おいしくて栄養豊富で、量のわりには値段が安いのがさば缶。まさに庶民の味方といった缶詰ですが、そんなさば缶にも「ラスボス的存在がいます」と缶詰博士は言います。

「今、市販されているさば缶の中で恐らく最高額。何しろ3缶で1万円です!」
ということは、1缶当たり約3,333円。そんなに高いなんて、どんなさば缶なんでしょう?!

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  • 千葉産直サービス/とろさばプレミアム缶(水煮) 180g 価格3缶1万円

    千葉産直サービス/とろさばプレミアム缶(水煮) 180g 価格3缶1万円

かつては5,000円のさば缶もあった!

今やツナ缶と並び、家庭の常備品になったさば缶。昔からの大定番でもあって、僕がもっとも多く食べてきた缶詰であります。

さば缶にも栄枯盛衰があり、これまで様々な商品が登場しては消えていった。2006年にはマルハ(その後ニチロと合併して現在はマルハニチロ)が高級ブランド魚・関さばを使った水煮とみそ煮を出したことがあり、お値段なんと2缶で1万円という高額だった。すげえなマルハさん!

で、今回紹介するのは現状おそらく日本一高いさば缶。原料へのこだわりで知られる千葉産直サービスが、Webショップ限定で出している「とろさばプレミアム缶・水煮」で、お値段は3缶で1万円(1缶約3,333円)。

関さば缶には叶わないけど、それでもおいそれと買える値段じゃない。すげえな千葉産直サービスさん!

  • こだわりの表記

    こだわりの表記

酢を使っているのがポイント

千葉産直サービスのさば水煮缶は、酢を使っているのがポイント。一般的な水煮はさばと塩、水だけで造るのだ。それはさばの風味をダイレクトに味わえる手法なのだけど、そこに酢が加わると、単純な塩味にうま味が加わる。その辺りのこだわりが缶側面に表記してある。

  • とろさばプレミアム缶の内観

    とろさばプレミアム缶の内観

さばの形状に刮目せよ

いよいよ開缶。なんだけど、開けるのに勇気がいる。だって3,333円ですぞ! 開けちゃったら、もう元に戻らないんですぞ(当たり前だ)。

なので勇気をかき集めて、開缶。何だこりゃ!! さばの様子がおかしいぞ!

みなさん画像を見て分かりますか? このさば缶は、太い胴体がひとつだけ収まってるんです。通常は胴体が3つ、大きなものでも2つ収まっているのが、これはひとつだけ。缶の直径とほぼ同サイズであります。初めて見たなァ。

  • さばを取り出してみる

    さばを取り出してみる

こだわりにも限度がある

皮を傷つけないよう慎重に取り出してみる。なるほど、こうして見るとよく分かる。デカいさばの胴体を筒切りにし、内臓を抜いて、その空洞部分に腹の肉を丸めて押し込んでいるのだ(画像でいうと左上、10時の方向)。

これ、手詰めじゃないと出来ないし、缶直径と同サイズの原料しか使えないじゃないか。いくらこだわりがあると言っても、ものには限度があると思うぞ千葉産直サービスさん!(喜んでます)

  • 半切りにして盛りつけ

    半切りにして盛りつけ

かくのごとし。包丁で半分に切って皿に乗せ、大葉の千切りをトッピング。まずはこのままいただいてみる。おっ、身が締まっております。とくに背身は上質なツナのようにしっかりしている。それなのに脂が乗っているという不思議。

腹身はもう、脂が乗りまくり。口から溢れそうだ。でもその脂は澄み切っていてクドくない。そして缶汁のウマさよ! 臭みはもちろんナッシングで、後を引くようなうま味がある。酢のおかげでありましょう。

最後に、上から酢しょう油をかけたらさらにウマかった。ちょっとしめさばチックな味わいになりますぞー(お酢大好き人間です)。

缶詰情報
千葉産直サービス/とろさばプレミアム缶(水煮) 180g 価格3缶1万円
同社直販サイトで購入可