クレジットカードのメリットといえば、まずポイントが貯まることを挙げる人も多いと思うが、様々な付帯サービスが使えることも大きな魅力だ。基本的に付帯サービスが充実したカードは、それに比例して年会費も高くなるので、必要なサービスのみを厳選して、無駄な年会費を払わないように気をつけたい。では、付帯サービスにはどんなものがあるのか、代表的なものを紹介しよう。

1枚は持っておきたい旅行傷害保険付きカード

旅行中の怪我や病気、携行品の盗難や破損などに対して補償を受けられる旅行傷害保険は、クレジットカードの定番付帯サービス。基本的に年会費が高いカードほど補償内容は充実するが、年会費無料でも付帯したカードは多数あるので、もしもの場合に備えて1枚は持っておきたい。

ゴールドカードやプラチナカードであれば、家族も保険の対象となるものや、航空便遅延に対しても補償を受けられるものもある。数年に1回しか旅行しないような人であれば、わざわざ保険のために高額な年会費のカードを持つ必要はないが、頻繁に旅行する人はゴールドやプラチナを検討してもいいだろう。

自動車ユーザーならロードサービス付きカード

自動車を運転する機会がある人は、ぜひ持っておきたいのがロードサービス付きのカード。キーの閉じ込み、バッテリーあがり、ガス欠などといった車のトラブルに24時間365日対応してくれるJAFのようなサービスで、一部のゴールドカードや自動車系の会社と提携したカードに付帯している。「ENEOSカードS」や「ブリヂストンカーライフサポートカード」などは、実質年会費無料で持つことが可能。バイクも対象となるカードもある。

クレジットカード付帯のロードサービスは、年間利用回数に制限があったり、一度利用すると一定期間(90日程度の場合が多い)は利用できなくなったりする場合もある。不安な人はJAFに入る、または複数枚のカードを持つことも検討したほうがいいだろう。また、自動車保険に付帯しているロードサービスは、契約車両しか対象にならない場合がほとんどだが、クレジットカード付帯のロードサービスはレンタカーや他人の車を運転しているときも対象となる。

育児や介護にも役立つ医療相談ダイヤル

健康・医療に関する悩みや、夜間・休日の病院情報について、24時間365日、医師や看護師に電話相談できる医療相談ダイヤルを付帯したカードもある。大手ドラッグストアと提携した「マツモトキヨシメンバーズクレジットカード」と「サンドラッグクレジットポイントカード」は年会費無料。ほかにも一部のゴールドカードなどに付帯している。

カードによっては育児や介護についての相談にも対応。自身の健康不安だけでなく、身近に健康不安を抱えている人がいる場合は、万が一に備えて持っておくと安心だろう。

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フライト前の時間をゆっくり過ごせる空港ラウンジ

飛行機に乗る機会が多い人は、空港ラウンジサービスを付帯したカードを検討しよう。ゴールドカードの代名詞と言われる人気サービスで、フリードリンクやWi-Fiも用意されたラウンジで、フライト待ちの時間を快適に過ごすことができる。

ただし、すべての空港で利用できるわけではなく、ゴールドカードは主に国内主要空港で、プラチナカードであれば海外でも利用できる場合が多い。また、航空会社が運営しているラウンジとは異なり、空港によっては保安検査前のエリアにしかラウンジがない場合もある。

無料で利用できる空港数、人数はカードによっても異なるが、使い方次第では実質年会費無料で持てるカードもある。実際の利用シーンを想定して選ぶことが大切だ。

秘書のように使えるコンシェルジュ

レストラン、ホテル、交通機関の予約をはじめ、祝花やギフトの手配、買物や旅行の相談など、様々な要望に対して24時間365日応えてくれるコンシェルジュデスクは、プラチナカードの代名詞的な付帯サービス。不慣れな土地へ旅行や出張をする場合や、接待での店選びに困った際に役立つだろう。

基本的にプラチナ以上のカードにしか付帯していないため、年会費は安くても2万円前後。なかには10万円を超えるものもあり、年会費の高いカードではレストランやホテルの予約でアップグレードなどの優待が受けられることもある。なお、カードによって電話にしか対応していない場合と、メールでもやり取り可能な場合がある。デスクの対応に相性があると言われるサービスなので、検討する際はネットなどで評判を調べておくといいだろう。

年会費は家族カードも含めて考える

このほかにもクレジットカードには紹介しきれないほどの付帯サービスがあるが、比較の際に気をつけたいのは、そのサービスを何人で利用したいか。基本的に付帯サービスは家族カードでも受けることができ(一部例外あり)、家族カードは本カードと比べて割安の年会費で利用可能。無料の場合も少なくない。本カードの年会費が1万円だとしても、家族カードが無料なら夫婦2人で使えば実質1人5,000円だ。

同じサービス内容で、年会費2,000円のカードと、年会費3,000円のカードがあった場合、前者の家族カードが年会費1,000円で、後者は年会費無料だとしたら、3人以上で使う場合は年会費3,000円のカードのほうが合計の維持費は安くなる。年会費が高いカードほど違いは大きく出やすいので、家族がいる人は条件をしっかりチェックしてから申し込もう。

■ 筆者プロフィール: タナカヒロシ(ライター・編集者)

普段は音楽やエンタメ関係の仕事が多いが、過去に勤めていた会社の都合でクレジットカード本を作ったことをきっかけに、クレジットカード、電子マネー、ポイントなどに詳しくなる。以降、定期的にクレジットカードのムック本を編集・執筆。3月8日発売の『最強クレジットカードガイド2017 本当にトクするカードの選び方・使い方=写真=』(角川SSCムック)では、編集統括および記事の大部分を執筆している。