まずはデモ・トレードをやってみよう
口座を開設して実際に現金でトレードする前に、デモ・トレードで練習してみるといい。最近は、多くのFX会社が、この手のデモ・トレードを行っている。取引前の予行練習としては最適だ。
たとえば、セントラル短資オンライントレードでは、「FX1」という為替ゲームを行っている。仕様は実際のトレーディングとまったく同じ。仮想マネー500万円を、一定期間中にどれだけ増やすことができるのかを、大勢の投資家と競うというものだ。取引する際のレートも、実際のトレーディングと同様のものが適用され、売買判断に必要な情報ツール、あるいは取引画面も、実際のトレーディングと同じ環境のものが提供されている。
初めてFX口座を開設した人は、取引画面を見ても、何をどうしたら取引できるのかで迷ってしまうケースがある。確かに、最近は各FX会社とも、取引画面や情報ツールなどの使い勝手向上に力を入れており、昔に比べれば格段に使いやすくなったが、それでも初めて取引する人にとっては、わかりにくい部分もあると思う。そのような時、デモ・トレードで取引画面の使い方などに慣れておけば、実際の取引でまごまごすることがなくなる。
しかも、デモ・トレードはあくまでも仮想マネーを使って取引するため、注文の仕方を間違ったとしても、何ら問題にはならない。外貨を売るという注文を出そうとして、外貨を買うという注文ボタンをクリックしてしまったといった類のミスは、結構あるものだ。これがリアルマネーの取引だと、レバレッジによってはかなりの額の誤発注になり、マーケットの動き次第で大損害を被る恐れが生じてくるが、デモ・トレードはあくまでも仮想マネーなので、誤発注で損失を被ったとしても、手持ちの現金が減るわけではないので、気分的にも楽だろう。
デモ・トレードは初心者じゃなくても"うまみ"あり
ある程度、取引のキャリアを積んでいる人にも、この手のデモ・トレードは役に立つ。なかには、自分で考えた投資のアイデアを試してみたいという人もいるだろう。デモ・トレードなら、仮にその投資アイデアが間違ったものであっても、手持ちの投資資金に毀損が生じるわけではない。いくらでも実験的な取引を行うことができる。つまり、実際に取引をする前のシミュレーションとして、この手のデモ・トレードを使ってみるのだ。
さらにうれしいことに、最近のデモ・トレードは一定期間、参加者の運用成績を競わせ、成績上位者には豪華賞品がプレゼントされる。たとえば、セントラル短資オンライントレードの「FX1」では、500万円の仮想マネーを一番多く増やした人には、豪華ハワイ旅行をプレゼント。以下、ヤマハ・シアターラックシステム、SANYO圧力IH炊飯ジャーなどが、順位に応じてプレゼントされる。
ただ、ひとつだけデモ・トレードで注意することがある。実際のトレードを行う前の予行練習としては最適だが、実際にポジションを持った時、デモ・トレードと同じ感覚で取引できないケースがあるということだ。それは、自分自身の心の問題にもつながってくるが、自分のお金でポジションを持つのと、仮想マネーでポジションを持つのとでは、受けるプレッシャーが全く違う。デモ・トレードでは損切りもきちっとできたのに、自分のお金でポジションを取った途端、損切りが上手にできなくなったという話も結構聞く。
もし、デモ・トレードで大きくお金を増やすことができ、成績上位者になったとしても、それが実際のトレードでどこまで通用するか。そこの部分は、ある程度、割り引いて考える必要がありそうだが、FXがどういうものなのか、その雰囲気を掴むには、なかなか優れている。
これからFXを始める方には、是非ともデモ・トレードが用意されているFX会社に口座を開設することをお勧めする次第だ。
JOYnt代表 鈴木雅光氏プロフィール
主な略歴 : 1989年4月 大学卒業後、岡三証券株式会社入社。支店営業を担当。 1991年4月 同社を退社し、公社債新聞社入社。投資信託、株式、転換社債、起債関係の取材に従事。 1992年6月 同社を退社し、金融データシステム入社。投資信託のデータベースを活用した雑誌への寄稿、単行本執筆、テレビ解説を中心に活動。2004年9月 同社を退社し、JOYntを設立。雑誌への寄稿や単行本執筆のほか、各種プロデュース業を展開。