寒いときには炊き込みごはんが恋しくなります。肉でも魚でもおいしいし、基本は混ぜて炊くだけという手間いらず。これこそ缶詰料理の基本じゃないかと缶詰博士に言うと「まさにその通り! でも本当の楽しみは翌朝にあるんですぞ」と謎かけのような発言が。翌朝にいったい何があるというのでしょう?

  • SSKセールス「うまい! 鰯醤油煮」。コスパ高し(写真:マイナビニュース)

    SSKセールス「うまい! 鰯醤油煮」。コスパ高し

どっちもいいけどやっぱり翌朝

結論から申し上げる。炊き込みごはんは翌朝おむすびにしたやつが一番ウマい。ひと晩経って全体にうまみが行き渡り、味がしっとり落ち着くのであります。

「そんじゃ炊きたての炊き込みごはんおいしくないのか?!」と問われれば、それはもう「炊きたてもウマい!」と即答するのだけど(どっちだ?)。でもでも、翌朝のおむすびには炊きたてにない深い味わいがある。熱々フレッシュの炊きたてに対し、翌朝おむすびは冷めてもなおウマい。この違いであります。

  • 開缶! 表面の脂はすべていわしの脂

本日登場する缶詰は「うまい! 鰯醤油煮」。自分で「うまい!」と言っちゃってるところがおちゃめだ(しかも! 付き)。200円を切る価格で売られているのに、いわしは脂が乗っていて皮目も美しく、いかにも新鮮。コストパフォーマンスの高いいわし缶だ。

空前のさば缶ブームが続いており、今年もさば缶は供給不足になると思われる。なので同じ青魚のいわし缶を積極的に使っていきたい。DHA、EPAの含有量だって負けてませんぞ。

  • 浸漬させた米に缶汁と炊き地を投入

さあ本日もお料理スタート! この瞬缶はいつもわくわくしますな!

1.5合の米を研いで水に浸け、ざる上げしてから鍋(炊飯器でもOK)に入れる。そこにまずは"缶汁だけ"を入れる。これが缶詰炊き込みごはんの掟なり。

ほかに炊き地として水150ml、薄口しょうゆ25ml、酒大さじ2を入れてよく混ぜて強~中火に掛ける。7分待つなり。

  • 炊きあがり!

7分経ったら弱火に落としてさらに7分。火を止めてフタを開けると素晴らしい香りが立ち昇った。醤油の焦げた匂いは世界最強! このまま食べたくなるのをぐっとこらえて・・・・・・。

  • いわし投入

いわし投入。即座にほぐしてよく混ぜフタOn。このあと15分蒸らせば缶成。炊きたてはすっきりしたソリッドなおいしさを味わえる。それはそれで味わいつつ、横目で鍋の中を確認し、明日のおむすび分を残しておくことを忘れぬように。この放置プレー(?)も愉しみなのだ。

  • のりで巻くもよし

放置したごほうび

翌朝はかくのごとし。握る直前に青ねぎと柴漬けを混ぜこんで薬味とした。魚介缶には薬味が何より大事であります。

ひと口頬張ると……ふひひ。予想通りに、ごはん全域にいわしのいい味が沁みわたっている。合間に顔を出す中骨もおい。冷めたおかげで醤油の風味も際立って、最高の朝ごはんであります。

もしくは、これをお弁当として会社に持って行くのもアリかと。朝いただくにせよ、昼いただくにせよ、我慢して放置したごほうびがいただけますぞ。

缶詰情報
SSKセールス/うまい! 鰯醤油煮
参考価格180円前後(税込み)
全国のスーパーやネットショッピングで購入可

黒川勇人/缶詰博士

昭和41年福島県生まれ。公益社団法人・日本缶詰協会認定の「缶詰博士」。世界50カ国以上・数千缶を食している世界一の缶詰通。ひとりでも多くの人に缶詰の魅力を伝えたいと精力的に取材・執筆を行っている。テレビやラジオなどメディア出演多数。著書に「旬缶クッキング」(ビーナイス/春風亭昇太氏共著)、「缶詰博士が選ぶ!『レジェンド缶詰』究極の逸品36」(講談社+α新書)、「安い!早い!だけどとてつもなく旨い!缶たん料理100」(講談社)など多数。
公式ブログ「缶詰blog」Facebookファンページも公開中。