JR・都営代々木駅から徒歩4分の「学習塾ロジム」。自分で問題点を認識し、解決するスキルを身につけるロジカルシンキングを推奨している

2005年、東京都・門前仲町に開校した「学習塾ロジム」。大手進学塾とは一線を画した少人数の学習塾で、現在は代々木、桜新町、北参道と都内に4校を展開する。日本で初めて本格的なロジカルシンキングを小学生の学習に取り入れ、社会に出た時に必要とされる”論理的思考力”を身につけることを目指している。ロジカルシンキングとは「物事のつながりを考え、それを他者に伝えること」で、そのように論理的に考えて伝える力は、「思考回路が柔軟な子どものうちにやるべき」と、同塾は考えているという。

問題の失敗例から学ぶ塾

最近の傾向として、「丸暗記型の学習」のみでは太刀打ちできなくなっている中学受験。「考える力」「応用力」が年々求められるようになってきている。そんな現状の中で、「ロジカルシンキング」の力を育てることに重きを置いているのが、「学習塾ロジム」だ。

「授業では間違いをいかに子どもたちに体験させるかに時間を割いています。問題の成功例だけを覚えても、実際の受験や社会において適用できないことの方が多いからです」と語るのは、塾長の苅野進さん。答えを導くために、先生と子どもたちがディスカッションしながら仮説をたてたり、試したりする中で、失敗から微調整し改善できるメンタリティーを育みたいのだという。そのため、模範解答に書いてあるような”解き方”を最初から教えることは決してしない。

学習塾ロジム 塾長の苅野進さん。「自分や他人の間違いから学ぶことは非常に重要な経験です」と語ってくれた

小学3年生までは「ロジトレ」(ロジカルシンキングの力を伸ばす授業)、「算数基礎マスター(1~3年)」、「読解基礎マスター(3年のみ)」、「理社入門(3年のみ)」など、基礎的な力をつけるコースを用意。小学4~6年生は志望校合格へ向けて学校別の対策や学習計画を進める内容となり、「国算理社」の4科目(本科コース)のほかに「ロジカルシンキング」、「考える算数」、「書く国語」という単科コースがある。

さらに「ロジカルシンキング」の徹底ぶりが伺えるのが入塾審査だ。学力テストを実施する他の塾と違い、重視するのは同塾の指導方針を本人と保護者が理解できるかという点。正解まで回り道をする同塾の指導法や、あえて間違った答えも共有する体験授業を受けてもらい、入塾を認めるか判断するという。「志望校合格までの最短な方法を教えてください」というご家庭には向いていない学習塾だろう。

考える力の育成により「8割が志望校合格」

小3の「ロジトレ」の授業風景。ディスカッションしやすいように、子どもたちの机をコの字型に配置している

個人情報保護の観点や、合格者数で塾の質を判断してほしくないという考えから、合格実績は非公表としている同塾。しかし年によって異なるものの、約8割は第2志望までの学校に合格しているという。中でも「記述回答の多い私立校や都立の中高一貫校、それに国立校などの合格率が比較的よい」とのこと。「難しい文章を読んで情報処理をし、長文で表現する」といったロジカルシンキングの授業が結果として、受験の際に役立っているそうだ。

さまざまなコースが用意されているが、全ての授業に共通するのは講師が子どもの気持ちに寄り添いながら、共に問題の解答を考えること。問題を解く際に、どのように思考をめぐらせているかを講師自身が示すことで「先生は分からない時にこんなふうに考えていたな、こうやって試していたな」と、子どもたちが思いだせる。そうすることで、子どもたちが難問にぶつかったとき、「僕もこうやってみよう」などと考えられるようになり実力アップにつながるのだという。

最後に、入塾した場合の概算費用について小学4年生の例を紹介しよう。

入塾金: 3万2,400円
◆本科
「算数・国語」2科目: 3万7,080円(システム・テスト費込/月額)
「算数・国語・理科・社会」4科目: 4万7,600円(システム・テスト費込/月額)
◆オプション
「ロジカルシンキング」3,240円(1回)または3万2,400円(12回分一括/4カ月)
「考える算数スタンダード」1万5,120円(月額)
「書く国語スタンダード」1万5,120円(月額)

※本科コース受講者や単科コース2科目以上受講者は、「ロジカルシンキング」の授業が無料受講できる。
※価格は全て税込
次回は、「ロジトレ」授業に潜入! 1人1台のパソコンで行うプログラミング講座もレポートする。