缶詰博士の黒川氏いわく「ホテイのやきとり缶が斜め上に進化中!」だそうで、前回はその例として新商品「チーズタッカルビ味」を紹介してもらいました。今回はもうひとつの新商品「アヒージョ」の話題です。
「アヒージョって油っぽいイメージがあるけど、これは違う。油まで美味しいし、しょう油が隠し味だったりして、白ごはんもいけるアヒージョなんです」
焼いたあとで煮ている
今回のやきとり缶はかなりユニークだ。何と、アヒージョなのであります。
鶏肉をリアルな炭火で焼いているのがホテイのやきとり缶のウリ。しかしアヒージョは、手短に申せば油による煮物である。"焼く"と"煮る"では調理法がまったく違う。それでいいのかホテイフーズよ!?
と、わざとらしく疑問を呈したけど、種明かしをしておこう。従来のやきとり缶も、厳密に申せば“煮る”工程があるのだ。
鶏肉を炭火で焼いたあとで缶に詰め、味付けのための調味液を注いでからフタを密封、加熱している。なので、鶏肉は調味液で煮た状態になっているわけ。
それでも炭火焼きの香ばしい風味を残しているのが、同社のやきとり缶の偉大なところであります。
やきとり缶なのに煮こごりなし
今回の新商品「やきとりアヒージョ」も、鶏肉は炭火で焼き上げてから缶に詰められている。
「やきとり缶と名乗っているからには、そこは譲れないだろうなァ」
などと考えながらフタを開けると、内観が従来品と違っている。やきとり缶といえば、鶏肉から溶け出た水分と脂分が煮こごりのような状態になって、肉の周りを埋めているはずなのだ。しかしこのアヒージョは煮こごりがない。
ホテイフーズの担当者M氏によると、油を使ったことで煮こごりができにくくなったそうだ。
後を引く強烈な旨味
いつものように箸上げ(正確にはフォーク上げ)すると、一気にガーリックの匂いが拡散した。まさにアヒージョらしい匂いであります。
しかしひと口食べてみると、不思議なことにガーリックの存在をあまり感じない。まず穏やかな甘じょっぱい味が来て、飲み込んだあとには強烈な旨味が残るのだ。何だろう、この後を引く感じは?
原材料をチェックすると、砂糖としょう油、アミノ酸系の調味料が入っていた。そこにガーリックの風味も加わって、強い旨味を作りだしているようだ。
肉がジューシーで柔らかい
かくのごとし。このやきとりアヒージョは白ごはんに合いそうなので、キャンプ飯に使うことにした。
炊きたてごはんにやきとりアヒージョを汁ごと乗せて、トッピングはネギとガリ(酢生姜)。スペイン料理であるアヒージョを、完全に和の世界へ引きずり込んでしまったが、文句なくウマいです。
食べている途中で気付いたのは、このやきとり缶の肉がジューシーで柔らかいこと。油で煮ているから、加熱による肉のパサつきが抑えられているのだ。
結論。このやきとり缶もアリです。
缶詰情報
ホテイフーズコーポレーション/やきとりアヒージョ 65g 216円
全国のスーパー・コンビニやネットショップなどで購入可