北海道は美食の宝庫。国内随一の面積を誇るからこそ、その地域ならではの特産品が数多く生み出されています。

ここではお取り寄せできるおすすめの特産品をご紹介。地域の特性と生産者のこだわりが詰まった逸品を、ぜひ味わってみてください。

湧別町土産の新定番、ここに登場

オホーツク海とサロマ湖を望む湧別町。豊かな自然の空気をたずさえたこのまちで、新たな特産品として人気上昇中なのが「とら豆ブリュレ」です。

手掛けているのは、土木や建築工事、運輸、農業サービス、産業廃棄物処理など多岐に渡った事業を行っている地元企業の沢口産業。

「なぜ土木屋さんがスイーツを?」と誰もが抱く疑問の背景には、社長の熱い思いと社員の努力が秘められています。

沢口産業の創業は昭和35(1960)年。木材加工業として始まり、年月を重ねるごとに事業を拡大。

「まちの便利屋さん」として、地域に寄り添い続けていましたが、50周年を迎えた2010年頃、離農した農家から「畑を使わないか?」との話が上がりました。

元々農業土木の仕事をしてきたこともあり、良い機会だと農産部を発足して新たな事業に挑むことに。

昔ながらの定説「カッコウが鳴いたら撒く」 豆まきは5月下旬に、収穫は11月に

では実際何を作るかとなった時、部長を務める伊藤幸子さんのお母さんの「アスパラが食べたい」との鶴の一声でアスパラを作ることに決定。

無農薬の露地栽培という手間ひまをかけながら生産を続けたことで、今では町内で一番大きいアスパラ畑を有することとなりました。

その傍ら、在来種の豆の紹介を新聞で見た先代の勧めがあり、希少なとら豆にも着手することに。

そうして順調に生産を行っていく中で、社長の吉田昌子さんが抱いていた「地域をPRする特産品を作りたい」との思いを形にしたのがこの「とら豆ブリュレ」なのです。

  • 白地に茶色の斑紋が入ったとら豆は、模様の入り具合が虎に似ていることからその名が付いたのだとか 豆だけに、ちょっとした豆知識でした

「うちのおばあちゃんの豆」として町の人たちにおなじみのとら豆のおいしさが凝縮

「とら豆ブリュレ」は、クリームブリュレの中に蜜煮したとら豆を入れ、アクセントとしてカラメルクラッシュをかけて食べます。

「新感覚の食感が楽しい」「優しい甘さでおいしい」と話題を呼び、販売初年度は用意した2,000個がわずか1ケ月で完売するほど多くの反響を巻き起こしました。

その人気に後押しされるように、ほろ苦さがクセになる葛粉を使用した「とら豆抹茶プリン」も登場。勢いは衰えません。

「とら豆は家庭菜園の延長のような小さな畑で作っていますが、町内の2戸の農家さんの協力を得て生産を続けています。この商品を通じて湧別町の良さを知っていただけたらうれしい」と伊藤さんは話します。

土木屋さんのこだわりが詰まった最高のスイーツ。ぜひ一度、一風変わった誕生秘話に思いをはせながら味わってみてくださいね。

「とら豆ブリュレ」は、ECサイト「ゼロワンショップ」や、沢口産業のオンラインショップなどで購入できます。