どうも、taka :aです。日清食品の「どん兵衛」や東洋水産(マルちゃん)の「赤いきつねうどん」など、スーパーやコンビニで買える定番の和風カップうどん。新型コロナウイルスの影響を受け、備蓄として買い置きしている方も多いのではないでしょうか。

このページでは、いつものカップうどんに「揚げせんべい」を入れるだけで満足感が跳ね上がる簡単ちょい足しアレンジを紹介します。

  • カップうどんと揚げせんべいのちょい足しレシピ

    カップうどんと揚げせんべいのちょい足しレシピ

【どん兵衛と赤いきつねの関係】

まずはアレンジの前に「どん兵衛」と「赤いきつねうどん」は “どっちが先に発売された” のか、少し歴史に触れておきましょう。1971年(昭和46年)9月18日、世界初のカップ麺「カップヌードル」を世に解き放ったのは日清食品ですが、赤いきつねうどんの前身となる世界初のカップうどん「マルちゃんのカップうどんきつね」を先に繰り出したのは東洋水産。

「マルちゃんのカップうどんきつね」が発売されたのは、1975年(昭和50年)9月のこと。初代「日清のどん兵衛きつね」の発売日は1976年(昭和51年)8月9日、カップうどんとしては後発組ではあるものの、当時まだ他社が手を出していなかった業界初の “どんぶり型容器” に身を包み、マルちゃんの「カップうどんきつね」に対抗します。

  • 現在は期間限定 “恋七味” 版販売中

    現在は期間限定 “恋七味” 版販売中

「日清のどん兵衛」は、話題性の高い斬新な容器の形状だけでなく、1976年の発売当初から東日本と西日本で “つゆ” の味に違いをつけ、高いマーケティングのスキルと営業力の強さで東洋水産を牽制。翌年に実施された「食品新聞」のブランド別売り上げ調査では、カップうどんのパイオニア・東洋水産を抑え、みごと「日清のどん兵衛」が西日本で1位を勝ち取りました。

ちょうど同時期、日清のどん兵衛をはじめ、東洋水産にインスパイアされた類似品のカップうどんが多発。特許を取得していなかった東洋水産はブランドの差別化と商品戦略の見直しを余儀なくされ、1978年(昭和53年)8月にパッケージを刷新しました。そう、ここで名付けられたのが「赤いきつね」という商品名。

  • 当初は「熱いきつね」だった

    当初は「熱いきつね」だった

もともと東洋水産は、発売直前までベージュ色の容器を計画しており、商品名も “熱いきつね” というタイトルが用意されていたのですが、同年に流行っていた山口百恵さんのヒット曲『プレイバックPaet2』を聴いた当時の森和夫社長(東洋水産の創業者)が感銘を受け、急遽 “真っ赤なポルシェ” をオマージュした「赤いきつね」に商品名を変更しました。

この流れから「緑のたぬき天そば」や「黄色い博多ラーメン」「黒い豚カレーうどん」「白い力もちうどん」など、現在の色シリーズ(マルちゃん和風丼カップめん)に繋がるのですが、そろそろ話題をアレンジレシピに戻しましょう。

【アレンジに必要なもの】

今回のアレンジに必要なものは、カップうどん「日清のどん兵衛」または「赤いきつねうどん」と「揚げせんべい」で、作り方は熱湯を入れる前に揚げせんべいを仕込むだけの簡単ちょい足しアレンジ……なのですが、ちょっと注意したいのが “相性” です。

  • W=西日本 / E=東日本

    W=西日本 / E=東日本

「日清のどん兵衛」は、原則として岐阜県関ヶ原を境目とした「東日本向け」と「西日本向け」だけでなく、北海道限定「北のどん兵衛」と「液体つゆ仕上げ *1」に分けられており、その中でも味の濃い「液体つゆ仕上げ」は今回のアレンジに向きません。

*1 北海道・東北・関東甲信越・静岡限定

  • 赤いきつねも4種類の味が存在

    赤いきつねも4種類の味が存在

また「赤いきつねうどん」も利尻昆布を使用した「北海道向け」、カツオの旨味と濃口醤油がベースの「東日本向け」、雑節の旨味と薄口醤油がベースの「関西向け *2」、関西向けよりも煮干しの使用量が多い「西日本向け」と地域によって味が異なるのですが、おおむね「赤いきつね」に関しては地域を問わず楽しんでいただけるかと思います。

*2 滋賀・京都・奈良・大阪・和歌山・兵庫の6府県限定

  • オススメは上記の2つ

    オススメは上記の2つ

また、揚げせんべいにも今回のアレンジに合う・合わない商品があって、たとえば三幸製菓の「焼えびせんべい」や栗山米菓の「ばかううけ」、亀田製菓の「ハッピーターン」などは戻りにくく、ちょっと今回のアレンジには不向き。オススメは関東だと「歌舞伎揚(かぶきあげ)」、関西なら「ぼんち揚」などが安パイです。

※今回のアレンジでは、ぼんち株式会社の「辛子明太子大型揚せん」と亀田製菓の「揚一番(あげいちばん)」を使います。

【実食】

  • 揚げ煎餅は熱湯を注ぐ前に

    揚げ煎餅は熱湯を注ぐ前に

作り方は簡単で、お湯を入れる前に添付の「粉末スープ」と「揚げせんべい」を仕込み、ゆっくりと揚げせんべいの上から熱湯を注いだ後、フタを閉めて5分待つだけ。ただ、きちんと戻れば “もっちり” とした絶妙な食感、中途半端だと “湿気ただけ” になりかねません。とりあえず熱湯5分きちんと待ってからフタを全部剥がし、揚げせんべいは麺の下に沈めて中盤以降に食べるのがオススメ。

  • 日清のどん兵衛×辛子明太子大型揚せん

    日清のどん兵衛×辛子明太子大型揚せん

実は今回の記事を書く前、15種類以上の米菓・揚げせんべいを試してみたのですが、その中でもトップクラスに美味しかったのが「ぼんち 辛子明太子大型揚せん」で、つゆを吸い込んだ揚げせんべいはジュワッとジューシーかつモッチモチの絶妙すぎる食感。

  • もはや “きつね越え”

    もはや “きつね越え”

今回は1枚しか写っていませんが、基本的に揚げせんべいは熱湯を注ぐと5分後には小さくなるので、大型の揚げせんべいでも意外と2枚くらい入れて大丈夫。

  • ほんのり明太子の風味

    ほんのり明太子の風味

揚げせんべいから滲み出る特有のコクもさることながら、ほんのり明太子の風味が乙に重なってくるのもポイント。辛子明太子大型揚せんを使用する場合、手に入る環境にあれば西日本どん兵衛がオススメです。

  • 赤いきつね×揚一番

    赤いきつね×揚一番

もちろんオーソドックスな甘辛い醤油味の揚げせんべいも間違いなく、前述の「歌舞伎揚」や「ぼんち揚」「ひとくち歌舞助六」などでも問題ないのですが、東洋水産と亀田製菓には「揚一番 緑のたぬき風味」や「亀田の柿の種わさび味焼そば」といったコラボ実績があるので、その関係から「揚一番」をピックアップしました。

  • たまご入ってなかった(稀にある)

    たまご入ってなかった(稀にある)

「日清のどん兵衛」「赤いきつね」どちらの “きつねうどん” も和風つゆベースの味付けなので、同じく甘辛い味付けのオーソドックスな揚げせんべいとベストマッチ。西日本寄りの商品に使うと薄口醤油では出せない丸みを帯びたコクがプラスされ、東日本寄りの商品に使うと味の深みが増す効果が得られます。

  • じゅわっ……

    じゅわっ……

そのため地域は選びませんが、厚みのある亀田製菓の「揚一番」を使用する場合、ちょっと中心部が戻りにくいので、様子をみながら後半に食べるのがいいかもしれません。

【まとめ】

今回は「日清のどん兵衛」と「赤いきつねうどん」を使用しましたが、もちろん「日清御膳」や「白い力もちうどん」など、他の和風カップ麺でも大丈夫ですし、意外とノンフライ麺を使用した醤油味のカップラーメン(「麺づくり 鶏ガラ醤油」等)にも応用可能。

お餅や濡れせんべいが苦手な方にはオススメできませんが、そうでなければ試す価値あり。もしもハマってしまったら、もう揚げせんべいなしのカップ麺なんて考えられなくなるかも……