賃貸選びの経験が少ない20代と、いろいろな物件に住んだ経験がある40代・50代以上では、賃貸物件に対して重視する点に違いはあるのだろうか。マイナビニュース会員を対象に、一人暮らしの部屋探しで「重視すること」についてアンケート。年代によってどのような違いがあるのかを見ていこう。
誰もが重視するのは「バス・トイレ別」「駅からの徒歩」
Q.【20代】
賃貸で暮らす際に、「譲れない条件」として当てはまるものをすべてお選びください
1位 バス・トイレ別……38.9%
2位 駅からの徒歩・室内洗濯機……各33.3%
4位 オートロック……27.8%
5位 2階以上……22.2%
6位 角部屋・独立洗面台……16.7%
20代に賃貸で暮らす際に「譲れない条件」として当てはまるものを尋ねたところ、最も多い回答は「バス・トイレ別」、次いで「駅からの徒歩・室内洗濯機」となった。「オートロック」も4位と、他の年代より高い結果となった。20代は初めて一人暮らしを始める人も多いだけに、セキュリティを重視する人も多いののかもしれない。また、他の年代はあまり重視しない「角部屋」が6位に入っているのも特徴だ。
Q.【30代】
賃貸で暮らす際に、「譲れない条件」として当てはまるものをすべてお選びください
1位 バス・トイレ別……53.3%
2位 駅からの徒歩……44%
3位 室内洗濯機……34.7%
4位 築年数……30.7%
5位 沿線やエリア、駅など……29.3%
6位 オートロック……26.7%
次いで30代を見てみよう。30代で特徴的なのは、他の年代ではあまり重視されていない「築年数」が上位に入っていることだ。20代の頃より多少収入が上がり、築年数が浅い物件を検討する人が増えるからかもしれない。一方、20代では6位と人気だった「角部屋」は13位にまで順位を下げている。
Q.【40代】
賃貸で暮らす際に、「譲れない条件」として当てはまるものをすべてお選びください
1位 バス・トイレ別……51.9%
2位 駅からの徒歩……48.8%
3位 沿線やエリア、駅など……28.4%
4位 室内洗濯機……27.8%
5位 2階以上……25.9%
6位 間取りタイプ・オートロック……各22.2%
40代になると、「バス・トイレ別」「駅からの徒歩」の2つを重視する割合が増える。また、「沿線やエリア、駅など」も3位に順位を上げている。40代は20~30代と比べると生活も安定し、収入もやや増えるだろう。そのため、これまでは無理だとあきらめていた沿線やエリア、駅での物件探しを検討する人もいるのかもしれない。他年代にはない「追い焚き風呂」順位が高く、特徴的だった。
Q.【50代以上】
賃貸で暮らす際に、「譲れない条件」として当てはまるものをすべてお選びください
1位 バス・トイレ別……55%
2位 駅からの徒歩……52.4%
3位 沿線やエリア、駅など……33%
4位 2階以上……29.8%
5位 室内洗濯機……27.7%
6位 オートロック……26.2%
40代と同様に、「バス・トイレ別」「駅からの徒歩」の2つを重視する人が多い。「バス・トイレ別」を重視する割合は、すべての年代の中で50代以上が最も多かった。また、他の年代では10位以内に入っていない「建物種別(マンション・アパート等)」が8位にランクインしているのも特徴的だった。20代では7位に入っていた「独立洗面台」は13位で、洗面台は重視しないことがわかった。
すべての年代が重視しているのは、「バス・トイレ別」「駅からの徒歩」。20代は「角部屋」、30代は「築年数」、40代は「追い焚き風呂」、50代は「建物種別(マンション・アパート等)」が他の年代よりも重視しているのが特徴と言える。
続いて、年代別の自由回答を紹介しよう。
若者の方がセキュリティ意識が高い?
■20代
男性/29歳 「周囲の確認が大事」
男性/27歳 「バス・トイレ一体型は避けたい」
男性/27歳 「駅から15分以上の物件は嫌」
男性/27歳 「近くにスーパーや駅がない所には住みたくない」
女性/27歳 「駅から徒歩10分以上、築年数が10年以上、狭い物件は避けたい」
まだ一人暮らしになれていない20代ということもあり、不安の声がうかがえた。セキュリティがしっかりしている所に住みたいという意見と、「スーパーやコンビニなどが近くにない場所には住みたくない」など、便利なお店が常に身近にほしいという意見が多くをしめた。
■30代
女性/38歳 「ぱっと見は綺麗にリフォームされていても古い物件には気を付けた方が良い。(実際、築年数の割に内装は綺麗にリフォームされていたのでそれでだまされました。)」
女性/31歳 「古い物件は嫌」
女性/37歳 「築年数が古い所には住みたくない」
男性/37歳 「老朽化の激しい物件、周囲が汚い物件は嫌」
とても綺麗にリフォームされている物件でも、実際に住み始めたらいろいろと不具合が出てきて困ったという実体験も。特に水回りやガスなどの老朽化を上げる声が多かった。築浅物件を望む声が30代で多いのは、何度かこういった経験を重ねた年代だからなのかもしれない。
■40代
女性/41歳 「安すぎる部屋には裏があるのでご注意を」
男性/40歳 「家賃が安いからと言っても、ストレスとなる部屋は借りたくない。古い木造アパートは避けた方が良い」
女性/42歳 「部屋は最上階がいい」
男性/47歳 「ユニットバス・室外洗濯機置き場の物件は避けたい」
男性/42歳 「駅から徒歩15分以上は厳しい」
男性/47歳 「住みたくないのは、最寄りがバス停」
40代になると、「駅からの徒歩」と回答した割合が増えてくる。だんだん体力も低下する年代、駅からあまり歩かずに自宅までたどり着ける物件を望む人が多くなるのかもしれない。自由回答では「安すぎる物件は避けるべき」という意見が目立った。
■50代以上
男性/64歳 「駅から遠く木造住宅には住みたくない」
男性/53歳 「アパートはやめた方が良い。できれば賃貸も長家でいいから、一戸建てがいいと思う」
女性/52歳 「平屋のアパートには住みたくない」
男性/60歳 「部屋が2階以上であること。治安や安全の問題からも1階には住みたい。最低でも「2階」、理想としては「4階」以上に住むことができればと思っています」
男性/51歳 「交通機関の不便な所、狭いスペース」
50代から増えるのは、「平屋アパートは避けるべき」「木造はNG」「一戸建てを借りた方が良い」など、建物の構造や建物の種類を上げる声だ。一人暮らしもベテランになると、住みにくい構造の建物もわかってくる。経験を重ねた50代ならではの意見と言えるだろう。
40代・50代以上は「バス・トイレ別」「駅近」をより重視
いかがだったろうか。「バス・トイレ別」「駅近」はすべての年代に共通している意見だが、若いうちは一人暮らしに夢を抱いているせいか、ほかにも住みたい部屋の条件がいろいろ挙げられている。
しかし、40代以上は「バス・トイレ別」「駅近」を重視する割合が急上昇。20代・30代の頃は入浴もシャワーで軽く済ませ、多少駅まで遠くても乗り切れても、40代以上になると「家ではゆっくり浴槽に浸かってリラックスしたい」「駅までの移動がラクな場所に住みたい」という思いがより強くなるのかもしれない。40代に「追い焚き風呂」を求める声が多いのも、そうした気持ちの表れと言えるのではないだろうか。
「年内には引っ越し」「涼しくなったら引っ越しをしたい」と、現在、一人暮らしのための新居を探している人も多いだろう。マイナビニュース読者の意見を参考に、納得のいく部屋探しをしてほしい。
調査時期: 2020年8月9日
調査対象: マイナビニュース会員
調査数: 508人
調査方法: インターネットログイン式アンケート
※写真と本文は関係ありません