Twitterで日々ブロッコリーの情報を紹介する、石川県白山市のブロッコリー農家・安井ファーム(@yasuifarm)さん。ブロッコリーのレシピや豆知識などのツイートが、「美味しそう!」「知らなかった!」と度々バズっています。意外と知らないブロッコリーの使い方や、美味しいレシピなど、そのツイートたちは見ているだけでブロッコリーを食べたくなるものばかり。

この春には、書籍『日本一バズる農家の健康ブロッコリーレシピ』(KADOKAWA刊)も出版しました。この全5回の連載では書籍から一部をご紹介。ブロッコリーを使った料理のバリエーションがさらに広がるかもしれません。

第3回は「ナイスブロッコリーの選び方」をご紹介します。紫色だったり、黄色だったり、粒が細かかったり大きかったり……美味しいブロッコリーってどれなの!? と悩むこともあるかもしれませんが、ポイントさえ覚えれば「ナイスブロッコリー」をバシッと見分けられるはず!

みんな違って、みんなブロッコリー

あれもブロッコリー、これもブロッコリー。ひとくちにブロッコリーといえども個性的でたくさんの種類があるんです。

紫色はがんばった証

寒くなると代謝が鈍り、光合成で蓄えたエネルギーを消費しきれなくなるため、紫色の色素をだして表面を覆うことで、光合成を抑えると考えられています。また寒さに当たるとブロッコリーは凍るまいとして糖度を上げるため、冬季の紫色のブロッコリーは甘い目印という見方ができます。

目の粗さは品種の差

粒目が細かいほうが鮮度がよいというのは誤解です。粒目の粗さは品種によって異なります。他の野菜同様、ブロッコリーにも多くの品種が存在し、生産者は時期や状況に応じて(リスクの分散、特定の病気に強い、生育が早いなど)品種を変えて植えております。

黄色も食べられる

収穫後のブロッコリーは代謝により一方的に養分を消費します。消費が進むと次第にツボミに含まれる緑色の色素が分解され、地の色が露出することで黄色く見えるようになります。黄化は養分消費が進んだ証拠ともいえますが、食べられないことはありません。

茎の穴は成長の証

ブロッコリーが急激に成長すると茎の成長が追いつかなくなり、穴があくことがあります。こちらは「花茎空洞症(ホローステム)」と呼ばれるもので病気ではないため、多少食味は落ちますが、食べても問題ありません。人間でいうと成長痛みたいなものでしょうか。

ナイスブロッコリーの選び方

それもブロッコリー、どれもブロッコリー。ここではナイスブロッコリーをバシッと見分けるためのヒントをご紹介します。

あんまり難しく考えたくないわという直感タイプの方はとりあえず「ツボミ同士が隙間なくギュッと詰まっているもの」を選べばオッケーです。

とはいえ、いきなりそんなこと言われても難しいですよね。ご安心ください、本日はお写真をご用意しております。右へ行くほどギュッと感が上がり、ナイスブロッコリーになっていくのがわかりますでしょうか。

私も安井ファームでブロッコリーを選別する部署に配属されて間もない頃はほとんど見分けがつかず大変な思いをしましたが、こうして並べて見てみると案外わかりやすいと思います。

その他にも、

  • 黄色いツボミが過剰に混ざっていないこと
  • 黒くヌメっていないこと

が見るポイントとして挙げられます。

紫色のブロッコリーは見た目の悪さから消費者の方には敬遠されがちですが、寒くなる冬場は積極的に選んでまいりましょう。ただし紫色にならないよう品種改良されたブロッコリーもあるため、紫色じゃないからダメということはありません。

書籍『日本一バズる農家の健康ブロッコリーレシピ』(KADOKAWA刊)

Twitterフォロワー5.5万人ブロッコリー農家・安井ファーム(@yasuifarm)初のレシピ本。

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