缶詰博士の黒川氏によると、地方発の新しい缶詰が次々に登場しているそうです。今回ご紹介する缶詰も、そうしたご当地缶詰のひとつ。博士いわく「いい意味で想像が裏切られる缶詰」だそうです。一体どんな中身なのでしょう?

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  • 器/宮崎海洋 切干ぶり大根100g 492円

商品名が気になって購入

見た瞬間に商品名が気になった、この缶詰。「宮崎海洋 切干ぶり大根」というんだけど、さっと読み流してはいけませぬ。「切干大根」なら分かるが、その間に「ぶり」という単語が挟まっているのだ。

ぶりを切って干して、大根と一緒にしたのだろうか(ぶりの干物料理?)。それとも、ぶり大根の大根を切り干し大根に替えた料理ということだろうか。

さらには「宮崎海洋」という単語も、何かの意味を持っていそうだ。非常に気になり、購入してしまった。

でも、最初の疑問はすぐに解けた。原材料名に「切干大根」と書いてあったのだ。まあ、そうだろうなァ。ぶりを切り干しにするわけはないよなァ。

  • 宮崎海洋切干ぶり大根の内観

紛うことなき匂い

フタを開けると、茶色く煮しめられた切り干し大根が現れた。よくある細切りではなく、短冊切りのタイプだ。透き通るような美しい色で、例のお日様を思わせる匂いを発散させている。

すぐにも食べたかったけど、商品名の謎はもうひとつ残っている。そこで製造会社「器」のサイトを開き、商品ページを眺めてみたら、またあっさりと解決してしまった。この缶詰は宮崎県立海洋高校との共同開発で生まれたそうだ。だから「宮崎海洋」という単語が入っていたのだ。

さあ、謎はすべて解けた。もう何も問題はない。だが、しかし。ぶりはどこにいるのだ?

  • 缶底に収まっているぶり

切り干し大根を取り出していくと、下からぶり様が顔を出してくれた。小さな一口大カットになって、ころころと収まっていらっしゃる。

切り干し大根も、ぶりも、それなりの歯応えがあるように見える。とくにぶりは、赤身の部分がしっかり煮締まっているように思える。

だが、その予想は外れるのであった。

  • 白ごはんにOn

かくのごとし。この缶詰は熱々白ごはんにOnして食べるのがマストだろう。

まずは切り干し大根をいただくと、予想に反してとても柔らかい。舌で押しつぶせそうなほどである。さらにぶりをいただくと、こっちも驚くほど柔らかい。よく見れば脂身がたっぷりついていて、赤身にもサシが入っている。皮などはとろとろ食感であります。

味付けは、いかにも九州らしい甘めのしょうゆ味だ。そこに切り干し大根のうまみが溶け込んでいるから、たまらない。白ごはんとの相性は抜群で、わしわしと1合を食べてしまった。

缶詰情報
器/宮崎海洋 切干ぶり大根100g 492円
ネットショップなどで購入可