■最初から最後まで幸せになれる、蟹会席がスタート

  • 蟹のペアリングは説明書き付きで分かりやすい!

温泉を満喫したら、お食事処へ。いよいよ、冬の極み会席「タグ付き活松葉蟹づくし会席」の幕開けです。

メニューの中核は、もちろん蟹!しかも、品質がしっかり保証された、タグ付きの松葉蟹を2人で3杯分(一人あたり1.5杯!)も味わえるんです。

また、それぞれ蟹料理に合うように日本酒のペアリングも用意。蟹と地酒をひたすらに味わえるなんて……。これを幸せと言わず、なんと言いますか?

  • 「焼き蟹 酢橘&蟹の甲羅焼き」に合わせるお酒は、月山 芳醇辛口純米(吉田酒造)

例えば「焼き蟹」は、蟹の水分を飛ばさないようにまず断面から焼き、膜を作ってから裏側を焼き上げるこだわりも。みずみずしい蟹の身をほぐして蟹味噌に混ぜれば、官能的な味わいを楽しめます。

  • 一度見たら忘れられない、驚愕のビジュアル

本日のハイライトは、「活蟹の杉板奉書蒸し」。杉板奉書蒸しとは、杉板で挟んだ松葉蟹を奉書(厚手和紙)に包み込んで焼いた、オリジナルの名物料理。蟹の旨みを逃さず蒸しあげるから、蟹の美味しさを最大限に引き出せるのだとか。

「何これっ?」と驚いたのが、その提供方法。大きな木舟の上にのった松葉蟹は、島根の伝統的な「カニかご漁」をイメージしたカゴがかぶさった状態で出されます。

初めて見る斬新な飾り付けに、ワクワクが止まりません。「一体、どんな味がするんだろう?」想像するだけで、頰がゆるみっぱなし。

  • 「蟹の奉書蒸し」と合わせるお酒は、隠岐誉 純米吟醸(隠岐酒造)

その後、食べやすくカットされた状態で、再びお目見え。「た、食べれるかな?」とそのボリュームにひるむも、パクっとやったら口の中はパラダイス銀河!

本当に美味しい蟹って、こんなにも甘くて豊潤でみずみずしいんだなぁ……と再認識。心配していた量もまったく気にならず、ウマすぎ御免で即完食です。

  • 「蟹としじみの鍋 野菜」と合わせるお酒は、誉池月 純米 佐香錦60(池月酒造)

シメは蟹雑炊。日本三大瓦のひとつ「石州瓦」をつかった瓦鍋に、大ぶりの宍道湖産しじみでとったお出汁が入っていて、そこに蟹とお野菜を入れ、はふはふフウフウしながら味わいます。

鍋を楽しんだら、最後はご飯を入れて蟹雑炊に。しじみと蟹の旨味が溶け込んだ雑炊は、圧倒的な美味しさ!

「いやいや、もう入らないよ……」と言いながら、ガツガツ無言で食べ続ける筆者。本当に美味しいものに出会うと、人の胃袋って無限大になるようです。

■日本酒に囲まれた異空間で地酒を満喫

  • 予約制で好きな地酒を選んで飲み比べできる「日本酒BAR」

幸福度がMAXになったところで、今宵は終わり……ではありません!

「界 玉造」には、とっておきの秘密基地があるんです。それが、島根県のほぼすべての酒蔵のお酒を取りそろえている「日本酒BAR」。食事処のお酒は"食中酒"がメインでしたが、ここはレアな銘柄のお酒がずらり。

  • 丁寧にお酒の説明をしてくれたスタッフの立山淳さん

しかも、「日本酒BAR」を担当するスタッフは、「島根日本酒マイスター」の有資格者。みなさん基本的なお酒の知識を持っているので好みの味を伝えると、その時ジャスト!なお酒を選んでくれます。

また、スタッフさんがちょうどいい距離感で接してくれるから、気持ちよく呑める点もグッド。

  • 神話にちなんだ神話セット、「やまたのおろち」と「八千矛(やちほこ)」、「天の叢雲(あまのむらくも)」(1,000円)

迷ったら、おつまみと一緒に3種類の地酒を飲み比べできるセットがおすすめ。中でも、神話にちなんだセットは神話の国・島根らしいラインナップ。それぞれ神話の物語をイメージしたお酒だから、ワクワク感があります。お酒好きの旅人なら、きっと「おぉ!」思うでしょう。

  • スサノオノミコトがヤマタノオロチを退治するときに使ったお酒をイメージした「八塩折 黒」(國暉酒造)

レア度が高いお酒を呑むなら、「八塩折 黒」を。お酒は基本、水で醸すのが一般的。でもこのお酒は、水の代わりにお酒でお酒を醸す手法で作られています。

まず色を見て驚き。色がブランデーみたいに濃い! ぐびっと呑んでみると、味もかなり濃い! 紹興酒のようなカラメル感と濃厚で奥深い味がします。

「これって、日本酒だったよね?」そんな言葉が脳内をぐるぐると駆け巡ります。気づけば、自分が日本酒の深~い沼に引き込まれていることに。

■思わず目が覚める! 大迫力の石見神楽

  • 無料で楽しめる石見神楽

ちびちびとお酒を呑んで、気分もすっかりご機嫌さん。ふわふわとしたした気持ちでロビーへ向かいます。

ここでは、島根県の伝統芸能「石見神楽」を毎晩上演。星野リゾートのスタッフが演じるヤマタノオロチ伝説は、想像以上の大迫力です!!

中でもヤマタノオロチはスピード感があって、こちらもそれにあわせて気持ちが高ぶってきます。ドキドキと感動が混じり合った高揚感がぶわぁ~とあふれて、思わずまばたきをするのも忘れるほど。

■深夜の幸せへべれけタイム

大迫力の石見神楽を観劇したら、もう少しお酒が呑みたくなりました。そんな時、日本酒BARにあった種類豊富なお酒を客室まで届けてもらえるのも「界 玉造」の魅力。

お酒をちびちび呑んで、ひたすらダラダラ……。目いっぱいお酒を呑んでも、そのままベッドにダイブすればいいし"この世の極楽!"って感じです。

■はふはふあったか「うず煮」の朝ごはん

  • 島根名物を楽しめる朝食

深夜の記憶がなくても、幸せな気持ちで目覚められる朝。「界 玉造」の朝食は、出雲地方の伝統料理「うず煮」やのどぐろの干物が並ぶ和食膳をいただけます。

うず煮とは、出雲大社の福神祭でも振る舞われる縁起の良いおもてなし料理。あっさり上品なおかゆ風で、おなかいっぱいになるけど重くありません。

島根の地酒と震えるほど美味しい蟹にどっぷりハマる「界 玉造」。1年頑張った自分をねぎらってあげたい時、ぜひ訪ねてみてください。

■Information
界 玉造
【場所】島根県松江市玉湯町玉造1237