夫婦ともに「いつかは子供がほしいね」と話していた

私38歳、夫41歳。私たちには2歳の子供がいる。結婚3年目での妊娠。妊娠までの道のりは、苦難の連続だった。なぜなら、私が不妊症だったからだ。

結婚をしたのは33歳のとき。夫は3歳年上で36歳だった。交際期間1年を経ての結婚で、2人ともいつかは子供がほしいと思いながらも、「もう少し2人の時間がほしいよね」とすぐに子供を作ろうとは考えなかった。

仕事帰りに待ち合わせをし、評判のレストランやバーに行っておいしい食事やお酒を楽しんだ。年に2回は海外旅行に行った。趣味のジョギングも一緒に楽しんだ。周囲からは「本当に仲のいい夫婦だね」と言われ、後輩からは「先輩の旦那さんのような人と結婚したい」とうらやましがられた。時間があれば家で料理もしてくれ、掃除や洗濯も手伝ってくれるよくできた夫だった。

そんな幸せな時間がずっと続くと思っていた。

婦人科で「妊娠しにくいかもしれません」

あるとき、私は婦人科に行こうと考えた。もともと生理不順で、これから子供を……と考えたときになんとなく心配になり、「とりあえず検査でもしてもらおうか」と軽い気持ちで受診をした。超音波検査の結果、「多嚢胞性卵巣症候群(たのうほうせいらんそうしょうこうぐん)です」と医師から伝えられた。

卵巣がんでも卵巣脳腫でもない。大したことのない気がした。「それってどんな病気ですか」と聞くと、卵巣内に多くの卵胞ができ、排卵しにくくなるという話だった。

嫌な予感がした。「妊娠を希望しているのですが、大丈夫ですよね?? 」と恐る恐る聞くと、医師の答えは残酷だった。

「排卵が起こりにくいので、妊娠しにくいかもしれません」。

私34歳、夫37歳の冬だった。

※画像は本文と関係ありません。