冬はバイク乗りにとって一番つらい季節ですが、それでもツーリングに出かける猛者もいます。なぜなら、湿度が低く澄んだ大気は景観も美しく、ちょっとした冒険気分も味わえるから。寒さを乗り越えた先に待っている温泉やグルメも最高でしょう。

一方で「ツーリングだったら楽しいけど、毎日の通勤通学は景色どころじゃないよ!」という方もいるはず。どちらにせよ冬の防寒対策はバイク乗りにとって重要ですが、ほかのバイク乗りはどんな冬支度をしているのでしょう?

今回は、マイナビニュース会員のバイク乗りたちに行った防寒対策アンケートの中から、「グリップヒーター」の装着率やおすすめのブランド、装着する理由などを紹介します。

  • グリップヒーター所持率は何%?冬のバイク乗りが答えるおすすめブランドとは?

二輪免許とバイクの所持率は?

まずは、マイナビニュース会員の「自動二輪免許の所持率」と「免許所持者のバイク所有率」を紹介しましょう。

Q.あなたは自動二輪免許を持っていますか?

  • Q.あなたは自動二輪免許を持っていますか? (n=1,003)

    Q.あなたは自動二輪免許を持っていますか? (n=1,003)

はい ―――46.5%
いいえ ―――53.5%

Q.現在、バイクを持っている、もしくは持っていましたか?

  • Q.現在、バイクを持っている、もしくは持っていましたか? (n=466)

    Q.現在、バイクを持っている、もしくは持っていましたか? (n=466)

はい ―――84.1%
いいえ ―――15.9%

アンケートに答えていただいた会員の中では、4割を超える方が自動二輪免許を取得しており、その中で8割を超える方がバイクを「持っている」、または「過去に持っていた」という結果になりました。

ライダーの身体からバイクまで、具体的な冬の防寒対策は?

それでは、実際にバイクに乗っていた経験を持つ会員たちは、どのような防寒対策をしていたのでしょうか?詳しく紹介しましょう。

Q.冬にバイクを利用する際には、どのような防寒対策をしていますか?(複数選択可)

防寒アイテムを身に着ける ―――91.3%

グリップヒーターを取り付ける ―――26.2%

バイクをカスタムする ―――20.1%

その他 ―――3.8%

寒さが一番こたえるのはライダー自身なので、ウェアを中心とした防寒アイテムを身につけるのが当たり前といえますね。多くのバイクはハンドル廻りが露出して指先が冷えやすいため、4人に1人はグリップヒーターを装備しています。そのほかの「バイクをカスタムする」は、スクリーンやカウリングなどの防風対策や、電熱アイテムの電源を車体から供給するための改造でしょうか。

使っているグリップヒーターや、おすすめのブランドは?

会員の中では約4人に1人がつけているグリップヒーター。さまざまなメーカーから販売されていますが、どんなものがおすすめでしょうか?

Q.自身が使用しているグリップヒーターのブランド、またはおすすめのブランドを教えてください(自由回答)

男性/44歳
カワサキのクリップヒーターはわりと取り付けが容易で性能も抜群です

男性/41歳
なんとなくの印象でヤマハのものを使っている

男性/41歳
ホンダのグリップヒーターは、純正の安心感がある

男性/69歳
デイトナ。いずれにしても、本当に寒いときにはグリップヒーターなどでは間に合わない。信号で止まるたびに、シリンダーを抱えていた

男性/54歳
キジマは安くてたいへん良い

女性/45歳
キジマのグリップヒーターは高機能なのに価格もお手頃でコスパが良いと思う

男性/52歳
オプミッドは温度調節が可能

男性/59歳
バイクショップオリジナルのグリップヒーターを格安で装着

男性/54歳
デイトナ。取付簡単、不器用な自分でもラクラク取り付けられましたよ

グリップヒーターはネット通販で売られる格安品もあれば、「デイトナ」や「キジマ」といった有名なバイクパーツ専業メーカーや「ホンダ」や「カワサキ」などバイクメーカー純正まで数多く存在します。形状も手軽な巻き付けタイプから、グリップ自体を交換したり、数段階の温度調整ができるものも。ブランドや機能によって価格も1,000円以内の汎用品から、2万円を超える車種別専用設計品まで、ずいぶん差があるようです。

グリップヒーターは絶対おすすめ?その理由は?

寒い時期のバイクでは指先が冷えてきますが、手間やコストをかけてまでグリップヒーターを付けるべきでしょうか?。利用者がおすすめする理由を紹介しましょう。

Q.グリップヒーターは使用するべきだと思いますか?

はい―――95.1%
いいえ―――3.9%

Q.なぜそう思うのか、理由を教えてください(自由回答)

■寒さに耐えられない! 快適だから

男性/60歳
寒い冬に快適に乗るには良いと思う

男性/44歳
メーカーにもよるが、カスタム次第ではかなり暖まりを実感できる

男性/51歳
薄い手袋で冬場行けるので便利です

男性/38歳
冬のロングツーリングでは指が冷えきって動かなくなるから

男性/59歳
ハンドルカバーとの組み合わせで最高の防寒性が得られる

■アクセルやブレーキ操作を安全に行うため

男性/28歳
手がかじかむと思ったように運転できないから

男性/41歳
比較的安価で、手があたたまるので冬場の安全性が向上する

女性/45歳
やっぱり指先がちゃんと動いてグリップをしっかり握らないとバイクの運転は危ないから

男性/61歳
手がかじかむと大変危険で大きな事故につながるため、ぜひ着けるべきだ

男性/35歳
ツーリング中に手がかじかんだりしたら、急な動きや、グリップ操作ができなくなる可能性があるから

■もともと冷え性なので

男性/39歳
末端冷え性の人には良いと思う

男性/37歳
冷え性や、最悪凍傷になってしまうような地域では、自他共に危険を未然に防ぐことができるから

女性/51歳
自分はただでさえ末端冷え性で、手袋して立っているだけでも指先の感覚がなくなって動かしにくくなる。正直言ってバイクは危ない。これを導入して一気に変わった。もう手放せない

■安いし簡単だから付けたほうがいい

男性/41歳
比較的安価で、手があたたまるので冬場の安全性が向上する

男性/36歳
絶対あった方がいいし、カスタムもそんなに大変ではないので

男性/41歳
簡単に取り付けることができ、一番操作に影響が出る手を温めることができるから

「使用するべき」は95%と、ほとんどの人がグリップヒーターの利用を推していますが、その理由の多くは安全のためでした。たしかに指や手の感覚が鈍ってくるとハンドル・アクセル・ブレーキといった重要な操作に影響がでます。特に冷え性の方には効果的なアイテムといえるでしょう。

グリップヒーターは強力な防寒アイテム! しかし注意すべき点も……

グリップヒーターにはさまざまな製品がありますが、「巻き付けタイプ」は取り付けも簡単で、価格も手頃。今まで使ったことがない場合、お試しで付けてみるのもよいでしょう。ただし、ネット通販などで買える格安品の中には温度調整で不具合が出たり、非防水のものもあるので要注意。

巻くだけなので取り付けは簡単ですが、すっぽ抜けたり空回しないよう、しっかりとグリップに巻き付けるのはもちろん、配線がハンドルやスロットル、レバーの操作を妨げないかを確認したり、車体や外部の何かにひっかかって損傷しないよう、結束バンドやケーブルカバーで固定と保護する必要もあります。

「巻き付けタイプ」はどうしてもグリップが太くなりますが、握りや操作感が変わるのを嫌ったり、見た目にこだわるのであれば「グリップから丸ごと交換するタイプ」がよいでしょう。有名メーカー品や純正のオプションパーツなら、性能や品質に満足できるのは言うまでもなく、デザインもスッキリしているので一年中装着していても違和感がありません。グリップとスイッチボックスの分解や、電装部品の加工ができる人ならDIYで行うことも可能です。

また、これらを利用するためのUSB電源などをバイクの電装回路に追加する場合は、きちんとした配線加工が重要。バイクは屋外で使うモノなので、湿気や雨水が高圧で吹き付ける時もあります。電装系の改造はいいかげんに行うと、電力の使い過ぎでバッテリーが干上がってしまったり、配線ミスや漏電でほかの電装部品がショートして多額の修理代がかかってしまうケースも。最悪の場合は車両火災になるので、自信のない人はプロに委託した方がいいでしょう。

次回は、バイク乗りの会員達が身につけている「防寒アイテム」のトップ10を紹介します。


調査時期: 2021年10月15日
調査対象: マイナビニュース会員
調査数: 1,004人
調査方法: インターネットログイン式アンケート