先日、医師の方とお話しする機会がありました。今年は例年に比較して、体調を崩す方が非常に多く、自宅でのテレワークが無意識にストレスを溜め、免疫力を低下させているのではと推測していました。

  • テレワーク続きでストレスを溜めていませんか?

テレワークはオンオフの切り替えが大切

テレワークは、「通勤の負担がない」「職場で苦手な人と顔を合わせなくて良い」といったポジティブな側面がありますね。

一方で、

・家にいると、気持ちの面で、オンとオフの切り替えが難しく、ストレスを感じる
・ずっと家にいるので、息が詰まりそう
・やるべきことはあるが、家だとダラけてしまいがちで、そのこと自体がストレス

(さまざまなストレス要因の一つとして)こういった「環境変化」によるストレス負荷がかかっていませんか?

テレワーク下では、心身の健康を保つためにも、オンとオフを明確にし、しっかりと「ガス抜き」をする時間の確保も必要。そのためには「時間管理」に自ら率先して取り組むことが大切ですね。

仕事は時間を切って行う

時間管理の土台となるのは、朝の仕事開始時に「一日のタイムスケジュール」を組むこと。言われると当たり前のことで、勤務先で実践を義務付けられている方も多いと思いますが、意外とできていない方も見かけます。

「仕事の量は、完成のために与えられた時間をすべて満たすまで膨張する」というパーキンソンの法則という概念があります。この概念のキモは「時間を切る」という点。

例えば、時間を切らずに「とりあえずやろう」と、仕事に取り組み、1時間かかったタスクがあったとしましょう。同じタスクでも、「15分間で実施する」といったように(適切な)時間を切ると、脳は、身体に、その時間内に完成させるよう指示を出し、行動が早くなります。

これを土台に置いた上で、すぐに使える時間管理TIPSを4つお伝えします。

「仕事開始の切り替えスイッチ」を作る

テレワーク下では、「プライベート」と「仕事」の境目が、なんとなく曖昧になりがちです。だからこそ、「仕事への切り替えスイッチ」を作ると効果的です。

「◎◎=行動開始」といったように、行動のスイッチを入れる特定のシンボルのことを行動分析学の概念で、「プロンプト」と言います。このプロンプトは、特定の行為を繰り返すことで作られます。

例えば、「このカップにコーヒーを注いでPCの横に置き、仕事を始める」ということを意図的に2週間ほど行ってみましょう。自然と脳は「コーヒーが入ったこのカップがPCの横に置かれるという行為=仕事開始の合図」と認識するようになり、仕事モードへの切り替えスイッチになります。

「簡単にできる作業」から仕事を開始する

朝一番に気分が乗らず、そのまま「ダラダラ」が続いてしまうことがありませんか?

そんな時は、「気持ちを上げよう」と考えるのではなく、「手を動かす」といったような身体のアプローチから入る方が効果的。一度行動すると、やる気がない状態でも「脳のやる気」をつかさどる部分が活性化され、意欲が高まります。

こうした心理現象を「作業興奮」と言います。気持ちが乗らないときは、事務的に返せるメール返信、デスクの整理整頓など 「簡単にできる作業」から始めてみましょう。

「短時間の集中作業+細かな休息」スタイルを取り入れる

誰でも、時に「集中力が続かない」ことがありますね。

そんなときは、「ポモドーロテクニック」を活用することをお勧めします。タイマー使って時間管理し、「25分(仕事)+5分(休憩)」を1セットにして仕事に取り組むのです。4セットの実践後に長めの休憩を取ります。

そもそも人間の集中力は長時間続きません。だからこそ、「短い時間の集中+休憩」というループを使う方が効率的なのです。

「やらないことリスト」を作る

自宅勤務では、休憩時間に動画やSNSを見て漫然としていたら暗くなっていた……、といったことが起きがちです。これではオンとオフの切り替えが難しく、結果として長時間労働になってしまうことがあります。

そこでお勧めするのが「劣後順位」の考え方。「優先順位」は、「やるべき」ことの順位付けですが、その逆で、「やるべきではない」ことの順位付けです。

「◎◎と××と△△は9~17時まで禁止」といった形で、大きめの「ふせん」等に書き、PC画面横に張り付けてみてはいかがでしょうか。


すべてを実践する必要はありませんが、自分にとって効果が高そうだと感じたものがあれば、ぜひ取り入れてみてください。

筆者プロフィール: 阿部淳一郎

ラーニングエンタテイメント 代表取締役
若手の採用・育成・定着に強い人材開発コンサルタント。早稲田大学教育学部卒。筑波大学大学院(ストレスマネジメント領域)修了。保健学修士。社会人教育を行う東証一部上場企業等を経て2004年に起業。「メンタル不調者を減らし、若者の能力を引き出す」をコンセプトに人材開発業務に従事。大企業から中小・ベンチャー企業、学校、行政まで研修登壇実績は約1500本、コンサルティング実績30社。サンフランシスコ・シリコンバレーへも事業展開中。大学での就職活動領域における講師歴も長い。『これからの教え方の教科書(明日香出版社)』など著書3冊。『NHK』『日経新聞』『読売新聞』『日経アソシエ』『週刊SPA!』など取材実績も多数。