英語でメールを書くことに苦手意識を持つ人は多いかもしれませんが、決まり文句や定型文などの“お約束ごと”を覚えておけば大丈夫。前回に引き続き、「英語のビジネスメール」を書くときのポイントと、チャットなどでよく使われる省略語を、英会話イーオンさんに教えてもらいます。
ビジネスメールのみならず、日常の英語でコミュニケーションをとる際に、日本人が気を付けたほうが良いと感じる点が3つあります。
1.ポジティブな言い回しを意識しよう
否定語は避け、ポジティブな言い回しを意識すること。また、ダブルネガティブ(二重否定)は、英語では基本的にNGです。例えば、日本語では「~でないとは思わない」と二重に否定語を使うことで微妙なニュアンスを伝えたりしますが、英語では白黒はっきりした「~と思う」「~です」と簡潔な文のほうが好まれます。
2.感謝の言葉は惜しみなく
「ほめるは当然のこと」の回で、“賞賛はあって当然”と解説したことにも共通しますが、欧米の仕事文化と比べて、日本人には、仕事上のお付き合いにおいて「感謝の言葉」をあまり言わない人が多いように感じます。仕事だから「あたりまえ」や、仕事なので「逆に感謝するのは変な感じ」と思われている人もいるのではないでしょうか。感覚的な話になりますが、「日本人の感覚よりも、英語でコミュニケーションをとるときには、すこし多めに感謝の気持ちを伝えるくらいでちょうどいい」と意識してみてください。
3.起承転結ではなく、結論を先に
結論を先に述べて、その理由を述べる。日本語では「起承転結」のように、最後に一番伝えたい結論が来ることが多いですが、英語はその逆で、まずYes/Noはどちらなのか、自分の意見は何なのかを明確にした上で、その理由を話します。伝える情報の順番を意識すると、英語話者にとっては聞きやすい、あるいは読みやすい文章になります。
4.シンプルにわかりやすく、目的を明確に
よく言われるルールとして、「Keep emails brief and to the point.」と「Use the appropriate level of formality.」という2つがあります。「シンプルに分かりやすく目的を明確にする」という部分は、「ダラダラ書かない」という日本のエチケットと似ていると思います。ただ、メールを送る相手に合った“適切なレベルのフォーマルさ”を意識するというのが、難しいところです。
【番外編】社内チャットでよく使われる“省略語”
日本でも会社や部署によって、「ASAP(As soon as possible:できるだけ早く)」、「PCB(Please Call Back:折り返しお願いします)」、「NR(No Return:直帰)」などアルファベットの省略語を使っている方がいるかもしれませんが、英語圏では通じない和製英語と考えたほうがよいでしょう。
「ASAP」はメールのみならず、会話でも省略語で使われます。「PCB」は海外の人にはおそらく伝わりません。また「NR」は、「the point of no return=これ以上すると後に戻れない地点・局面」という意味ですから、「後戻りできない、戻ってこれない」という意味になってしまいます。ちなみに「NRN」は「No reply necessary」の省略語で「返信不要」という意味で使われます。
TBA (to be announced) 「追ってお知らせします」
TBD (to be determined)「今後、決定する予定です」
IMO (in my opinion)「自分の考えでは」
BTW (by the way)「ところで」(話題を変える接続詞として)
FYI (for your information)「ご参考までに」
これらは、比較的よく使われますので、覚えておくと便利な省略語です。