日本は缶詰大国なのだそうです。とにかく種類が豊富で、海外から見れば驚くようなものまで缶詰になっているとか。今回登場する缶詰はなんと、鶏のからあげ缶詰。これには缶詰博士も「まさか缶詰に出来るとは……!」と驚きっぱなし。3月から全国発売の新商品ですが、マイナビニュースでいち早くご紹介します。

  • やきとり缶と共通デザイン。3種類の味付けだ(写真:マイナビニュース)

    やきとり缶と共通デザイン。3種類の味付けだ

偉業とはこのこと

僕は鶏のからあげに目がない。好きな食べ物のトップ3に必ず入ってくるほど大好きだ。ゆえに、からあげが缶詰になったらどんなに素晴らしいだろうと思っていた。しかしその一方では「まっ、無理だろうな」とも思っていた。だって、揚げ物ですよ。時間が経てばべちゃっとして食感が悪くなるし、油だって傷んで悪くなる。時間の経った揚げ物なんて「悪い」予想しか出来ない。

ところが、その高いハードルを越えてきたのが、やきとり缶で知られるホテイフーズコーポレーション。ついに、ついにからあげを缶詰化したのであります。もちろん世界初!

  • 和風醤油味の内観

    和風醤油味の内観

冷めたからあげの美味しさ

さあ本日もご唱和ください、開缶! まずは「からあげ和風醤油味」。缶内は液体が入っていないドライタイプで、それゆえ表面がからりとした状態に見える。

ひと口頬張ってみると……Oh! なんということだ。からあげそのものであります。表面はさくっとして、いい意味で粉っぽさがある。中の鶏肉はやや歯応えがあって、ジューシーとまではいかないが充分しっとりしている。

例えて申せば、朝に揚げて弁当に詰めたものを、昼に食べたような感覚。つまり冷めたからあげ。文句なくからあげ。

  • 旨辛たれ味の内観

    旨辛たれ味の内観

おつまみ系からあげ

こちらは「からあげ旨辛たれ味」の内観。揚げた後でタレをかけて味付けしている。中華料理でもからあげにとろみのあるタレをかけて出す料理があるが、あんなイメージであります。

こちらのお味はちょいとピリ辛、かつ甘みアリ。それでいて後味が爽やかなのは、隠し味にレモンを利かせているからだ。これはサワーとかビールとか、炭酸系のお酒にばっちり合いますなァ。

  • てりマヨ味の内観

    てりマヨ味の内観

白ごはんプリーズ

こちらは「からあげてりマヨ味」の内観。これもタレで味付けしているので、からっとした食感ではない。しかし味付けがとてもいい。甘じょっぱくてうま味のあるマヨネーズ風タレなのだ。子供もぜったい好きになるような後引く味で、ただちに白ごはんが食べたくなる。

面白いのは、3種類とも常温でおいしいということ。温めてももちろんおいしいが、ぱかっと開けてそのまま食べられるように造られている。

  • おべんとにしてみる

    おべんとにしてみる

油の酸化を阻止!

かくのごとし。和風醤油味を野菜、卵焼きといっしょにおべんとに詰めた。常温でウマいということは、こうして弁当にしてもウマいということであります。

ホテイフーズさんに取材すると、開発には相当なご苦労があったらしい。例えば、揚げ物が悪くなるのは油が酸素に触れて酸化していくから。それを防ぐために、缶内の酸素残量を極限まで減らす技術を使ったという。ほかにも、揚げる段階での温度と時間の調整がある。缶詰は、中身を詰めてフタを閉めたあとで、殺菌のために必ず加熱しないといけない。その熱が加わってちょうどいい仕上がりになるように、さかのぼって揚げ工程での加熱をコントロールしているんであります。

日本の缶詰はやっぱりすげーですね!

缶詰情報
ホテイフーズコーポレーション/からあげ缶詰3種類
希望小売価格200円(税別)
2/4から一部のファミリーマートで販売(からあげ和風醤油味とからあげ旨辛たれ味の2種類)。3/4から全国のコンビニやスーパー、ネットショッピングで販売。

黒川勇人/缶詰博士

昭和41年福島県生まれ。公益社団法人・日本缶詰協会認定の「缶詰博士」。世界50カ国以上・数千缶を食している世界一の缶詰通。ひとりでも多くの人に缶詰の魅力を伝えたいと精力的に取材・執筆を行っている。テレビやラジオなどメディア出演多数。著書に「旬缶クッキング」(ビーナイス/春風亭昇太氏共著)、「缶詰博士が選ぶ!『レジェンド缶詰』究極の逸品36」(講談社+α新書)、「安い!早い!だけどとてつもなく旨い!缶たん料理100」(講談社)など多数。
公式ブログ「缶詰blog」Facebookファンページも公開中。