「あおり運転」は社会問題となり、令和2年には道路交通法の一部改正によって厳罰化されました。それにもかかわらず、いまだにニュースでは話題になり、SNSで動画がアップされることも珍しくありません。

また、あおられてはいなくても、近くを走っているとトラブルに巻き込まれそうな車両もあるはずです。今回は、マイナビニュース会員のライダー達に聞いた「あおり運転」被害の経験や対策のほか、「近づきたくない車両の特長」を紹介します。

■あおり運転をされた方は半数以上!

Q.あおり運転をされたことがありますか?

ある―――62.6%
ない―――37.4%

あおり運転をされたライダーは約半数以上にも及びました。それが意図的に行われた悪質なものか、ただ車間を詰める傾向のあるドライバーだったかは分かりませんが、クルマのように車内に退避できず、転倒の恐れもあるライダーにしてみれば恐ろしいものです。それでは、あおり運転にあわないようにするには何か対策があるのでしょうか?

■あおり運転にあわないためには何をすべき?

Q.あおり運転をされないようにするにはどうしたらいいと思いますか?(自由回答)

【道を譲ってしまう】

男性/44歳 すぐに譲る
男性/41歳 急いでいそうなら譲る。後ろをミラーでしっかり見て観察
女性/46歳 追い抜きやすいようにして、合図を送る
男性/44歳 流れに乗った運転をする。周囲に気を配り、速い車がいたらすみやかに道を譲る。余程でない限り、あおられる事はない

後方から車間を詰めてきたクルマに対し、頑として道を譲らなかった場合、苛立っている相手はさらにエキサイトします。一般常識が通用しない人かもしれないため、さっさと先に行かせてしまうのがよいですね。こういった乱暴な運転を繰り返していれば、いつかはしっぺ返しがあるはずです。

【適切な車間距離を保つ】

男性/38歳 車間は必ず一定にする
男性/57歳 車間距離を適切に保ち、遅すぎない運転
男性/39歳 周りの車両を邪魔しないような走行を心がける
男性/46歳 なるべく前の車に、つかず離れずみたいな距離をとるようにしています

道路交通法や安全運転の常識としては、前車と安全な車間距離を空けることは重要ですが、周囲と比べて車間を空けすぎたり、一定の距離を保てない場合、後ろの車両から『マイペースで走りやがって!』と反感を買うこともあります。また、直前で割り込まれたり、対向車の右折といった事故リスクも高まります。

【相手をイライラさせない】

女性/28歳 追い越しは慎重にする
男性/43歳 交通の流れを読み、安全運転をしつつも悪目立ちをしないように心がける
男性/56歳 車間距離とサンキューハザード
男性/53歳 減速や急な割り込みなど、自分がされたら嫌な事を相手にもしないように心がけている

注意しながら走っていても、道路工事や渋滞時の合流などで割り込む形になることもあります。こういった場合、クルマではハザードの有り無しだけで後方のドライバーからの印象は違ってくるようです。バイクもハザードを装備した車種がありますが、ハンドサインを出したり、軽く会釈をすれば誤解されることも少なくなるはずです。

【危ない車両には近寄らない。離れる、無視する】

男性/43歳 相手を刺激する運転をしないこと。ヤバそうな車がいたら近づかない
女性/40歳 なるべくそばに寄らないで、関わりあいにならないようにする
男性/34歳 あおり運転をしている人に目を合わさない
女性/41歳 あおられてもひたすら無反応、無表情

些細なことで怒ってしまったり、ハンドルを握ると性格が変わるなど、人の性格はさまざまですが、中には一般常識がまったく通用しない反社会的な人もいます。「君子危うきに近寄らず」で、車両の見た目や走り方など、あきらかに危なそうな車両には近寄らないのが得策ですね。

【そのほか】

男性/46歳 自分が悪い時もあると思うが、防ぎようがない時もある
女性/51歳 それは難しい。相手次第なので、100%回避できるものではないと思う
男性/23歳 ドラレコをつける
男性/55歳 「後方録画中」のステッカーが貼ってある。実際は後方カメラはないが、効果は絶大

相手が反社会的な人物の場合は防ぎようがありませんが、普通の人があおり運転をしてしまうこともあります。厳罰化のほか、メディアやSNSで社会的な制裁を受けることを知っていても、怒りで正常な判断ができなくなっているためですが、ドラレコで録画されていることが分かった場合、冷静さを取り戻す可能性はありますね。

■こんな車両には近づきたくない!

あおり運転を含めて、事故やトラブルを防ぐには危険な車両に近づかないことも大事ですね。会員の方々が「危険な車両」と思うものはどんな特徴があるのでしょうか。

Q.近寄るのは危ない車両の特徴をおしえてください(自由回答)

【大型トラック】

男性/57歳 大きいダンプです
男性/55歳 大型トラックの後方を走行するときは気を付けている
男性/41歳 大きなバスやトラックです
男性/53歳 ダンプカーと大型トレーラー

大型トラックなどは大きくて重いため、バイクが衝突したらひとたまりもありません。トラックドライバーにしてみても、周囲の視界も悪いうえ、長時間走行で注意力が低下していることもあるので、近くをバイクが並走しているのは気が気じゃないはずです。

【初心者や高齢者】

男性/54歳 初心者マークをつけた車
男性/52歳 高齢者と女性の運転
男性/43歳 高齢者ドライバーが運転する車はウィンカーを出さずに急に車線変更したりするので怖い
男性/55歳 車が傷だらけ、または整備不良の車。そして高齢者マークの車。オカマを掘られそうで怖い

初心者や高齢者が悪いわけではありませんが、やはり運転経験が少ないために注意力が不足していたり、加齢による判断力や運転技術の衰えなども考えられます。高齢ドライバーでも優秀な方もいますが、ペダルの踏み間違えといった事故のニュースも多いため、やはり近づきたくない車両に挙げられました。

【挙動が不審な車両】

女性/56歳 ノロノロ運転の車
男性/54歳 ウインカーを出さない、瞬間しか出さない車
女性/51歳 車線変更の多い車。左側から追い越しをかけてくる車
女性/30歳 蛇行運転をしている人。寝ていたりケータイを触っていたりするから

居眠りはもちろん、ナビやスマホの注視、脇見や同乗者との会話など、運転に集中していない車両はとても危険です。周囲の安全確認もせず、いきなりウィンカーも出さずに進路を変えることもあるので、やはり距離を取るべきでしょう。

■状況に応じた柔軟な運転と、思いやり・ゆずりあいも大事

あおり運転は複数の事件が社会問題になってから厳罰化されました。免許の取り消しはもちろん、最大で懲役5年という厳しい処分が科されるようになりましたが、それでもいまだに発生します。

これは、あおる側が必ずしも反社会的な人物というわけではなく、一般的な人が結果的にあおり運転をしてしまうケースもあります。例えば、周囲よりも車間を大きく空けていたり、悪意がないのに割り込む形になったことで『身勝手な運転をするヤツだ』と誤解することが多いようです。

もちろん、どんな状況でもあおる側の方が悪いですが、『こちらは道路交通法を守っているのだから正しい。悪いのは相手だ!』という態度をとってしまうと、相手の怒りを余計に増長させてしまい、事故や暴行事件などのトラブルに発展するリスクは高まってしまいます。

他車とトラブルを引き起こさないのも安全運転のテクニックですが、アンケートに回答された方々の多くは、こういった方法をしっかり身につけているようでした。昔から言われるように「思いやり」や「ゆずり合い」の気持ちが大事ですね。


調査時期: 2022年11月10日
調査対象: マイナビニュース会員
調査数: 1010人
調査方法: インターネットログイン式アンケート