実施期間が設定されない令和3年クールビズ。多様化する働き方に合わせた画期的な方向転換として好意的に受け取られていますが、裏を返せば、これまで以上に身だしなみに気を付ける必要があります。
というのもノージャケットの着こなしは、スーツとはまったく異なるロジックが必要だからです。合わせるアイテム次第で「着こなしの工夫」は変わります。このポイントを見落としてしまえば、クールビズというより手抜きビズに見えかねません。
今回はやりがちな「クールビズの注意点」について、『38歳からのビジネスコーデ図鑑』(日本実業出版社)の著者がお伝えします。
第一ボタンを開けられるシャツを選ぼう
「ネクタイの有無で、シャツの襟型は変わる」と思われがち。ですが実際のところ、第一ボタンの開閉によって襟型は変わります。ショップに並ぶワイシャツの第一ボタンは留まっているため、なかなかイメージしづらいかもしれません。
定番のワイシャツである襟型レギュラーカラー。こちらはネクタイを締めることを前提としているため、第一ボタンを開けたとき襟先は浮いてしまいます。そこでボタンダウンカラーを選びます。ボタンで襟先を留めているため、第一ボタンを開けても襟先がだらしなく見えないのです。
他にも第一ボタンを開けることを前提とした襟型があります。それが第一ボタンを留めたとき襟の開きがほぼ180度あるホリゾンタルカラーです。襟を開けると先端まで距離が短くなり、第一ボタンを外したノーネクタイでも襟先が浮きません。
ショップでクールビズのシャツを選ぶとき、第一ボタンを開けることを前提とした「ボタンダウンカラー」もしくは「ホリゾンタルカラー」を選びましょう。
白シャツに合わせる彩りスラックス
ワイシャツとスラックスの2ピースの掛け算はワンツー・コーデと呼ばれています。ところがジャケットを羽織らないことで、組み合わせの考え方が変わることは意外と知られていません。2アイテムで合わせる際、どちらかにアクセントが求められるのです。
例えば白シャツの場合、彩りのスラックスを合わせること。もちろんビジネスシーンなので、カラフルにする訳にはいきません。そこで青みが強いライトネイビーや青みが混ざったグレーを選びましょう。
白シャツに黒・濃紺スラックスを合わせると、スーツジャケットを脱いだだけの「手抜きビズ」に見えかねません。これらの配色はスーツジャケットを羽織っているからこそ成立しているということをお忘れなく。