何気ない生活の「ちょっとした所作や言葉遣い」で損をした。そんな経験はありませんか?

「育ちがいい人」はそうした機微を知っているので、そつない対応ができる、また、「育ちは今から変えられる」と指摘するのはマナー講師として企業の経営者やトップ陣の指導をする諏内えみ先生。

今回は、マイナビニュース読者に向けて、特に会社や仕事での「注意点」を指摘してもらいます。これを読めば、あなたの印象はガラッと変わるかも!?

  • 目線の場所で印象が変わる!?

目線の場所で自分の信頼度が下がる

先ず、皆さんに質問をさせていただきます。

「あなたは先週末、何をなさっていましたか?」

さて、「え、先週末……、何してたかなあ」と思い出しているとき、あなたの視線はどこに向いていましたでしょうか? この記事をご覧になっていたスマホやパソコンの画面でしょうか? それとも、壁、天井、窓……。

実は、対面での商談時や打ち合わせのシーン、オンラインミーティングなどで、取引先の方やクライアントに質問されたとき、「そこを見ながら考えると、あなたの信頼度が低くなってしまう」という場所があります。

それは、天井。実に多くの方が何かを一生懸命思い出そうとするときに目線が上にいきます。つまり天井や壁の上部をご覧になりながら長いこと考えていらっしゃるのです!

しかし、どうでしょう。もしあなたがビジネスで取引先の担当者に、「恐れ入ります、こちらはいつ頃までにお返事いただけますか?」とたずねた際、相手の方が「そうですねー、えっと……」と天井を見上げて考えている姿を想像してみてください。

何とも頼りなく、デキる男、デキる女には決して映らないのではないでしょうか。

「この方で大丈夫だろうか……」と少々不安になってしまうかもしれません。また、目線だけではなく、顔ごと上を向けてしまっていたらなおさら! その後の答えに対し、信頼性がまったく感じられなくなりますね。

目線を置く適切な場所

もう一つ、目線のNGパターンがあります。考えている間、質問された方の目をじっと見てしまうことです。こちらが癖になっている方も意外と多く、これもまた、相手の方に圧迫感を与えてしまいますので、避けたいものです。

おそらくこのような癖がある方は、普段からもアイコンタクトが強く、会話中に相手の目を見すぎる傾向にあるかと思います。

ご自身が話しているときでも話を聞いているときでも、相手の瞳を見たまま会話を続けているとしたら、やはり相当な圧迫感を相手に与えてしまいますので、こちらの癖の方も気を付けていただきたいですね。

では、ビジネスのシチュエーションでは、どちらに目線を移して考えるのが適切なのでしょう。ここ、という絶対的な正解はありませんが、信頼を損なわない場所として、書類に目を落としたり、自身の手元や斜め下の床をご覧になったりすれば間違いありません。

つまり、目線は自身の目の高さより上には上げない。そして、質問者の目を凝視しながら考えない、ということになります。

「天井を見上げながら考える」という所作は、本当に多くの方の癖となっているようですので、今一度ご自身の目線を確認してみてはいかがでしょうか。