朝の国際放送で肩ならし

こんにちは。上杉さくらです。復活したBCLリスナーのみなさん、お元気ですか。さて、日本語放送以外にいろいろと聴いてみたいというリスナーのみなさんも多いと思います。

30年ほど前に比べると、放送バンドを賑わしていたソ連などの放送番組が大幅に減り、ジャミング(妨害電波)も少なくなった上に、ラジオの性能が上がったために、遠い放送局の番組が聴きやすくなりました。スーダンやルワンダ、ニジェールなどアフリカ諸国からの放送もそれほど苦労せずに聴くことができます。

その一方で、ノイズが格段に多くなりましたね。今はどの家庭にもPCはありますし、夏にはクーラーは欠かせません。そのために、遠い異国から微力な電波をキャッチするには、コツがあります。

そこで、DX局を聞く前に、まずは肩ならしをしてみてはいかがでしょうか。そういう意味では朝の放送はおすすめ。土日は、ゆっくり寝ていたい、というお父さんも、ベッドの中でもかまわずに、ラジオのスイッチを入れてみましょう。

今日紹介するラジオ局は基本的にロッドアンテナで聞けるもの(環境にもよる)。ロッドアンテナでおぼつかなければ、3mぐらいの電線をロッドアンテナに接続すればOKでしょう。

VOAスペシャルイングリッシュを聴こう

まずは、VOA(ボイス・オブ・アメリカ)のスペシャルイングリッシュはいかがでしょうか。ゆっくりとした英語で、使用される単語数も1,500ワードとされているので、聞き取りもしやすいと思います。日本語以外の放送を再度聞いてみようという方にとって、肩ならしの番組としてぴったりです。また、QSLカードもスペシャルイングリッシュの番組ならば、比較的ゲットしやすいというのもうれしいところです。

内容はニュースのほかに、曜日ごとに科学、米国の歴史、カルチャーなどのコラムなどからなります。日曜日には米国の偉人についてのコラムです。

聞きやすい朝の番組は以下の通りです。時刻はいずれも日本時間です。

  • 8:00~8:30 9570KHz、13755KHz、15145KHz
  • 8:30~9:00 9570KHz、13755KHz、15145KHz、15340KHz
  • 9:30~10:00 15185KHz、15205KHz、15290KHz、15560KHz、17820KHz

このほかにも、7:30から30分間、15145KHzなどで放送されています。

放送を聞いてみて興味を持った方はVOA Special EnglishのWebサイトを見てみましょう。実は、記事ごとに音声を聞くことができるのです。テキストはウェブページに載っており、音声はMP3形式もしくはReal Player形式で聞いたり、ダウンロードしたりすることができますので、語学の勉強にも最適です。

サイト情報

VOA Special English
http://www.voanews.com/specialenglish/

8月9日の放送では、北京オリンピックのニュースにひきつづき、グルジア紛争について、そしてブッシュ米大統領が、米国大統領としてはじめて米国外のオリンピック開会式に出席したというニュースを報じていました。8月19日の放送では、パキスタンのムシャラフ大統領辞任のニュースが中心でした。

スペシャルイングリッシュに慣れたら、VOAの英語放送もチェックしてみましょう。こちらはニュースだけでなく、音楽番組も楽しめますよ。

  • 7:00~9:00 11725 KHz

サイト情報

VOA English News
http://www.voanews.com/

VOAのQSLカード。これは、スペシャルイングリッシュを聴いておくったもの。1575KHz、タイの中継所の放送だった

安心のBBC英語放送も健在。

一方、イギリスのBBCはいかがでしょうか。その昔、日本語放送も行われていたBBCですが、朝9時からの英語放送がおすすめ。時間によって異なりますが、シンガポール中継もしくはタイ中継なので、夕方まで安定して聞こえます。周波数は15360KHzで、ニュースが中心です。

8月19日の放送では、パキスタン大統領辞任のニュースを周辺諸国の状況もふまえて詳しく報道していました。リスニングは少々むずかしいですが、ブリティッシュ・イングリッシュを楽しみたい方はぜひ聴いてみてください。

少年時代あこがれのBBCのQSLカード。中学生が辞書を引き引き書いた英語の受信報告書に返信があるなんて! 今から30年前のQSLカード。よく残っていたなぁ

現在は、BBCはQSLカードを発行していない。ただし、中継所に受信報告書を送るとQSLカードやレター形式のQSLを発行してくれる場合がある。写真は、タイのBBC ASIA RELAY STATIONからのQSLカード(2002年)

サイト情報

BBC
http://www.bbc.co.uk/
BBC World News
http://www.bbcworldnews.com/

北京オリンピックはなにで聴く?

もうすぐ閉幕してしまう北京オリンピックですが、みなさんのことですから、ラジオでも聴いていることでしょう。

北京からの日本語もいいですけど、せっかくですので、中国国際広播電台(CRI)の中国語放送も聴いてみるのも楽しいですよ。中国語がわからなくても気にしない。雰囲気を楽しめばいいのです。

アジア最初のオリンピック、東京オリンピック(1964年)を記念して、ラジオ・ジャパンが発行したQSLフォルダ

先日8月9日の朝、10時すぎに15160KHZで聴いたところ、もちろん北京オリンピック特別番組。「サン(三)…、アル(二)…、イー(一)…、 北京奥運会開幕了!」というアナウンスを、ジングルのように効果的に流し、北京に来た台湾や香港出身者のことも多いに伝えるなど、宣伝のうまさといったら脱帽です。中国の放送局は主張したいことを効果的に伝えるのが上手なうえに、元気がいい放送が多いので、けっこう好きですね。

朝の放送で忘れていけないのが、かつて日本語放送があった、ドイチェ・ベレ。30年前はなかなか聞くこともままならない放送局でしたが、今は極東中継も多く、楽しめます。ロシアのウラジオストクやハバロフスク中継という放送もあり(冷戦時代は考えらなかったですね!)、ガンガン聞こえます。

おすすめは以下。

  • 9:00~9:59 英語放送(ウラジオストク中継) 15595 KHz
  • 8:00~8:50 中国語放送(ハバロフスク中継) 11830 KHz

今号のQSLカード

6月にEスポで聴いたEasy FMですが、中国国際広播電台(CRI)からQSLカードが到着しました。残念ながら途中で大雨にあったのか、水の中に落としたのか、湿っておりました。中国国際広播電台からの手紙によると、やはりプログラムをEasy FMから変更したとのことですが、残念ながらいつ変更したのか、という質問には答えはありませんでした。

ぬれてやってきた封筒には、税関の付箋が。乾かしてもまだぬれていた

北京オリンピック記念中国国際広播電台(CRI)のQSLカード

その裏面。6月はEasy FMだった

さて、次回はウェブでの放送局番組の楽しみ方に触れてみたいと思います。

※遠い国の放送をラジオで聞く場合、環境やその日の電波状況によって、受信具合が非常に変わります。その旨ご理解のほどよろしくお願いいたします。

追記

脱稿してから、家に帰ると中国は浙江省の台州新聞広播(88MHz)から返信が来ていました。

6月17日朝に聴いたのですが、仕事で忙しかったので、中国語で書いた受信報告書を送ったのは、7月29日でした。返信が届いたのは、8月20日。なぜか、封筒を開けるとなぜか宛先が書かれた放送局の封筒が入っており、その中に、こちらで作成したPFCに放送局の印(台州広播電視総台)と責任者の署名が書かれたものが入っていました。

台州新聞広播は、台州広播電視総台の一部門になるのでしょうか? 印章下部の文字が薄くてよく見えないのでわかりません。

中国に限りませんが、国内局はQSLカードを持っていないところが多いので、このように、受信報告書とともにPFCカードを同封して、サインや印で証明してもらうのがおすすめです。

パソコンでPFCを作成した。放送局のサイトにあったロゴを入れてみると、アクセントになる。国内局の受信報告書はなるべく現地の言葉(ここでは中国語)で書くのがおすすめだが、ヨーロッパ局や英語が通じる国(フィリピンなど)、あるいは英会話の番組がある放送局では、英語でも返信が来ることもある。  また、今回はICレコーダで番組を録音し、さらに「QuickTime Pro」で録音時間を短く調整した、MP3ファイルをCDに焼いて、受信報告書、返信料と一緒に送った。郵便代は100グラムまでおさえたので、330円だった。

サイト情報

台州新聞広播
http://www.tz987.com/