東証アローズからの株式実況中継番組『東京マーケットワイド』(東京MX・三重テレビ・ストックボイス)キャスターの鈴木ともみ氏が、月曜~金曜(休日は除く)の東京株式市場を振り返って解説します。

株式実況中継番組『東京マーケットワイド』(東京MX・三重テレビ・ストックボイス)キャスターの鈴木ともみ氏((C) サコカメラ)


経済キャスターの鈴木ともみです。東京株式市場の今週一週間の相場動向についてお伝えします。日経平均株価の今週末(終値)は前年末(大納会)比-253円04銭となりました。

今週の高値は5日(月)の1万7540円92銭、一方、安値は7日(水)の1万6808円26銭。高安の値幅は732円66銭でした。今週は海外情勢など外部環境に振らされやすい展開となりました。

では、具体的にこの一週間を振り返ってみましょう。

5日(月)の東京株式市場は3日続落しました。米国市場の下落を受けて大発会を迎えた東京市場も序盤から売りが先行しました。その後、日経平均株価は前場中ごろから下げ渋り、後場に入ると、先物にまとまった買いが入り始め、先物が主導する形で日経平均株価も小幅高の展開へと変わりました。

ただ、上値を追う材料は見当たらず、徐々に上げ幅は縮小し、結局、日経平均株価は小幅安で大引けを迎えています。TOPIX業種別指数は空運、医薬品、精密、金属、サービス、化学の6業種が上昇。一方、鉱業、食料品、証券、その他金融、銀行、その他製品、ゴムなど27業種が下落。

日経平均株価、TOPIXともに3日続落となっています。

6日(火)の東京株式市場は4日続落しました。ギリシャのユーロ圏離脱問題や原油価格の下落を嫌気し、前日の欧米市場が下落したことから、東京市場も朝方から売りが広がりました。為替相場が1ドル=119円台前半~118円台後半と円高に振れたのにつれて、輸出関連銘柄を中心に下落する展開となりました。株式市場から債券市場へと資金がシフトする流れが出始め、長期金利の目安とされる10年物国債の利回りが0.285%と過去最低を記録する一方、日経平均株価は12月17日以来、3週間ぶりに1万7000円の節目を割り込み、下げ幅は-525円と、昨年2月4日(-610円)以来の大きさとなっています。

TOPIX業種別指数は全33業種が下落。値下がり率上位は、鉱業、保険、ガラス・土石、その他金融、金属製品、紙・パルプ、非鉄金属など。

日経平均株価、TOPIXともに4日続落となっています。

7日(水)の東京株式市場は高安まちまちの展開となりました。原油価格の下落やギリシャ政局不安に伴うリスクオフの動きから前日の米国市場は軟調に推移しました。その流れを受けた東京市場も朝方から売りが先行したものの、その後は買い戻しも出始め、もみ合う展開となりました。結局、日経平均株価は小幅高で大引けを迎えています。

一方、過去最低水準の長期金利を嫌気し、銀行・金融関連銘柄に売りが広がったことから、TOPIXはマイナスとなっています。TOPIX業種別指数は繊維、ゴム製品、自動車、海運、水産、医薬品、化学など13業種が上昇。一方、その他金融、銀行、鉱業、紙・パルプ、石油・石炭、電気・ガス、陸運など20業種が下落。日経平均株価は反発、TOPIXは5日続落となっています。

8日(木)の東京株式市場は上昇しました。前日の米国市場では原油価格の下落が一服したことからダウ工業株30種平均株価が+212ドルと反発した流れを受け、東京市場も朝方から買いが先行しました。ECB(欧州中央銀行)による金融緩和政策への期待が高まるなか、国内外の投資家心理が改善し、日経平均株価も終始買い戻し優勢の展開となりました。後場に入ると日経平均株価の上げ幅は一時、+358円となる場面もあったものの、結局+281円で大引けを迎えています。TOPIX業種別指数は開運、空運、医薬品、ゴム製品、陸運など32業種が上昇。一方、石油・石炭の1業種のみが下落。

日経平均株価は続伸、TOPIXは6日ぶりの反発となっています。

9日(金)の東京株式市場は続伸しました。

前日の米国市場が大幅に上昇したことから東京市場も朝方は買いが広がりました。前日に好決算を発表したファーストリテイリングが日経平均株価を押し上げ、一時は+175円となる場面もありました。ただ後場に入ると、三連休を前に様子見となるなか、米雇用統計の発表を控え利益確定売りも出やすく、日経平均株価は下げに転じる場面も見られました。結局、日経平均株価は小幅高の+30円で大引けを迎えています。

TOPIX業種別指数では、情報・通信、保険、ゴム製品、その他金融など16業種が上昇。一方、空運、金属製品、紙・パルプ、海運、繊維、証券、ガラス・土石、建設など17業種が下落。日経平均株価は3日続伸、TOPIXは続伸となっています。

来週の予定です。13日(火)には国内で11月分の国際収支、12月分の景気ウォッチャー調査が発表されます。14日(水)には米国でベージュブック(米地区連銀経済報告)が発表となります。15日(木)には国内で12月分の企業物価指数が発表されるほか、日銀支店長会議が開催されます。いずれもぜひチェックしておきたいところです。

執筆者プロフィール : 鈴木 ともみ(すずき ともみ)

経済キャスター・ファィナンシャルプランナー・DC(確定拠出年金)プランナー。著書『デフレ脳からインフレ脳へ』(集英社刊)。東証アローズからの株式実況中継番組『東京マーケットワイド』(東京MX・三重テレビ・ストックボイス)キャスター。中央大学経済学部国際経済学科を卒業後、現・ラジオNIKKEIに入社。経済番組ディレクター(民間放送連盟賞受賞番組を担当)、記者を務めた他、映画情報番組のディレクター、パーソナリティを担当、その後経済キャスターとして独立。企業経営者、マーケット関係者、ハリウッドスターを始め映画俳優、監督などへの取材は2,000人を超える。現在、テレビやラジオへの出演、雑誌やWebサイトでの連載執筆の他、大学や日本FP協会認定講座にてゲストスピーカー・講師を務める。