近年、エンタメ業界で存在感を増している「ファンダム」。好きなアーティストの商品を購入するだけではなく、投票やイベントへの参加、SNSでの拡散など、ファン自身の行動がコンテンツの成長にも影響するようになっている。

グローバルファンダム応援プラットフォーム「JK Fandom」を運営するファンコミュニケーションズ・グローバルは、10月16日に韓国で開催されたコンテンツビジネスフェスティバル「CONTENTS UNIVERSE KOREA 2026」に登壇。取締役COOの林真元氏が、「ファンは消費者ではない――Superfanが生み出す新しいコンテンツ経済」をテーマに講演した。

“スーパーファン”を分けるのは「好き」の大きさではない

林氏が注目したのが、熱量の高い「スーパーファン」の存在だ。

講演では、コンテンツを一度見て終わる「観覧者」が、アーティストを追いかけて何度も戻ってくる「ファン」となり、さらに「投票」「購入」「参加」「拡散」「創作」という5つの行動を積み重ねることで「スーパーファン」になると説明。

スーパーファンを分けるのは「好き」という気持ちの大きさではなく、好きだからこそ起こす“行動の数”であり、ファンは「見る人」ではなく「動く人」であるとした。

韓国の「ファンダム」と日本の「推し活」の違い

講演では、韓国の「ファンダム」と日本の「推し活」の違いについても紹介された。

韓国では、カムバック時の初動売上や音楽番組の投票など、「みんなで一斉に動いて記録をつくる」文化が見られる一方、日本の推し活は、日常生活のなかで「一人ひとりが毎日応援する」文化だという。

応援の形に違いはあるものの、林氏は、ファンがお金と時間を費やす理由は単なる「消費」ではなく「応援」だと説明。その応援が結果として売上につながる構造を「Superfan Economy」として紹介した。

ファンダムは「ヒットの結果」ではなく「企画の出発点」

さらに、ファンによる投票や購入、イベントへの参加といった行動はデータとして蓄積され、「誰をステージに立たせるか」「次の公演をどこで開くか」「どんなグッズをつくるか」といった判断にも活用できるという。

林氏は、これからのコンテンツ産業に必要な視点として、ファンを「買ってくれる人」ではなく「IPを共に育てるパートナー」と捉えること、ファンダムを「ヒットの結果」ではなく「企画の出発点」として考えること、そしてファンを「管理する」のではなく「読み解く」ことの3つを挙げた。

また質疑応答では、少数のスーパーファンへの依存がリスクにもなり得るのではないかという問いも。これに対し、スーパーファンによる売上や行動データを次のコンテンツやイベントにつなげ、そこから新規ファンの流入やファン層の拡大を図ることで、特定のスーパーファンだけに依存しない循環を作っていく構想が示された。

「推し」を応援する一つひとつの行動が、次のコンテンツを生み出すためのデータにもなっていく。ファンを“コンテンツを買う人”としてだけではなく、“コンテンツをともに育てていく存在”として捉える動きは、今後のファンダムビジネスを考える上で一つの重要な視点になりそうだ。

【編集部MEMO】
「JK Fandom」は「あなたのひとオシで推しをスターに」を掲げるグローバル推し活応援プラットフォーム。同じ“推し”を持つファンが団結してアーティストの出演機会を後押しできるほか、投票結果に応じて出演・紹介などのリワードを提供している。