憧れのリゾートホテルに滞在して、熱く盛り上がる青森を旅してみせんか?
■夏のイベント「しがっこ金魚まつり」を楽しむコツ
青森県の東部。三沢市・青い森鉄道「三沢駅」から車で約3分の場所に「星野リゾート 青森屋」はあります。
ホテルには、2頭のポニー(「のれ」と「それ」)がいて、チェックインの時間になると、日替わりでお出迎え。その体の小ささに「馬の子ども!?」と思われるかもしれませんが、実は立派な大人。穏やかな性格で人によくなつき、子どもたちも安心して近づけます。
ちなみに「のれそれ」とは、青森の方言で「めいっぱい」の意味。このホテルは、泊まれば誰でもお祭り気分を味わえて、めいっぱい楽しい思い出を作れるリゾートホテルです。
チェックインを済ませたら、まずは本館1Fの「じゃわめぐ広場」へ向かいましょう。ここでは、夏のイベント「しがっこ金魚まつり」が、2022年6月1日~8月31日の間で開催されています。
会場内は、どこを見ても、金魚・金魚・金魚だらけ! 金魚であふれた空間には、津軽三味線のBGMが流れ、お祭り気分を高めてくれます。
ぐるっと見渡すと、金魚すくいにほたて釣りなど、楽しいアクティビティやプログラムがいっぱい。「じゃわめぐ広場」入り口に置かれた看板をチェックして、時間や詳細を調べておくといいでしょう。
せっかくなら、お気に入りの色浴衣を着て、お祭りに繰り出したいですよね。「浴衣処 いろは」では、大人から子どもまで選べる色浴衣が充実。さらにイベント期間中は、金魚柄の浴衣も借りられ、旬の装いが楽しめますよ!
どこかに、落ち着いて過ごせる場所はないかな……そうお思いの方は、金魚柄の障子で区切られた「金魚ねぷた処」を利用してみてください。
ここは、館内の「ヨッテマレ酒場」に設けられた癒やしの金魚空間。津軽錦をイメージしたコロンと可愛いクッション、金魚が泳ぐ水槽つきテーブルを配した、金魚一色のプライベート空間になっています。
イベント期間中は、「食」でも金魚を楽しめます。「金魚ねぷたアイス」は、金魚ねぷた(金魚型の灯篭)をモデルにして作った、可愛すぎるアイス。カシスシャーベットに繊細な飴細工やりんごを添えた金魚のアイスが、まるで桶の中で泳いでいるよう! ひょっこり顔をのぞかせる姿がなんともキュートです。
数あるアクティビティの中で、筆者のおすすめは、金魚すくいの「ポイ」を使ったおみくじ。水につけると、数秒で運勢が浮かび上がってくる粋な代物です。
おみくじの結果は良いものだけでなく、凶やオリジナルの「まつり吉(青森屋の館内を楽しめるひとことつき)」が入っていることも。「凶が出たらどうしよう……」とドキドキしますが、何が出るか分からないのがまた楽しい! 引いた「ポイみくじ」は、金魚柄の袋に入れてお土産にもできます。
■にんにく好き悶絶の専門店「にんにくハウス931」
暑~い夏。スタミナをつけられるにんにく料理はいかがでしょう?「じゃわめぐ広場」の一角には、にんにく料理専門店が16時から18時の間、2時間限定で登場。ほくほく美味しいにんにくをたっぷり使った料理を楽しめるんです。
テーブルや椅子に使われているのは、にんにく農家さんが収穫時によく使用するプラスチック製のかご。一歩足を踏み入れた瞬間から、にんにくワールド全開です。
このお店、メニューを決める時点からワクワク。にんにくが植えられたプランターが置かれていて、自分でにんにくを引っこ抜く、疑似"収穫体験"ができるんです!
にんにく畑に見立てたプランターは、中身が分かるものと分からないものの2つ。好きなにんにくを引っこ抜いたら、これが「注文札」代わり。遊び心いっぱいで、食べる前からにんにく好きの心をガッチリつかみます。
メニューは一律931(←クサい)円という、にんにく愛あふれる値段設定。
キングオブにんにく! な一品を味わうなら、「わやたんげにんにく臭くてご麺」がおすすめです。こちら、なんと約15カケ分(約2.5玉)ものにんにくが入った、 究極のクサ旨メニュー。にんにくレベルが3段階だとすると、レベルMAXです。
ほくほく揚げたにんにく、美容と健康に欠かせない黒にんにく、カリッと香ばしいフライドにんにく、にんにくの芽、そして甘辛い焼きそばが三位一体となり、パワフルでやみつきになる味わいです。
あまりのにんにくの量に一瞬ひるむかもしれませんが、ここはあえてわんぱくに……! なんなら翌日ぐらいまで、にんにくは口の中にずっと残りますが、クサイ=旨い。パンチある味を存分に味わってくださいね。
■想像以上にねぶただらけの特別室「青森ねぶたの間」とは
さて、客室で"ザ・青森"を味わうなら、全236室のうち1室しかない特別な部屋「青森ねぶたの間」に泊まってみてください。
扉を開けると、直径約2mの巨大なねぶた絵が出現! 思わず「わっ、すごい!」と歓声を上げてしまいます。
廊下の床に足跡が描かれていますが、足跡に沿ってぴょんぴょん飛び跳ねるうちに、自然とお祭りの盛り上げ役「跳人(はねと)」になれちゃう仕掛け。
室内は天井に障子にTVボードに、もうどこまでもねぶただらけです。花笠や浴衣など「跳人」の衣装も置かれていて、着ればお祭り気分をたっぷり味わえます。
どうですか?この寝室。「いやいや、インパクトありすぎて眠れないでしょ!」と思ったら、それが正解。この部屋のキャッチコピーは、 "ねぶたの迫力で寝かせない客室"。青森を代表するねぶた師の一人、竹浪比呂央さん協力のもと、構想から完成まで約1年を費やして作られました。
この部屋で過ごしていると、「今夜は、ねぶたの迫力で寝かせないよ~!」という熱い想いがひしひしと伝わってきます。
トイレやバスルームも抜かりありません。壁面だけでなく、おけの中にもねぶたが。お風呂の椅子もよーく見ると、横からねぶたの手が伸びています。
個人的にツボにはまったのは、ねぶたのティッシュケース。なんと、ねぶたの口から、シュッ……とティッシュが出てくるんです! そんな目で見られたら、鼻をかむのに緊張しちゃう。
ちなみに、ここはインターホンも特別。ピンポンを押すと、あの青森ねぶた祭の掛け声「ラッセラー、ラッセラー」が響き渡ります。
眠る寸前まで、ねぶた祭り真っただ中。そして、目覚めた瞬間から、すぐにねぶた祭りがスタート。寝ても覚めてもねぶたのパワーを感じられる客室は、日本でもここだけでしょう。