ふだんの友人との会話と仕事で使う言葉が異なるように、ビジネス英会話も、日常の英会話とは少々異なります。でも、あまり心配しなくて大丈夫。このシリーズでは、知っておくときっと役立つ“ビジネス英語のキホン”を、英会話イーオンさんに教えてもらいます。
さて、日本では「雑談力」という言葉がよく聞かれ、職場の人間関係を円滑なものにするには欠かせないものと認識されていますよね。では海外(※本稿では英語圏を指します)の職場における「雑談」は、どのような位置づけなのでしょうか。
日本では「その人自身のこと」、海外では「外的なもの」を話題にする
「仲間意識作り」「距離詰め」「コンディションの確認」など、仕事を円滑に進めることが目的とされるので、海外でも雑談は重要視されています。特に、コミュニケーションスキルが鍵となる対人の仕事(営業や接客など)では、ふだんの雑談はとても重要です。
日本では主に「その人自身」のことに関する雑談がなされるのに対して、海外ではどちらかというと、外的なもの、例えばスポーツのイベントや試合、テレビ番組、映画などのエンタメのほうが頻繁に話題に上がります。
■「あいさつ」「声かけ」のフレーズ
・How’s it going? (調子はどう?)
・How’s your day going? (今日はどんな調子?)
・How’s everything going? (調子はどう?)
・What’s new? (やぁ、変わりないかい?)
■よく挙がるトピック~週末の出来事・予定、スポーツ、エンタメ、持ち物、レストラン(食事)
・How was your weekend? (週末どうだった?)
・Any plans for the weekend? (週末何か予定ある?)
・Did you catch the game last night? (昨日の試合観た?)
・Guess what! (ねぇ、ちょっと聞いてよ!)
→Guess what? と言われたら、What? (何があったの?)と返答するのが一般的です。
・Did you hear (about~)? ((~のこと)ねぇ、聞いた?)
・That’s a nice tie! Where did you get that? (いいネクタイだね!どこで買ったの?)
・You have to check out that new restaurant down the street. (この通りの先にできた新しいレストラン、絶対行った方がいいよ!)
→ You have to ~ (絶対~した方がいいよ!)
ちなみに、「鉄板のアイスブレイク」の記事でご紹介したように、雑談のなかにも挙げてOKなトピックと、NGなトピックがあります。OKなのは【スポーツ、グルメ、レジャー、時事問題】など、NGは【政治、宗教、既婚・未婚、年齢】、加えて「お金」の話題も避けた方が良いですね。
【ワンポイント】開示されていないプライベートに、ズケズケ踏み込まない
相手から開示されていないプライベートな事柄は、ズケズケ聞きこまない方が無難です。例えば、デスクに家族の写真が置いてある場合や、過去に家族のことを自己開示されている場合は、「How’s your family doing?」など家族の話題をふってOK。そうでなければ、こちらからは質問しないことをお勧めします。
また、公私混同にも気をつけましょう。SNSをフォローすることも、人によってはプライベートに踏み入れられると感じるかもしれません。ですので、相手からお誘いがない限り、自分からその方の個人SNSをフォローする申し出をすることは避けた方がよいでしょう。
次回は、ビジネス会議で雰囲気を和ませる、「ナイスな誘い方&断り方」をご紹介します。