暑いです。ここまで暑いとやはり外出は無理。そう決め付けて自宅でドラマDVDを鑑賞し続けています。暑いと、色々考えるのが面倒になってしまいます。好きなドラマを観ているはずなのに、辛く感じてしまいます。脳もとけそうです。少しでも脳の負担を軽くしようと、今回は原作のあるドラマを中心に観ました。「原作を知ってたら、ある程度気楽に観れるかも」という邪な気持ちでいましたが、いざ鑑賞しはじめると、いつも通り真剣に観ていました。

裏を読まずに素直に泣きましょう

連ドラ版の『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』をまとめて観ました。小説、スペシャルドラマ、映画ときて、ついに連ドラ! オンエアーの時は「ああ、泣けるやつね。流行ってるらしいね」なんて言っていたのですが、多忙なのと、ブームに乗り遅れた感満載で、観る事ができませんでした。そういった作品をまとめて鑑賞できるのもDVDの素敵な所です。こんなチャンスですから、遅ればせながら、まとめて観て泣くしかないです。

原作のリリー・フランキーに比べて、その分身ともいえる主人公を演じる速水もこみちがややイケメン過ぎる気もしますが、それほど違和感はありませんでした。このドラマのポイントは、最後のクライマックスで泣かせるというだけでなく、全話に泣かせシーンが満載という事です。なによりも健気なお母さん、そのお母さんを襲う病魔、優しい友達や仲間、マドンナ的女性との切ない恋、社会の厳しさ。こういった様々なエピソードが、物語を転がすというよりは、観ている人をひたすら泣かせる為に散りばめてある感じです。コブクロの主題歌さえ、「聴かせる」というより、「泣かせる」という感じでした。素直な気持ちで楽しみ、泣きましょう。「リリー・フランキー、凄いお金持ちになったんだろうなあ」とか想像してしまうと、泣けなくなりますから、要注意です。

東京タワー オカンとボクと、時々、オトン DVD-BOX
発売:フジテレビ映像企画部 / 販売:ポニーキャニオン 8月17日発売 26,250円

伊東美咲の美しさがすべてを成立させてます

『めぞん一刻』を観ました。正直な話、原作の響子さんがあまりに素敵過ぎるし、一刻館の奇妙な住人たちはリアリティー皆無なので、映像化するのは難しいだろうと思っていました。時代設定を1980年代のままにして、幸せな五代クンが現在から過去を回想するというアイデアは悪くないのですが、最初から結末が読めてしまいます。原作を知らない人の事も考えると、ちょっともったいない気もしました。住人たちも、意外と普通の人ですし。

ただ、それらの弱点を全てフォローするのが、響子さんを演じる伊東美咲の存在感です。はっきり言って演技的には『電車男』のエルメスのまんまですが、とにかく美しいので許せます。大きな反発もなく、周囲に全肯定されるヒロインに自然となってます。原作の響子さんの服装や髪型を完全に再現しているので、ファンの方はコスプレ的な視点でも楽しめます。ただ、響子さんに目を奪われ過ぎて、主人公の五代クンの顔がまったく印象に残りませんでした。

(C) 2007 高橋留美子・小学館/テレビ朝日・東北新社クリエイツ

エンドクレジット近くに、沢村一樹と榮倉奈々が演じる、三鷹さんにこずえちゃんといった原作の超重要キャラが数秒だけ登場します。本当に唐突なので、原作を読んでいない人にはまったく意味がわからないと思います。話もまったく完結していませんし、明らかに後の連続ドラマ化を視野にいれた終わり方でした。続きが作られることを願います。

スペシャルドラマ めぞん一刻
発売: テレビ朝日 / 販売:東北新社
9月21日発売 4,935円

バイトするネコを着ぐるみの人間が演じる時代です

このドラマ『ユキポンのお仕事』もコミックが原作です。正直、原作の絵はかなり味があり、良い意味で落書きチックです。原作でも非常に人間臭いネコだったので、どうやって実写化するのだろうと思っていたら、まんま俳優にネコの着ぐるみを着せてます。犬彦さんは、当然犬の着ぐるみです。確かにネコや犬のバイトシーンはこうでもしないと映像化できません。ローテクだけど正しい選択です。ゲストで猫ひろしが登場するのですが、彼もネコの着ぐるみを着ていました。まんまです。主題歌を担当する奥華子もちょこっと出演しています。メガネはまんまでウェイトレス姿でした。マニア必見です。

ネコが人間に混じって様々なバイトをするという短いお話が続きますが、原作のユキポンよりも岡田義徳が着ぐるみで演じるユキポンのほうが可愛いので、大成功といえるんじゃないでしょうか。ヒロインのあけみちゃんも原作より可愛いかったです。

ユキポンのお仕事
アミューズソフトエンタテインメント
8月24日発売 3,990円

懐かしのSFホラードラマ、38年ぶりの続編が登場

大人も楽しめるカルトなSFホラードラマ『怪奇大作戦』。円谷プロが38年も前に制作した作品が、現代風のアレンジを加え完全新作として登場します。常識では考えられない様々な怪事件をSRIという組織の面々が科学の力で解決していくというお話です。まさに怪奇現象VS.現代科学といった感じ。携帯電話を利用して人体自然発火現象を起こす殺人犯が登場したりして、『X-FILE』なんかと近いノリがあります。

今回は全3話のみの制作ですが、さらに続きを観てみたい作品です。3話だけでは、SRIのメンバーたちの各キャラクターも、まだまだ確立していない感じがします。ちなみに、清水崇や中田秀夫といったホラー界の大物監督が各エピソードを監督しています。

怪奇大作戦 セカンドファイル 豪華版
バップ
8月22日発売 12,600円(単品販売各3465円)

いろんなシチュエーションで死にそうです

原作や原典のある作品が続いたので、最後はちょっと変わったオリジナル作品を。ホラー、サスペンス、コメディなど、様々なジャンルのお話が楽しめる『死ぬかと思った』を観ました。この作品に共通しているのは「死ぬかと思った」というキーワードのみ。全13話ありますが、まったく内容はバラバラです。深夜枠のせいか、お馴染みの俳優さんのいつもと違う顔を見ることができます。いつもは大声を出してうるさいだけという印象の佐藤隆太が、クールな知能犯を演じていたり。また、意外な大物が毎回出演しています。

ジャンルは様々ですが、どのお話も良くできていて、「これも本当は原作あるんじゃないかな?」なんて思ってしまいました。ちなみにDVD-BOX版では、各出演者自身が、「死ぬかと思った」エピソードを語ります。些細なことで人は死ぬかと思ってしまうのだと学びました。

死ぬかと思った DVD-BOX
バップ
8月22日発売 15,960円(単品販売各3,990円)