3月12日の記事で青森県八戸市の「すき昆布」缶を紹介しましたが、今回は青森県のほぼ全域で食べられている「ほたてマヨネーズ和え」缶の話題です。
缶詰博士によると、ほたて貝は青森の名産品。でもマヨ和えで缶詰化するのは「青森独自の文化」だそうです。今回は3種類を一挙に紹介しますよ!
きっとデフォルト
青森県の陸奥湾には、八甲田山系からミネラルたっぷりの川水が流れ込む。その栄養でプランクトンが豊富に育ち、それを食べて育つほたて貝は陸奥湾の名産品であります。と、ここまでは「うんうん、さもウマかろう」と素直に頷ける。しかしそのほたてをマヨネーズ和えにすると聞いたらどうか。
「そりゃおいしいに決まってる」という人もいれば、「なんともったいない」と眉をひそめる人もありましょう。
ともあれ、青森県には陸奥湾産ほたてのマヨネーズ和え缶詰が"複数"存在する。上の画像には写ってないけど、ほかにも「みそマヨ和え」なんてバージョンもあるのだ。
ということはあれか。青森ではほたてをマヨネーズ和えするのがデフォルトなのか。
ほたてしらゆきの場合
みなみや「ほたてしらゆき」は2015年ご当地缶詰グランプリ金賞受賞作。小振りなサイズの缶に入ったその様子は、ほたて貝柱をていねいにほぐしたことがよく分かる。酸味を思わせるマヨらしい匂いに、ほたての匂いが混合しております。
ブリューの場合
味の加久の屋「ブリュー・ウニ入りホタテマヨ」は、唯一うにを混ぜこんだ贅沢品。さらに盛岡の銘酒「あさ開」の酒粕も混ぜており「ただのマヨ和えでねえど」と主張してくる。うにとマヨの匂いがミックスされ、何やら濃厚な気配。
ほたてマヨネーズの場合
見た目がもっともマヨっぽいのが青森漁協「ほたてマヨネーズ」。品名もそのままであります。酸味と甘みが一緒になったマヨネーズらしい匂いで、内容量105gとサイズも一番大きい。第24回農林水産大臣賞受賞作であります。
以上の3種を箸上げ(フォーク上げ)した様子が以下の画像。
三缶三様(さんかんさんよう)
「ほたてしらゆき」
粘度がもっとも低い。食感もほたて貝柱のしゃくしゃくした食感がはっきり分かる。逆にマヨのトロトロ感は少ないが、かむごとにほたて本来のうま味が出てくる。
「ブリュー」
粘度があり、かつ柔らか。みそを混ぜたような色だがみそ入りではなく、うにと酒粕の色だ。しっかりした塩味と酸味があって、ほどよい甘みもある。鼻腔内が次第に酒粕の匂いで満ちてくる。清酒欲しい。くれ。
「ほたてマヨネーズ」
油脂が光ってテラテラしており、もっともマヨネーズ感が強い。ほたては細かくほぐれたものとかたまりの両方が混ざっていて、それぞれ食感を味わえる。油脂がこってりしつつ酸味もあって、塩味もしっかり利いております。
かくのごとし。代表してブリューをトーストに塗って食べてみた。
見た目と風味を考慮して海苔を敷いたが、これは不要だった。ほたて&うに&マヨネーズ&酒粕という4者タッグは強烈で、海苔の風味は消し飛んでしまった。おまけにうにと酒粕の風味が脳髄に刺さり「酒くれ酒くれ」と指令を出してくる。たまらず清酒をひと口呑むと、はたして相性が良い良い。朝なのに。
なのでこのトースト、とてもおいしいんだけど、朝食には不向きでした。
缶詰情報
味の加久の屋/brew(ブリュー) ウニ入りホタテマヨ 70g 648円
みなみや/ほたてしらゆき 70g 594円
青森漁協/ほたてマヨネーズ 105g 5缶2,900円(1缶580円)