健康診断で気にしたい項目が、1. 血糖値、2. 血圧、3. 肝機能、4. 脂質、5. 尿酸値。もし健康診断で引っかかってしまった場合、どうすれば良いのだろうか?

そこで本シリーズでは、RIZAPが蓄える「特定保健指導」の知見をもとに、日常生活で実践できる食事法・運動法を紹介していきたい。連載の第4回目は「脂質」。

  • 脂質異常の可能性があるときは…? 今日からできる食事法や運動法を聞いた!

話を聞いたのは、RIZAP法人事業本部で保険者トレーナーユニットに所属する市川菜津美さん。管理栄養士の資格を持ち、医療分野を含む幅広い知見からアドバイスできる立場にある。現在は、健診結果に基づいて生活習慣の改善を促す「保健指導」の業務を担当する。

  • RIZAP法人事業本部 保険者事業部 保険者トレーナーユニットの市川菜津美さん

同社の特定保健指導は、生活習慣改善をサポートするオンラインプログラムで、各個人にあわせた食事法や効率の良い運動法などを提案している。「RIZAPでは、お客様の生活習慣を3カ月で改善するプランを提供しています。私もお客様につきっきりで支援しています」と、笑顔で話す市川さん。

■脂質異常症とは?

――健診で「脂質異常症」の可能性を指摘されました。この病気の原因と、リスクについて教えてください。

血液中のコレステロール、中性脂肪などの血中脂質が基準値よりも多くなってしまう状態を「脂質異常症」と言います。血液中に余分な脂質が多くなると、血管が狭まり、詰まってしまうことで動脈硬化を引き起こしやすくなります。その結果、心筋梗塞、脳卒中などのリスクも高まります。

原因としては運動不足、そして脂質の多い食事の食べ過ぎが考えられるほか、高コレステロールについては、遺伝的な要因もあるかもしれません。

■具体的な対処法は?

――では、ふだんの生活ではどんな点に気をつけるべきですか?

まずは食事について、脂質の高いものを摂取し過ぎていないか見直してみましょう。例えば、動物性の飽和脂肪酸を多く含むバター、ベーコン、ソーセージ、また乳製品ならチーズ、生クリームなどがあります。

居酒屋メニュー、例えば、唐揚げなども脂質が高いですね。外食する機会が多い人は、油の摂り過ぎにご注意ください。和食はそこまでではありませんが、洋食や中華料理はたくさんの油が使われているので、気にする必要がありますね。

また、体に良い油と言われているものにオリーブオイル、えごま油、MCTオイル(中鎖脂肪酸油)などがありますが、こちらもやはり適切な量を意識してください。

――日々の食事を見直す必要があるんですね。

そうですね。また特定保健指導では、朝食・昼食・夕食の内容に着目するのですが、みなさん比較的夕食に脂っぽいものを食べがちです。脂質が多い料理は、消化吸収に時間がかかります。

できれば夕食は脂っこいものを控えめにする、食事を楽しみたいならお昼に持ってくる、などの配慮をすると良いでしょう。

――ほかにも、数値を改善していくためにやるべきことはありますか?

はい、"筋トレ+有酸素運動"にチャレンジしてみてください。どちらかと言うと有酸素運動をメインにしましょう。頻度は週3回くらい、ウォーキングがおすすめです。自身の体脂肪を落とすためにも有酸素運動は欠かせません。

筋トレとしては、下半身の筋肉を使うスクワット、そして広背筋を使うラットプルダウン、あとは大胸筋を使うチェストプレスをバランス良く行うのが効果的です。

  • ラットプルダウン

  • チェストプレス

ジムに通えない環境であれば、タオルで代用するタオルラットプルダウンを試してください。気合いを入れて一度にたくさん運動するよりは、続けることを第一に考えて、少しずつ楽しみながら体を鍛えていってもらえたらと思います。

  • タオルラットプルダウン