「千代田」と聞いて、おそらく多くの人が真っ先に思い浮かべるのは、東京都千代田区でしょう。

でも、実は群馬県にも「千代田」があるんです!

それが、邑楽郡千代田町。……ただ、どうしても東京都千代田区と比べると知名度には差があり、「千代田町です」と言うと「東京都千代田区ですか?」と間違えられることも多いのだとか。

ならば、いっそ「じゃない方」と自分たちから名乗ってしまおう!

ということで今、千代田町では「#じゃない方の千代田」と名付けたプロモーションを展開しているんです。

そんな話を聞いた編集部から、こんな企画を提案されました。

「だったら、千代田区と千代田町の名所を実際に比べてみませんか?」

ほう……それは面白いかも。

東京都千代田区の名所といえば、日本武道館、千鳥ヶ淵、日比谷公園、東京国際フォーラム、丸の内仲通りあたりでしょうか。

一方、群馬県千代田町にも、それらに対抗できるスポットがあるとのこと。よーし、ここは一つ、実際に千代田町を歩いて、その魅力を紹介しようじゃないですか!

まさかの豪雨……でも行きます!

雄大な利根川が流れ、緑も多い千代田町。青空の下で写真を撮ったら、さぞ気持ちいいだろうなぁ。

そう思って迎えた取材当日。

  • 台風よりはちょっとマシかな、くらいの雨量

    台風よりはちょっとマシかな、くらいの雨量

豪雨。

いや、マジか。

万全の東京都千代田区と、この天気で対決するんですか??

……まあ、とはいえ天気だけはどうしようもない。

まずは、利根川を渡るため「赤岩渡船」へ向かいましょう。

千鳥ヶ淵 vs 赤岩渡船 船を呼ぶには「黄色い旗を上げる」

熊谷駅からバスに乗って終点の葛和田へ。この雨の中、船に乗ろうという人はいないのか、葛和田まで乗っていたのは僕だけでした。

赤岩渡船は、群馬県千代田町の赤岩と、利根川を挟んだ埼玉県熊谷市の葛和田を結ぶ渡船。県道扱いになるため、乗船料金は無料とのこと。確かに「道」を通るのは無料ですもんね。

  • 向こう岸が千代田町

    向こう岸が千代田町

ただ、すごいのはここから。

赤岩渡船では、船は基本的に利根川を挟んだ群馬県千代田町側に停留しています。じゃあ埼玉県川からはどう乗るのかというと、

黄色い旗を上げて、対岸にいる船頭さんに気づいてもらい、船をこっちに呼ぶのです。

スマホで呼ぶとか、電話するとか、ベルを鳴らすとか、そういうことではなく、ただただ気づいてもらうのを待つというストロングスタイル。これは、いきなり、すごいぞ?

  • ちなみに旗の色は黄色というか、白っぽかったです

    ちなみに旗の色は黄色というか、白っぽかったです

早速上げてみたのですが、対岸を眺めても船が来る気配がありません。

やっぱり、この雨だと運休?

赤岩渡船は、増水や強風などで運航が危険な場合には運休します。その場合、群馬県側に赤旗が上がるのです。

運休なら運休で、タクシーでも呼んでなんとしても千代田町に行かなければ……と悲壮な決意を固めながら、待合小屋の掲示をよく見てみると、

  • あっ

    あっ

12時から13時は休憩時間。

現在、12時50分。

単に昼休みでした。

  • いい味出している待合小屋

    いい味出している待合小屋

というわけで、小屋で10分ほど待機。この小屋がまた、なんかイイんですよね……。雨の中、誰もいない小屋で一人じっとしていると、なんだかノスタルジックな気分になってきます。

と言っているうちに13時になったので、今度こそ黄色い旗を上げます。

しばらく待っていると、

  • 気づいてもらえた

    気づいてもらえた

動きました。

ちゃんとこちらへ向かってきます。

本当に旗で船が来た!

船に乗り込み、利根川を渡ります。

時間にすれば短い船旅ですが、これがなかなか楽しい。雨でコンディションは決していいとは言えないのですが、それでも風に吹かれながら利根川を突っ切るのはめちゃくちゃ気持ちいいんです。

  • 想像以上に気持ちいい

    想像以上に気持ちいい

千代田町に行く方法はいろいろあると思いますが、この赤岩渡船はテンションが上がるので、ぜひ体験してほしいと思いました。

……そういえば、千代田区との対決でしたね。

  • 東京都千代田区「千鳥ヶ淵」

    東京都千代田区「千鳥ヶ淵」

比べるのは「千鳥ヶ淵」。こちらも水辺で船に乗れる点は共通していますが、千鳥ヶ淵はレジャー、赤岩渡船は対岸へ移動する交通手段ということで、ぜんぜん目的が違います。 どっちも楽しいと思いますが、赤岩渡船は旗で船を呼ぶという珍しい体験まで含めておすすめです!

ちなみに利根川では新橋整備に向けた取り組みも進められています。そのとき、渡船はもしかしたらなくなってしまうかもしれませんが、一方で観光資源として渡船を残せないかという話も出ているそうです。

丸の内仲通り vs 赤岩ベース 渡船から徒歩数分でカレーを楽しむ

無事に群馬県側へ上陸しました。群馬県をかたどったテーブルがあったりして、ここから群馬なんだな、という実感が湧いてきます。

  • 群馬県に来たという実感が湧くテーブル

    群馬県に来たという実感が湧くテーブル

そう、ここはもう千代田町。次の目的地は「赤岩ベース」です。

地図を見ると……近い!

渡船場から歩いて数分の場所にあります。

  • 赤岩ベース

    赤岩ベース

赤岩ベースは2026年4月にオープンしたキッチンコンテナ型の交流拠点です。

歴史ある赤岩宿周辺のにぎわいづくりや関係人口の拡大を目的に整備された施設で、普段は飲食や物販の場として、災害時には炊き出しなどを行う避難所支援施設として活用する想定になっているとのこと。

  • 居心地のいい店内

    居心地のいい店内

この日の昼食は、赤岩ベースに入る「curry shop mosso」で。

  • 選べるカレーは絶品

    選べるカレーは絶品

注文したのは定番のバターチキンと薬膳カレー。バターチキンはほどよい甘さで、口当たりもなめらか。薬膳カレーはスパイスがしっかり感じられ、骨付き肉がごろっと入っていて食べ応えがあります。これはおいしい……! 時間があればお隣のクレープ屋にも寄りたかったです。

さて、赤岩ベースと対決するのは、丸の内仲通りのキッチンカー!

  • 東京都千代田区「丸の内仲通り」

    東京都千代田区「丸の内仲通り」

高層ビルに囲まれた丸の内のランチと、利根川を船で渡った先で食べるカレー。どちらも違った良さがありますね。

さて、赤岩渡船にカレーと、早くも「じゃない方の千代田」の魅力を満喫していますが、まだまだ取材は始まったばかり。

後編では、日比谷公園に対抗する町の公園や、東京国際フォーラム、日本武道館と比較する施設を巡ります。果たして、群馬県千代田町は東京都千代田区にどこまで対抗できるのか?

引き続き、雨にも負けずに歩いていきます!(後編へ続く)