横浜FM戦で先制点を挙げた京産大MF福永裕也 [写真]=舩木渉

 天皇杯 JFA 第106回全日本サッカー選手権大会の3回戦が7日に行われ、横浜F・マリノスが京都府代表の京都産業大学を2-1で下し、4回戦へと駒を進めた。

 2回戦でJ1の水戸ホーリーホックを破っていた京都産業大は、またしてもJ1クラブを追い詰めた。序盤からマリノス相手に堂々と渡り合い、35分には福永裕也のゴールで先制に成功する。

「(末谷)誓梧くんが突破してくれて、自分としてはDFが勢いを持って滑ってきているのは分かっていたので、しっかり枠に入れることを意識した上で、ディフレクションにはなりましたけど、ゴールという形になったのはすごく良かったかなと思います」

 福永は左サイドをキレのあるドリブルで突破した末谷誓梧の折り返しを受けて左足を一閃。ジェイソン・キニョーネスの足に当たってコースの変わったボールがゴールネットに突き刺さった。しかし、後半になるとギアを上げた横浜FMの勢いに押される時間が長くなり、59分に小野成夢の一発退場で数的不利に。直後にジョルディ・クルークスの直接フリーキックで追いつかれ、68分には天野純に逆転ゴールを奪われて力尽きた。

 福永は2失点目の場面でJ1トップクラスの選手との差を実感したという。

「失点した場面でいうと、天野選手のようなトップの選手は本当に落ち着いていると思いますし、そこが自分とトップの選手との大きな差かなと。もっともっとゴール前やラストパスのところも突き詰めてやっていきたいです」

 一方で、自らの成長を実感することもできた。福永は8月26日に行われた天皇杯2回戦の水戸戦に出場した後、9月中旬からはU-21日本代表の活動に参加。アジア競技大会で5試合に出場し、日本の銀メダル獲得に貢献した。

「高い基準を持った選手たちと(U-21代表で)3週間一緒に生活してきて、今日は代表で感じたものを表現できたかなと思います。あっちの強度やクオリティの高さを知っているからこそ、他の選手よりは周りを見ながら落ち着いてプレーできたかなと。そこはすごくポジティブかなと思います」

 福永は今年3月に初めて大岩剛監督率いるU-21日本代表に選出され、6月には欧州遠征でU-23ウズベキスタン代表やU-21ウクライナ代表と対戦した。そして、9月のアジア競技大会出場メンバーに生き残り、激動の1カ月を過ごして大学に戻った。

 短期間でも「高い基準」を肌で感じたことで、新たに課題や伸びしろが見つかった。「(U-21代表は)全員クオリティも何もかもが高くて、自分の力不足を実感する3週間だったので、もっともっと圧倒的にならないといけないと感じた」という福永は、天皇杯での横浜FMとの対戦も経験した上で、さらなる高みを見据えていた。

「個人のところでいうと、もっとクオリティを上げなければいけないと思います。対人は大学生ならほとんど負けないという実感があるんですけど、やっぱりレベルが上がって、プロの選手や代表選手が相手となると、そこ(対人)の自信も少し薄れてしまう部分がありました。守備でしっかり奪い切るところもそうですし、個人の強度やクオリティを上げていかないと、プロの舞台でやっていけないと思います。例えばキニョーネス選手は目の前に立った瞬間、迫力がありましたし、外国人の大柄な選手とは普段対峙することがないので、本当に大きな経験になりました。それを『経験』で終わらせず、関西学生サッカーリーグの後期やインカレにつなげていきたいです」

 現在大学3年生の福永も含まれるロサンゼルス・オリンピック世代には、日本代表としてFIFAワールドカップ2026に出場した塩貝健人や後藤啓介をはじめ、海外でプレーしている選手も数多くいる。アジア競技大会や天皇杯での貴重な経験を成長への糧とし、すでにプロとして実績を残している選手たちとの激しい競争を勝ち抜いていけるか。きっかけは掴んだはずだ。

取材・文=舩木渉

【動画】京産大MF福永裕也が横浜FMから奪った先制点