東海道新幹線と東海道本線が乗り入れるJR静岡駅。静岡県の交通の中心となる駅では、一風変わった組み合わせのそばが味わえるという。
東海道本線の在来線上り・下りそれぞれのホームで営業している「富士見そば」。1889(明治22)年創業の老舗の駅弁屋である東海軒が1966(昭和41)年に開業し、半世紀以上に渡って立ち食いそば店を営んでいる。
いまや数少ない路面の立ち食いそば店だが、その外観とは裏腹にチャレンジ精神あふれるメニューが存在する。ねぎと揚げ玉が乗った普通のかけそばにトッピングされているのは、なんとチーズである。その名も「チーズそば」(440円)。醤油の効いた甘味の少ない出汁(だし)はもちろん和風なのだが、そこに洋風のチーズが加わると一体どんな味になるのか……。
口に運ぶと、これが不思議と合うのだ。溶け始めたチーズと出汁を含んだ揚げ玉がそばに絡むと、なんとも言えない風味となる。
「チーズそば」は5年くらい前から始まったメニューで、発売までに試行錯誤もあったそう。最初はなかなか受け入れてもらえなかったが、徐々に定番となり、このメニューのために足を運ぶファンも多いという。
ちなみに、チーズのトッピングはうどんよりそばが人気のようだ。ラーメンへのトッピングも隠れた人気メニューなのだとか。また「カレーうどん」にチーズのトッピングという組み合わせも人気となっている。
ここで「チーズそば」にハマり、自宅でそばやうどんにチーズを入れるようになった人もいるとか。かなり中毒性のある“ハマる”メニューといえるだろう。静岡駅の名物となりつつある「チーズそば」。途中下車してでも試してみたい味がここにはある。