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◆「災害が起きた後に支える」から「被害を未然に軽減する」へ
株式会社SDSホールディングス(以下SDSホールディングス)は、「私たちを取り巻く脅威に対処し、遠い未来・近い将来・今の社会に貢献する」ことを経営理念とし、地球温暖化・災害・衛生リスクという3つの脅威に対し、サステナビリティ(持続可能な社会の構築)・デベロップメント(災害に強い施設の構築)・セーフティ&ヘルス(衛生的な施設の構築)の3つの事業分野を主力事業として進めています。このたび、デベロップメント事業で取り扱う災害対策設備として、「浸水対策」の新サービス「浸水検知通知・防災支援サービス」(以下「本サービス」)を開始しました。
本サービスは、建物の敷地や電気設備に設置した機器で浸水を検知してスマートフォン等へ速やかに通知する「浸水検知通知」、止水板の設置や電気設備のかさ上げ等で被害を防ぐ「浸水対策支援」、被災後の電気設備復旧と生活・事業再開を支える「復旧支援」の3つで構成されます。
今までに連結子会社である株式会社省電舎(以下「省電舎」)を中心に、省エネルギーソリューションの導入に加え、防災用の非常用電源装置やLPガス災害バルク等の提供を通じて、災害時に電力やガスの供給が途絶した場合のライフライン機能を維持するための取組みをおこなってきました。本サービスは、これらの取組みを「災害が起きた後に支える」ことから「被害を未然に軽減する」ことへと広げ、浸水の早期把握から平時の備え、被災後の復旧までを一体として提供するものです。
◆本サービスのポイント
●建物単位の浸水対策:地域単位で発表される公的な防災気象情報・避難情報を補完し、「自分の建物で今、浸水が始まった」ことを管理者・居住者・従業員等のスマートフォン等へ速やかに通知
●知らせる・防ぐ・立ち直るを一体提供:浸水検知通知/浸水対策支援(止水板・電気設備のかさ上げ等)/復旧支援(電気設備の復電、手続き支援)の3本柱
●本業からの派生:3つの事業分野のうちデベロップメント事業の災害対策設備として位置づけ。省電舎の電気設備工事の知見・施工体制と、BCP対策ソリューションの顧客基盤を活用し、検知・通知システムは実績のある外部システムを採用(自社開発は行わない)
●気候変動への「適応」:省エネルギー事業による「緩和」と併せ、環境保全に両面から取り組む
◆記録的な大雨の頻発と、「建物ごとの浸水」を知る仕組みの不足
本年8月から9月末にかけて、各地で記録的な大雨が断続的に発生しました。8月中旬の千葉県、8月下旬の北陸地方、9月上旬の東海地方に続き、9月の連休期間には台風第25号が関東地方に接近し、関東地方及び伊豆諸島で記録的な大雨となって各地で避難指示が発令されました。東京都心では、秋雨前線及び台風の影響により9月の月降水量が観測史上1位を更新し、観測史上初めて9月の全ての日で降水が観測されています
一連の大雨では、河川の氾濫に加え、短時間の強い雨に排水が追いつかない浸水が市街地で発生し、被害は住宅にとどまらず事業所、店舗、農林水産業にも及びました。建物の電気設備が浸水して機能を失い、停電や断水が長期化した事例も生じており、SDSグループが従来提供する非常用電源設備についても、設置場所が浸水すれば機能が損なわれるおそれを改めて認識しました。大雨が間を置かずに繰り返される状況では、地盤が水分を多く含んだまま次の雨を迎えるため、浸水や土砂災害の危険性が一層高まります。
一方、国や地方自治体が発表する防災気象情報や避難情報は主として地域単位で提供されており、個々の建物の敷地における浸水を知らせる仕組みは広く普及しているとはいえません。SDSグループは、建物ごとに浸水を早期に把握し、被害が生じる前に行動できる環境を整えることが、従来の災害時サービスを有効に機能させるためにも不可欠であると判断し、本サービスの開始を決定しました。
◆浸水対策を「知らせる・防ぐ・立ち直る」の3本柱で
①浸水検知通知 ― 浸水を「事前に知らせる」
敷地の出入口、地下駐車場、電気室など浸水の影響を受けやすい箇所に小型の検知機器を設置し、浸水を検知した時点で、登録済みの管理者、居住者、従業員等のスマートフォン等へ速やかに通知します。通知には、車両の移動、電源の遮断、止水板の設置、上階への避難など直ちに取るべき行動を併記し、地域単位の公的な防災情報を補完して「自分の建物で今、浸水が始まった」ことを行動につなげます。通知は広く普及しているメッセージアプリ等を通じておこない、専用アプリを要しない方法を想定しています。
②浸水対策支援 ― 被害を「防止する」
ハザードマップ、過去の浸水履歴、電気設備の設置位置等から建物の浸水リスクを診断し、止水板の設置、受変電設備及び非常用電源設備のかさ上げ又は移設、排水設備の整備など、被害を未然に軽減する浸水対策工事を省電舎の施工体制により実施します。あわせて、防災用非常用電源装置やLPガス災害バルクの導入、浸水時の初動手順を定めた簡易なBCP(事業継続計画)の策定、説明会・訓練の実施、自治体の止水板助成や防災・減災税制の申請手続きを支援します。
③復旧支援 ― 被災後の「復旧復興サポート」
浸水被害が生じた場合には、排水、片付け、清掃の協力など初動の対応をお手伝いしたうえで、省電舎の本業である電気設備の点検・復旧をおこない、受変電設備、分電盤、ポンプ、エレベーター等の早期の復電を図ります。復電までの間は非常用電源装置等により生活と事業の継続を支え、罹災証明の取得、火災保険の水災補償の請求、補助金の申請等の手続きを支援するとともに、復旧で明らかになった弱点を踏まえた再発防止策を改めて提案します。
◆対象・提供体制・提供開始時期について
対象
集合住宅の管理組合・管理会社、工場・倉庫・店舗・医療・福祉施設等を有する事業者、各自治体。既にSDSグループの省エネルギー設備や災害時サービスをご利用の顧客には、既存設備の浸水対策と併せて提案します。
提供体制
SDSグループが一体として提供。浸水の検知・通知システムは実績のある外部システムを活用し、省電舎が機器の設置、浸水対策工事、復旧対応を担当します。
提供開始時期
浸水検知通知は、本サービスに最適なシステムの検証・実証実験を進めており、提供開始時期は結果を踏まえて決定し、決定次第お知らせします。
◆電舎の災害対策事業と本サービスの位置づけ
省電舎は、省エネルギー設備及び自家消費型太陽光発電設備の設計・施工を本業とし、その延長として、災害時のライフライン機能の維持を目的としたBCP対策ソリューションを提供してきました。具体的には、避難所、帰宅困難者受入施設、集合住宅、オフィス等で停電時に携帯電話等の充電を可能にする防災用非常用電源装置や、災害時にもガスの供給を継続するLPガス災害バルク等であり、令和6年能登半島地震の際には被災地域への支援プログラムを実施しています。
【省電舎:既存災害対策事業】LPガスをエネルギー源とする非常用発電システム(停電時は約40秒後に自動切替し、照明・空調・携帯電話へ給電)
これらは主に「災害が発生した後」に電気、エネルギー、生活のライフラインを維持する取組みでした。本サービスは、省電舎が培ってきた電気設備工事の知見と施工体制、災害時サービスで築いた顧客基盤を活用し、本業から派生する重要な社会課題である水害への対応に取り組むものです。浸水の検知・通知システムは自社開発せず、既に実績のある外部システムを活用し、SDSグループは設置、通知先の設定、対策工事、復旧対応といった顧客に接する部分を担います
◆「緩和」と「適応」の両面から
SDSグループは省電舎を中心に、省エネルギー設備の導入等を通じてエネルギー使用量と温室効果ガス排出量の削減に取り組んできました。これは気候変動の進行を抑える「緩和」にあたる取組みです。本サービスは、既に生じつつある気候変動の影響に備える「適応」にあたります。浸水による被害は、人命や財産への影響にとどまらず、停電や断水による生活の中断、事業活動の停止、設備の廃棄・更新に伴う環境負荷など、地域社会に広く及びます。省電舎は、災害による被害の防止・軽減と被災後の復旧・復興への貢献を環境保全に関する重要な事業領域と位置づけており、SDSグループは「緩和」と「適応」の双方から環境保全に取り組みます。