連載コラム『30代女子が結婚するためのマネー講座』では、30代女性のための投資スクールを経営し、700人以上の受講生を教えている青柳仁子氏が、30代女性向けに、事例なども交えながら、「結婚するためのマネー術」を伝授します。


最も重視しなくてはいけないのは、結婚後の生活

これまでは、結婚するまでの男性の選び方について書きました。

ここからは、結婚が決まってからやっておくべきお金のことを書きます。

結婚が決まったら、結納や結婚式、新婚旅行に引っ越しとお金が掛かるイベントが目白押しです。

結婚式については、女性は特に、憧れもあるでしょうからこだわりたいところでしょう。

しかし、最も重視しなくてはいけないのは、結婚後の生活です。

結婚式で貯蓄を使い果たしてしまっては、幸せな新婚生活が貧困生活になってしまいますよ。

結婚式の平均予算は?--1人当たり225万円

まずは、結婚式の平均予算を知っておきましょう。

私の投資スクールの生徒さん達に聞いてみたところ、平均の結婚式費用は450万円でした。

ご祝儀の分も含めて、どのくらいを自分たちで負担できるのかを考えましょう。結婚式の費用は、新郎と新婦で折半というケースが多いようです。

そうすると、1人当たり225万円は結婚式のために使うということになりますね。

また、結婚費用を両親が出してくれるというケースも多くあります。

私達30代よりも親の世代の方が、預金金利も高く給与も高かったので、比較的資産を築いている世代です。

これからの新婚生活のためのお金を取っておくためにも、負担してもらえる場合はしてもらった方が良いでしょう。

ちなみに、両親から受け取る妥当な金額の結婚費用には、贈与税はかかりません。

それは親の扶養の範囲とみなされるからです。

とはいえ、両親に結婚費用を負担してもらった場合、結婚式の内容などを相談しないで決めるわけにはいかず、親の意向を聞かなくてはいけなくなるでしょうから、その点は気持ちを汲み取って上げましょう。

新婚旅行はあまりお金を掛けないケースが多い--新居にかかる費用は平均150万円

それから新婚旅行ですが、これは、あまりお金を掛けないというケースが多いようです。

新居費用を考えて、余裕があればというところでしょうか。

では、新居にかかる費用の平均はというと、引っ越しなども含めて150万円が平均的です。

これも、新居の家具や家電にどれだけお金をかけるか、という部分で変わってきますね。

冒頭にも書きましたが、重視すべきは新しい生活そのものです、新居のインテリアなどにこだわりすぎて貯蓄を使い果たすことが無いよう、最初に計画を立てましょう。

1人100万円~150万円の余力は残す--夫婦で約300万円の預金を残すイメージ

ここまでをまとめると、結婚式と新居への引っ越し費用などで、合計600万円はかかるということです。

それを新郎新婦で折半しても、1人300万円の出費ということになります。

その後の新婚生活を考えると、生活費の半年分の貯蓄は残しておきたいですから、大目に計算して1人100万円~150万円の余力は残しましょう。夫婦で約300万円の預金を残すというイメージですね。

そうすると、結婚前の貯蓄が450万円ずつあれば、平均的な支出をしても足りるということになります。

もちろん、両親からの援助や結婚式、新居費用を節約するなど、いろんな工夫は可能です。

その場合は、新婚生活が始まった時点で150万円の貯蓄が残ること、を目安に、結婚式と新居費用にいくらお金を掛けられるかを考えてみましょう。

これまで聞けなかったお金の事や生活費のことなども聞いてみる

当然のことながら、旦那さんになる彼にもこれからかかるお金のことを話して、お互いにどのくらい負担できるのか、新居はどうしたいかなど、遠慮せずにきちんと聞きましょう。

これから一緒に決めることはどんどん出てきますから、その練習だと思って、これまで聞けなかったお金の事や生活費のことなども聞いてみましょう。

曖昧なまま結婚すると、後から苦労するだけです。

最後に、結婚式や新居にかかる費用などはある程度まとまったお金が必要ですが、お金が無ければ結婚できないということはありません。

工夫次第でどうにでもできます。

大事なのは、お互いにきちんとお金のことと向き合って、予算を決め、その中で如何に理想に近づけていくかを話し合うということです。

最も重視しなくてはいけないのは、結婚後の生活だということを忘れないでくださいね。

貯蓄はできるだけ多く持って結婚した方が良い

ちなみに、貯蓄はできるだけ多く持って結婚した方が良いでしょう。

もちろん、旦那さんとの共有財産も築くわけですが、自由に使えるお金も残しておくと精神的にも良いようです。

また、お子さんの養育費にもお金はかかりますから、そうした将来のために蓄えを残しておけるのは賢い妻とみられるでしょう。

次回は、結婚前に決めておいた方が良いお金のことについて書きますので、お楽しみに。

(※写真画像は本文とは関係ありません)

執筆者プロフィール : 青柳 仁子(あおやぎ ひとこ)

HITO.CO株式会社 代表取締役、ブルーストーンアカデミー代表、ファイナンシャルプランナー。筑波大学大学院卒業。経営コンサルティング会社にて関東甲信越エリアを統括後、外資系生命保険会社でライフプランナーとして年間100件の成約を獲得する。2007年、HITO.CO株式会社を設立。個人および法人向けに資産形成のサポートを開始。2010年、女性のための投資スクール「ブルーストーンアカデミー」を開校し、投資の基礎知識、お金に困らない自立した女性のライフデザインを教えている。著書「できる女だけが知っているお金の基礎知識」、「ゆっくりお金がたまる確かな方法」は、わかりやすいと30代女性に大好評。ラジオ、TVなどに出演し活躍している。